ルドヴィート・カンタ ニューイヤーサロンコンサート
今日の石川県立音楽堂では,16:00から茂木大輔さん指揮のOEK等によって「のだめカンタービレの音楽会」が行われていたのですが,私の方は,そちらには行かず,同じ音楽堂の交流ホールで17:00から行われた,OEKの首席チェロ奏者のルドヴィート・カンタさんの演奏会の方に出かけてきました。
カンタさんは,毎年リサイタルを行ってきたのですが,このところ,ピアノ三重奏に力を入れられているようで,今回もチェロの独奏曲は少なく,ドヴォルザークのピアノ三重奏曲「ドゥムキー」がメインでした。「サロンコンサート」という名前が付けられていましたが,演奏内容は非常に充実しており,スラヴの味わいのある曲を堪能できました。
今回は,仙台フィルで活躍されているヴァイオリンのヘンリ・タタールさん,ピアノの鶴見 彩さんとの共演でしたが,特にタタールさんとカンタさんは同じスロバキア出身ということで,「見るからに意気投合」という演奏を聞かせてくれました。演奏会の最後で,鶴見さんも語っていましたが,タタールさんとカンタさんには,どこか音色的にも表現的にも共通する雰囲気があり,「ドゥムキー」の中の特にエレジー風の部分での濃い表現の中に「本場の味わい」を感じました。
前半は,ヴァイオリンとピアノ,チェロとピアノ,ヴァイオリンとチェロ,といろいろな組み合わせによって,スメタナ,マルティヌー,ハルヴォルセンといった,ちょっとマイナーな曲が演奏されたのですが,どれも大変聞きやすい曲で楽しむことができました。チェロの場合,「誰でも知っている曲」と限ってしまうと,かなりレパートリーは限られてしまいますので,これからも「知られざる佳曲」の発掘を続けていって欲しいと思います。
今回の公演のもう一つの収穫は,久石譲作曲の雨という曲を聞けた曲です。久石さんは,映画やドラマ音楽の作曲家として,現在,日本の作曲家の中で最も人気のある方の1人だと思いますが,カンタさんのために編曲されたこの曲もまた美しい作品でした。これは,是非,カンタさんの演奏でCD化して欲しいと思います。
アンコールでは,モンティのチャールダーシュが演奏されました。ヴァイオリンとチェロがソロパートを奪い合う(?)ようなスリリングで即興性に満ちた演奏で(練習をほとんどしなかった,と仰られていました),お客さんは大喜びでした。
タタールさんとカンタさんは,すっかり意気投合していましたので,今後も是非このトリオで活躍をして欲しいと思います。次回は仙台公演でしょうか?
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