リリングさん指揮OEKのロ短調ミサ
今日は,ヘルムート・リリングさん指揮OEK,OEK合唱団他によるバッハのミサ曲ロ短調を聞いてきました。これまでOEK合唱団は,マタイ受難曲,ヨハネ受難曲を取り上げてきましたので,これで,バッハの宗教曲については一区切り付いた形になります。マタイ,ヨハネよりは,時間的には少し短いのですが,今回もまた,大変聞き応えのある音楽を聞かせてくれました。
OEK合唱団は,佐々木正利さんの下で厳しい練習を重ねて来られたと思いますが,第1曲キリエの冒頭部から身が引き締まるような充実感のある声を聞かせてくれました。各部分のクライマックスを中心に感動と確信に満ちた音楽の連続でした。
グロリアも楽しめました。ミサ曲で「楽しめる」という表現は変かもしれませんが,OEKの奏者たち+ソリストによる二重協奏曲のような感じの曲が多く,祝祭的な気分のある協奏曲集のように思えました。リリングさんの指揮もその辺を意識したもので,OEKのソリストたちを立たせて演奏していました。各曲間の流れも良く,協奏曲を聞いたような気分でした。後半も充実していました。クレドは,この曲の核になる部分ですが,オーケストラと合唱とソリストが一体となった,熱気のある音楽を聞かせてくれました。特にトランペットの音が,演奏を大きく盛り上げていましたが,恐らく,奏者にとってこれだけハードな曲も少ないかもしれません。お疲れ様でした。
今回,ロ短調ミサを生で初めて聞いたのですが,改めて良い曲だと実感しました。バッハの曲はどちらかというと苦手だったのですが,この曲については,印象が変わりました。いろいろな曲想の曲があり,演奏時間的にも「恐ろしく長い」というほどでもないので,オーケストラの定期公演で聞くのに丁度良いと感じました。数年に1回は実演で聞いてみたいと思いました。バッハの声楽曲の大曲では,あとはクリスマス・オラトリオというのが残っています。せっかくなので,この曲も聞いてみたいとものです。
リリングさんとOEKは,30日,31日は,仙台と盛岡でもロ短調ミサを演奏します。こちらにはOEK合唱団は登場しませんが,恐らく,今回同様,充実した音楽を聞かせてくれることでしょう,
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