ミステリアス・メンデルスゾーン第2夜:コンサート
ミステリアス・メンデルスゾーンの第2夜に出かけてきました。今日は後半がOEKのコンサート前半がオルガンと声楽と室内楽ということで,メンデルスゾーンの作った作品を多面的に楽しむのに最適の演奏会となりました。
この日のお楽しみは,何と言ってもOEKと初共演となるクルト・マズアさん指揮による「イタリア」交響曲でした。この日は,開演前に座席引き換えを行う形で,自分の好みの場所を選べなかったのですが,結果的になかなか面白い座席が当たりました。指揮者のすぐそばで,あたかも自分がオーケストラを指揮しているような気分に浸ることができました。
マズアさんの指揮ぶりは,ベテランらしく余分な動作はありませんでした。テンポの変化も少なかったのですが指揮者としての長いキャリアがにじみ出てくるような,自然な立派さが曲に備わっていました。OEKの反応も素晴らしく,楽章を負うごとに躍動感も増してくるようでした。マズアさんは,82歳ということですが,指揮の動作にも,音楽にもピンと背筋を伸ばしたようなところがあり,骨のある音楽になっているのが素晴らしいと思いました。
後半では,井上道義さん指揮OEKによってフィンガルの洞窟も演奏されましたが,これもまた素晴らしい演奏でした。井上さんの指揮をこれだけ近くで見たのは初めてだったのですが,オーケストラの発するエネルギーと指揮者のエネルギーがぶつかり合い,結果として井上さんの方に動いている様子がよく分かりました。大変ロマンティックな気分がありました。
前半は多彩なプログラムでしたが,特にダウスさん,カンタさん,若林顕さんによるピアノ三重奏曲第1番も大変聞き応えがありました。ちょっと暗い表情の部分もありましたが,メンデルスゾーンの音楽の持つ,品の良いロマンが過不足表現されており,大変聞き応えがありました。
この日も昨日に続いて終演時刻が9:30頃になり,さすがに疲れましたが,メンデルスゾーンの音楽の魅力に触れることのできた2日間でした。来年のラ・フォル・ジュルネ金沢のテーマにも関連しますので,これを縁にライプツィヒ市と金沢市の交流を深めていって欲しいものです。
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