OEKの「椿姫」公演に行ってきました
フィルハーモニー公演とファンタジー公演の2回行われた森麻季さんがタイトル・ロールを歌った「椿姫」公演のうち,本日行われたファンタジー公演に出かけてきました。今回の公演では,何と言っても森さんの歌と演技が注目だったのですが,どちらも大変素晴らしいものでした。声自体に透明感があるので,幕が進むにつれて,死期が近づくという展開に非常にリアリティがありました。第1幕などは,その分,華やかさが欲しい部分もありましたが,「ああ,そはかの人か」の部分などの非常にしっとりとした気分は室内オーケストラとしてのOEKとぴったりの歌だと思いました。「花から花への」最後の超高音では非常に細く透き通る声を見事に聞かせてくれました。
佐野さんと直野さんのアルフレートとジェルモンは,もう,見る前から素晴らしいことは分かっていたのですが,期待どおりの素晴らしさでした。佐野さんの声が入ると「イタリア!」な情熱が加わり,直野さんが登場すると厳しい現実と渋さが立ち上がります。この2人でドラマを引き締めていました。大勝さんの指揮も素晴らしく,「ヴェルディは,こういう効果的な音楽を付けていたのだ」ということが鮮明に伝わってきました。
公演全体については,やはりコンサートホールでの上演ということで,最善とは言いがたい部分がありました。また,途中にOEKエンジェル・コーラスがゲストとして加わっていたのは(歌ってくれた子供たちには責任はないのですが),「?」という演出でした。ヴェルディの音楽だけに浸りたかったと思いました。
というわけで,金沢市観光会館が,「歌劇座」と名称変更するということですので,次回は是非,森さんの歌+OEKで,「ラ・ボエーム」などを歌劇座で聞いてみたいものだ,と思いました。
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コメント
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森麻季さんのブログに,今秋の「椿姫」公演の舞台裏の写真&記事が沢山掲載されています。とても楽しげな雰囲気がよく伝わってきますので,ご覧になってみてください。
http://www.makimori.com/blog/
投稿: 管理人hs | 2007/09/18 21:02