学生オーケストラ&OEK合同公演
この時期恒例の,学生オーケストラ&OEK合同公演に出かけてきました。今回の指揮者は,先日の定期公演に登場したばかりのヴァシリス・クリストプーロスさんで,ラフマニノフの交響曲第2番が演奏されました。
この曲が音楽堂で演奏されるのは初めてのことだと思いますが,非常に聞き応えがありました。弦楽器はかなりの大人数でしたが,管楽器の多くも倍ぐらいの人数になっており,各楽章のクライマックスで,たっぷりとした重量感を楽しむことができました。「ラフマニノフ節」全開の第3楽章も暖かい響きに包まれ,感動的でした。クリストプーロスさんの指揮ぶりも余裕たっぷりで,曲全体が伸びやかにまとめられていました。
前半は学生オーケストラとOEKがそれぞれ単独で演奏しました。学生の演奏したフィンランディアは,やや大人しいかなという気もしましたが,よくまとまっていました。OEK単独で演奏したプロコフィエフの古典交響曲は,さすがという演奏でした。非常にゆったりとしたテンポで始まり,一般的な印象よりはもっとスケールの大きな作品のように響いていました。
学生オーケストラとOEKの共演もすっかり定着しましたが,毎回,OEK単独で聞けない作品を取り上げてくれるのが,オーケストラ音楽のファンとしてはありがたいところです。学生オーケストラのレベルも,段々と上がっているようで,金沢のクラシック音楽の裾野を確実に広げていると思います。特に金沢大学フィルは,指揮講習会用オケとして登場したり,ラ・フォル・ジュルネに登場したり,これからもますます活躍の場が広がりそうです。本業との勉学との両立はなかなか大変かもしれませんが,今後も活発な活動に期待したいと思います。
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