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2009/10/08

OEK定期公演:ロルフ・ベックの世界

今日は台風が日本を縦断しましたが,幸い金沢の方は拍子抜けするぐらい影響がなく,定期公演も問題なく行われました。今回の定期公演の指揮はお馴染みのロルフ・ベックさん。ゲストの合唱団もお馴染みのシュレスヴィヒ=ホルシュタイン合唱団でした。

このコンビは,昨年のラ・フォル・ジュルネ金沢でベートーヴェンやシューベルトの曲を演奏しましたが,今回もまた,一本筋の通ったような安定感のある歌を聞かせてくれました。今回取り上げられたモーツァルトのレクイエムについては,今年のLFJKの”トリ”で演奏された市民合唱団による感動的な演奏の印象が強いのですが,この日の演奏もまた素晴らしいものでした。どちらかといえば,早目のテンポによる引き締まった演奏で,大変生き生きとした演奏でした。この合唱団はエリート集団ならではのスマートさを備えており,すべてが理にかなったような気持ちの良い演奏を聞かせてくれました。

前半に演奏された「未完成」もまた,充実した演奏でした。全体的に甘さを排した演奏でしたが,その中から,さりげなくシューベルトらしい歌が漂ってきました。ベックさんの指揮姿自体,大変スマートで背筋がピンと伸びたような品の良さがあります。

この日演奏された両曲とも「未完成」の作品だったのですが,どちらも大変完成度の高い演奏だったと思います。さすがベックさんという公演でした。

PS. ホワイエの部分の吹抜けがなくなったせいで,プレ・コンサート用のスペースが大変広くなったように感じました。音楽堂には,既に3つのホールがありますが,4つめの演奏スペースが完備したという感じです。

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コメント

管理人さんのご指摘通り、全体に甘さを抑え、情より理を重きにおいた、クールな仕上がりの演奏会だったと思います。

レクイエムについては、これは単なる先入観でしょうが、いかにも北ドイツ的な、すなわちバッハ的なモーツァルトだと感じました。全体に早めのテンポをまもり、厳粛で締まった歌唱を維持していたのが印象に残っています。

前半のシューベルトですが、2楽章の第2主題で、クラリネット、オーボエの順(再現部ではこの逆)で、たいへん美しいソロの箇所がありますね。
今回はそこが楽しみで、遠藤さん、加納さんが見事に心を込めて演奏してくださいました。今回の演奏会中、ちょっと和んだ気分を味わった所でした。

めの・もっそさん,こんにちは。
ロルフ・ベックさんの指揮を見ているといつも身が引き締まるような感じがします。プロフィールを読むと,ヘルムート・リリングさんに師事されたと書かれていますが,今シーズンはリリングさんによるバッハのロ短調ミサという”大物”も楽しみですね。

「未完成」の聞き所ですが,CDで聞くよりも実演で聞く方が,応援のしがいがある部分ですね。サッカーの試合のパスのやり取りを見る感じで楽しんでいます。最後の方でホルンが印象的にメロディを演奏する部分も楽しみなのですが,この部分は結構高い音が出てくるので,ちょっと緊張(?)しながら聞いてしまいます(OEKに限りませんが)。今回はとても美しい音を聞かせてくれましたね。

遠藤さんから加納さんへ,というつながりだと,シューベルトのロザムンデ間奏曲の真ん中あたりにも大活躍する部分があります。この部分も好きな部分です。

曲ごとに,ソロが活躍する部分をリストアップしておくと,曲とオーケストラに対する親しみが増すので,プレトークなどで紹介してもらっても良いかもしれないですね。

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