菅原洋一+奥田晶子+OEK「パリで出逢う:タンゴ,シャンソン 愛の響き」大人の味わいを堪能できました。
今日は,菅原洋一さんと奥田晶子さんをゲストに招いてのOEKファンタジー公演を聴いてきました。「パリで出逢う:タンゴ,シャンソン 愛の響き」というサブタイトルどおり,タンゴとシャンソンを中心とした「大人向け」の音楽の数々を楽しむことができました。
私にとって,菅原さんは「今日でお別れ」で有名な懐かしの歌謡曲の歌手というイメージだったのですが,今日の歌声を聞いて,「日本を代表するポピュラー音楽歌手だ」と認識を新たにしました。全く無理も無駄もない発声から豊かな声が広がり,会場の空気をゆったりとした気分に変えてくれました。声を張り上げなくてもしっかりと味が伝わるのは,若い歌手には真似できないことだと思います。
もう一人のゲスト,シャンソン歌手・奥田晶子さんの歌もまた聴き応えがありました。芯のある凛とした声を聴いているうちに,前向きな気分になりました。実は,本格的なシャンソンを実演で聴いたことは,ほとんどないのですが,言葉が本当によく伝わって来るなぁと感心しました。
菅原さんがタンゴ担当,奥田さんがシャンソン担当という組み合わせも,変化に富んでいました。指揮者の鈴木織衛さんとのトークも大変楽しいものでした。
この日のもう一人の主役はバンドネオンと編曲を担当した啼鵬(ていほう)さんでした。どの曲のアレンジも,菅原さん,奥田さん,OEKの組み合わせに最適化されており,演奏会全体をとてもまとまりの良いものにしていました。啼鵬さんのバンドネオンを聞くのは,「もっとカンタービレ」以来,今年2回目ですが,タンゴの気分をしっかりと盛り上げていました。特にリベルタンゴのスピード感は,お見事でした。
最後にアンコールで,菅原さんのヒット曲が歌われ,お開きとなりましたが,大変充実した内容のファンタジー公演だったと思います。
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