小曽根真×井上道義OEK
今日は,ピアノの小曽根真さんと井上道義さん指揮OEKが共演したファンタジー定期公演を聞いてきました。今回,モーツァルトのピアノ協奏曲の全曲が演奏されましたが,ファンタジー定期では珍しいことです。ショスタコーヴィチの曲を含め,これまでのファンタジー定期とは一味違う内容となっていました。
小曽根真さんのピアノ独奏を交えたモーツァルトとガーシュインの間にショスタコーヴィチを入れるというのは,いかにも井上道義さんらしいプログラミングでしたが,大成功でした。過去のファンタジー公演の中でも特に素晴らしいものだったと思います。
小曽根さんのピアノは,モーツァルトでは”ジャズ風味”という感じで,通常のモーツァルト演奏から大きく踏み外した演奏ではありませんでした。その気負いのない,さりげなさがセンスの良さを感じさせてくれました。
後半のラプソディ・イン・ブルーの方は,井上OEKの作る,これぞシンフォニック・ジャズというたっぷりとした演奏と
小曽根さんのピアノとががっぷりと四つに組んだような見事な演奏でした。中盤,小曽根さんのピアノにコントラバスのリズムが反応し,さらにサクソフォン4人組(この日の演奏の影の主役だったと思います)が絡み,通常のラプソディ・インブルーとはかなり違った,即興的な雰囲気になりましたが,そのあたりに小曽根さんの真骨頂が出ていました。そのペースを再度,シンフォニック・ジャズに引き戻し,最後は大きく盛り上がって終わりました。
2曲目に演奏されたショスタコーヴィチのジャズ組曲第2番は,水を得た魚という感じの生き生きとした演奏を楽しむことができました。ここでもサクソフォーンが活躍していましたが,これみよがしにたっぷりと臭ーいメロディを歌うあたり,井上さんの意図どおりの演奏になっていたのではないかと思います。
今回の演奏会は5月24日に北陸朝日放送で放送されるということです。今回の演奏会に来られなかった方も是非お楽しみ下さい。
« ラ・フォル・ジュルネ金沢プレイベント | トップページ | OEK室内楽シリーズ「もっとカンタービレ」第7回 »
コメント