シューベルト・フェスティバル5日目
連日行われているシューベルト・フェスティバルの5日目に出かけてきました。今日は仲道郁代さんと地元の若いピアニストが共演するということで,我が家も家族で出かけてきました。仲道さんがソロで演奏した後,後半で次々と連弾を行っていくのですが,仲道さんのアドリブ的なトークの素晴らしさに感服しました。
一言で言うと「子供の扱いがうまい」ということになるのですが,緊張している子供たちからうまくコメントを引き出し,そのコメントを元に前向きな気分を盛り上げていました。最後に「音楽って良いですね」と語られていましたが,まさにそのとおりと思わせるステージとなっていました。NHKでかなり以前,中村紘子さんなどが先生となって,子供たちにピアノを教える「ピアノのおけいこ」という番組がありましたが,ちょっとその雰囲気を彷彿とさせるものがありました。
ただし,子供たちの演奏のレベルは,「おけいこ」というレベルを超えており,本当に立派な演奏を聞かせてくれました。我が家の子供も(同世代なのです),かなり刺激を受けていたようです。
この演奏会は邦楽ホールで行われたのですが,その後,昨日についてハシゴをしました。交流ホールで行われていたフルートリサイタルをちょっと聞いた後,今度はコンサートホールに移り,オーケストラと歌曲の夕べを聞いてきました。故ヘルマン・プライさんとOEKが共演してきた公演の再現のような感じでしたが,今回の特徴はバリトン,テノール,ソプラノで歌い分けていた点です。特にテノールの吉田浩之さんの歌が見事でした。「冬の旅」をテノールで歌うのは比較的珍しいと思うのですが,バリトンが歌うのとは違った魅力を引き出していました。
その後,せっかくなので,仲道さんのピアノ・ア・ラ・カルトの第2部の方に出かけてきました。昼間に行われた第1部同様,若いピアニストのすがすがしい演奏を楽しむことができました。
今年の「シューベルト・フェスティバル」ですが,これまでのモーツァルトやハイドンに比べると,オーケストラ・コンサートは少なかったのですが,その分,室内楽,器楽曲,声楽曲の演奏会が充実していた気がします。シュライヤーさんが来日されなかったので,少々地味になったところはありますが,シューベルトを堪能できた1週間でした。
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