もっとカンタービレ第9回 カンタービレスペシャル 江尻南美&OEK
OEKの2008~2009年のシーズンは明日9月10日から始まりますが,その前夜祭のような感じで,「もっとカンタービレ」第9回が行われました。今回は”スペシャル”ということで,ピアニストの江尻南美さんをゲストに招き,東欧の音楽を中心としたプログラムの演奏会が行われました。
前半は江尻さんの独奏,後半はOEKと江尻さんの共演という構成でしたが,選曲が見事でした。ドヴォルザークのピアノ五重奏曲がいちばんボリュームのある曲でしたが,それから派生するように,チャイコフスキーのドゥムカが前半に演奏されたり,演奏会全体としてストーリーと統一感が感じられました。
前半の曲では,このドゥムカとバラキレフのイスラメイが特に鮮やかな演奏でした。江尻さんは金沢にゆかりのある演奏家ということで,再度,金沢での公演に期待したいと思います。アンコールで演奏されたショパンのノクターンも絶品でした。
後半のドヴォルザークの五重奏曲は,大変贅沢な雰囲気のある曲です。次から次へと音楽が湧き出てくるような素晴らしい演奏でした。演奏会の最後のマルティヌーの「調理場のレビュー」という曲でした。ヴァイオリン,チェロ,トランペット,ファゴット,クラリネット,ピアノという不思議な編成で,ストラヴィンスキーの「兵士の物語」を意識したような,ちょっとグロテスクで軽妙な曲でした。こういう珍品を楽しめるのもこのシリーズならではです。
今シーズンも,定期公演だけでなく,室内楽シリーズの方も聞き逃せない公演が続きそうです。
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