ヴェンツェル・フックス+沼尻竜典/OEK
今日は久しぶりにOEKの定期公演に出かけてきました。コンサートホールでOEKを聞くのは1ヶ月半ぶりぐらいですが,やっぱりオーケストラはいいものです。今回は,前半はベルリン・フィルの首席クラリネット奏者のヴェンツェル・フックスさんの独奏によるクラリネット協奏曲2曲,後半はベートーヴェンの交響曲第2番というプログラムでした。
フックスさんとOEKは既にCDを2枚作っていますが,相変わらず完成度の高い演奏を聞かせてくれました。特にモーツァルトの協奏曲の第2楽章での弱音の表現力の多彩さには感嘆しました。ウェーバーの協奏曲第2番のフィナーレでの,これ見よがしの技巧にも協奏曲を聞く楽しさが満ちていました。
後半のベートーヴェンの交響曲第2番といえば,ラ・フォル・ジュルネ金沢のオープニングを思い出します。沼尻さんの指揮も大変エネルギッシュでしたが,常に音楽の折り目正しさを失うことがなく,大変気持ちの良い音楽を楽しむことができました。後半2楽章の充実感も素晴らしく,聞きごたえたっぷりでした。第4楽章のフィナーレなど非常に明晰で圧倒的な盛り上がりを築いていました。
沼尻さんと言えば,若手指揮者という印象があったのですが,余裕たっぷりの音楽を聞いて,すっかり円熟した指揮者になったと感じました。
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