ファレッタさん,定期公演にも登場
先日,「もっとカンタービレ」公演にゲスト出演したジョアン・ファレッタさんがマイスター定期に登場しました。OEKの定期公演は久しぶり,しかも前回は能とのコラボという特殊なものでしたので,「普通の」OEKを聞くのは本当に久しぶりという感じです。
ファレッタさんですが,やはり大変素晴らしい指揮者でした。前半はドヴォルザークのチェコ組曲,マイケル・ルードヴィッヒさんをソリストに迎えてのロンド,サラサーテのツィゴイネル・ワイゼンということで,東欧系の郷愁を感じさせる音楽をしっとりと時に激しく聞かせてくれました。
後半はケルニスのムジカ・チェレスティスという曲で始まりました。この曲は,現代の音楽ですが,非常に聞きやすい曲で,バーバーの弦楽のためのアダージョと似た雰囲気の曲でした(後半に出てきた,聞いていて心が痛くなるようなフォルテとその後の間などはそっくりでした)。今年,OEKはクレメラータバルティカと現代曲をいくつか演奏しましたが,アメリカの曲というのは意外に聞いていませんので,大変新鮮でした(どこか通じる部分もあるのが面白かったのですが)。
最後に演奏されたメンデルスゾーンのイタリア交響曲も,「言うことなし」という演奏でした。基本的に流線型のような滑らかさのある演奏で,全然音楽にブレがないのですが,曲が進むにつれて,熱く燃えてきます。最後の楽章など,かなり速いテンポでしたが,すべてのフレーズがくっきり浮かび上がっており,熱狂するだけでなく,音楽の「内容」を感じました。
ファレッタさんは,バッファロー・フィルの音楽監督ということですので,姉妹提携都市のコネクションを使って,是非,ファレッタさん指揮バッファロー・フィルと井上道義さん指揮OEKの合同公演など実現して欲しいものです。金沢でアメリカのオーケストラを聞く機会は非常に少ないので,単独公演でも良いので,聞いてみたいと思います。
ファレッタさんとOEKは,明日11月30日に加賀市でも同じ公演を行いますので,お近くの方は是非お出かけになってみてください。
最近のコメント