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2007/11/15

ブーニン+ピヒラー/OEK

今日は北陸放送開局55周年記念のスタニスラフ・ブーニン&ギュンター・ピヒラー指揮オーケストラ・アンサンブル金沢の演奏会に出かけてきました。毎年,11月になるとこのコンビの演奏を聞いているような気がしますが,今日の演奏は,その中でも特に素晴らしいものだったと思います。

ブーニンさんは相変わらずの人気で,この日もほぼ満席だったと思いますが,演奏のスタイルは少しずつ変わって来ている気がします。これまで,曲によっていは,かなりエキセントリックな演奏に感じられる場合もあったのですが,今日のベートーヴェンは,「悲愴」も協奏曲第3番も比較的「普通」の演奏だったような気がします。とはいえ,大胆な間が入ったり,フェイントを掛けるような強弱の付け方があったり,スリリングさは失われていません。

これはピヒラーさんにも共通するのですが,非常に冷静に演奏しているのに,突如,瞬間湯沸かし器(?)のような感じで,爆発するような部分があります。そういった煌きを感じさせつつ,全体としてみると,まとまりの良い音楽に聞こえるスタイルになってきた感じです。この日,ブーニンさんが演奏した2曲は東芝EMIからCD発売されるということですので(ライブ録音ではなく,前日までにセッション録音していたようです),こちらも楽しみにしたいと思います。

後半のベートーヴェンの7番ですが,こちらもまた素晴らしい演奏でした。OEKはこの曲を本当に何回も演奏していますが,その十八番にピヒラーさんがさらに磨きをかけたような演奏だったと思います。OEK自体,指揮者なしでもこの曲を十分演奏できるのですが,ピヒラーさんは,手綱を締めたり,緩めたりして,とても彫りの深い音楽を聞かせてくれました。

特に印象的だったのは,第2楽章です。OEKが岩城さん指揮でこの楽章を演奏する場合,アレグレットという速度指定に従って,かなりあっさりと演奏していましたが,この日のピヒラーさんのテンポはアンダンテぐらいだったと思います。チェロとコントラバスの演奏で始まるのですが,何とも言えず味わいの深い歌で始まり,前楽章の熱気と好対照を作っていました。

フィナーレの盛り上がりも素晴らしいものでした。楽章の最初の方は,OEKのペースで余裕を感じさせる演奏だったのですが,次第に凄みを増し,最後の方は集中力の固まりのような演奏になっていました。この曲は,先週の「のだめ」のコンサートでも演奏されたようですが,OEKを完全燃焼させてくれたピヒラーさんの凄さを感じさせてくれた演奏でした。

アンコールは...あの曲でした。思わず井上音楽監督の顔が思い浮かんでしまいました。曲名については,レビューの方でご紹介しましょう。

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