先週末以来,OEKのメンバーは安永徹さん,市野あゆみさんとの公演を行っていますが,この日はこのお二人をゲストに招いての室内楽公演が音楽堂交流ホールで行われました。演奏された曲は,ベートーヴェン:弦楽四重奏曲ハ短調,シューマン:ピアノ五重奏曲変ホ長調,シュポーア:九重奏曲ヘ長調ということで,前回同様,いろいろな編成の室内楽をしっかりと楽しむことができました。
今回演奏された曲は,3曲とも楽章の抜粋ではなく,全曲が演奏されましたので,その分,演奏時間はかなり長くなりましたが,安永さんと市野さんの登場したシューマンを中心として,フル編成のコンサートとは一味違った面白さを味わえました。
シューマンのピアノ五重奏曲は,私自身,過去何度か聞いたことがありますが,この日の演奏は,まさに大人の演奏でした。慌てることのないテンポで,きっちりと演奏する一方,至るところにファンタジーが溢れていました。
最後に演奏されたシュポアの曲は,九重奏というこれまでに聞いたことのないような「大編成」の室内楽でした。非常にのどかな曲で,九人の奏者たちがおしゃべりを気ままに楽しんでいるような曲でした。
最初のベートーヴェンの弦楽四重奏曲は,OEKのメンバーたちが,集中的に取り上げようとしているレパートリーです。この曲は,初期の作品ですが,淡い悲しみが漂うような曲で,モーツァルトの短調作品などに通じる雰囲気のある曲でした。
この日の公演は,フォーラスがサポートをしているようで,スターバックス・コーヒーが店を出していました。交流ホールは気楽な雰囲気があるので,こういうスタイルも似合うなという気がしました。次回は10月とのことですが,大編成の室内楽を交えたこのシリーズに期待したいと思います。
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