OEKのCD

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2010年9月

2010/09/29

鬼才。金澤攝  「ピアノ・エチュード大観」 1830年代のエチュード史(前編) 第1景を聞いてきました。ヒラーの6つの組曲形式によるエチュード集はすごい曲でした。

今日は,小林美恵&清水和音という選択肢もあったのですが,石川県立音楽堂で行われた,金澤攝さんによる新シリーズ 「ピアノ・エチュード大観」― 1830年代のエチュード史」の第1回目を聞いてきました。

知られざるピアノ曲を着々と発掘していく金澤攝さんの活動は,非常に地道なものですが,ここまで徹底すると唯一無二の誰も真似できない活動として,全国的にも注目を集める存在になりつつあるようです。新シリーズの「ピアノ・エチュード大観」というのも金澤さんならではの企画で,ロマン派時代のエチュードをシリーズで聞いていくというものです。

その第1回に演奏されたのが,フェルディナント・ヒラーという作曲家による,6つの組曲形式によるエチュード集(24のエチュード) Op.15という作品でした。この曲が演奏されるのは,非常に珍しいことだと思いますが,全部で1時間以上掛かるもの凄い作品でした。シューマン風に響いたり,ショパン風に響いたり,リスト風に響いたり,さらにはプロコフィエフなどを思わせるような曲があったり,ピアノ音楽のありとあらゆる要素が詰め込まれた,大変多彩な24曲ででした。こういう作品を1830年代(ヒラーの20代前半)に書かれたというのが驚きです。

金澤さんの演奏からは,「こんなにすごい曲があるんだ」と曲を発掘し広めようとする使命感が感じられました。楽しんで聞くというよりは,悲壮感のようなものさえ漂っている感じでしたが,そこがまた金澤さんの演奏の魅力です。ヒラーの作品がどれぐらい「知られていない」のかは分からないのですが,今回の演奏をきっかけにリバイバルして欲しい作曲家だと思いました。

このシリーズですが,第2回目は10月1日に行われます。

2010/09/26

インディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクールでクララ・ジュミ・カンさんが優勝!

今年のIMAの日本海交流コンサートでOEKと共演したクララ=ジュミ・カンさんですが,またまた,国際的なコンクールで優勝しました。今度は,インディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクールです。

http://www.violin.org/2010comp/laureate_announced.html

今回のこのコンクールは,ロン・ティボー国際コンクールで優勝していた,シン・ヒョンスさんなども途中で涙を呑むなど,大変な大激戦でした。8月末に演奏を聞いたばかりのクララさんが優勝したということで,IMAの名声がまた高まりそうです。

ちなみに国内の日本音楽コンクールのヴァイオリン部門の方もIMA出身者が頑張っています。まだ,本選ではありませんが,次のとおり,今年のIMAで名前を見かけた方が沢山含まれています。

http://mainichi.jp/enta/art/news/20100926k0000m040002000c.html

篠原悠那さんは,北陸新人登竜門コンサートにも出場されたことのある方ということで,特に注目したいと思います。

また,9月30日からは,5年に一度のショパン・コンクールも始まります。こちらも大きな話題になることでしょう。こういう国際的なイベントになると,ワールドカップやオリンピンク同様,どうしても日本人に注目してしまいます。出場者は次のとおりです。この中にもIMA出身者が含まれているようですね。

http://konkurs.chopin.pl/en/edition/xvi/id/1583

秋には,各種音楽コンクールが集中しますので,”IMAで最終調整→コンクールへ”という流れができつつあるのかもしれませんね。

2010/09/23

山田和樹さん、スイス・ロマンドの首席客員指揮者に

OEKのミュージックパートナーで、今年のラ・フォル・ジュルネ金沢で大活躍した指揮者の山田和樹さんですが、2012年9月からスイス・ロマンド管弦楽団の主席客員指揮者に就任されるとのことです。

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/music/100923/msc1009230907000-n1.htm

スイス・ロマンドといえば往年のエルネスト・アンセルメのオーケストラという印象がいまだに強いのですが、今後の活躍に期待したいと思います。

ps.この記事中の「主席客員」という用語ですが、あまり聞きなれない言葉ですね。「首席客演」のことなのかもしれません。

2010/09/18

井上道義指揮、広瀬悦子(ピアノ)OEK定期公演を聞いてきました

秋の連休初日、金沢は快晴でした。市内では金沢ジャズストリートというイベントを各所で行っていましたが、私は、その中を抜け、OEKの定期公演を聞いてきました。

今回の公演は、秋の全国ツアーの初日でもあったのですが、メンデルスゾーンの弦楽のための交響曲第10番でビシッと始まった後(本当に良い曲でした)、広瀬悦子さんをソリストに迎えてのラヴェルのピアノ協奏曲ト長調、後半は、武満徹の地平線のドーリア、そして最後にモーツァルトの交響曲第39番という内容でした。

最後のモーツァルトは、井上さんがOEKの音楽監督に就任した直後の演奏会でも演奏されましたが、基本的にすっきりとしていながら、いかにも人間的な感情の動きを感じさせてくれる点で、井上さんのキャラクターにピッタリの曲だと思います。第1楽章や第2楽章では、明るさと暗さが交錯し、表情が頻繁に変わるのですが、それが自然なドラマを感じさせてくれます。天衣無縫な第4楽章も井上さんにピッタリでした。

前半のラヴェルのピアノ協奏曲も大変楽しめました。OEKが過去何回も演奏してきた曲ですが、広瀬さんのピアノは大変軽やかで(視覚的にも大きく弾むような腕の動きが印象的でした)、私のイメージするフランス音楽のイメージにピッタリでした。奔放だけど洒落ており、OEKとのスリリングなコラボを楽しませてくれました。OEKの演奏も大変奔放で、特に打楽器や管楽器が非常にソリスティックに活躍していました。広瀬さんのテンポ感とピタリとはあっていない部分もあった気もしますが、その辺も含めライブならではの一気のノリで楽しませてくるような大変生き生きとした演奏でした。

後半最初の武満さんの地平線のドーリアも、OEKが比較的よく演奏している作品です。非常に前衛的な響きのする作品ということで、井上さんは、楽器の配置に独特の工夫を凝らしていました。詳細はレビューの方ご紹介しましょう。演奏を聞きながら、能の世界にも意外に合うかもと思ってしまいました(大魔神の見過ぎ?)。

9月後半は、このプログラムを中心に全国各地で演奏会を行います。近くの皆さんは、是非お聞きになってみてください。

2010年秋のOEKの新譜情報あれこれ

毎年OEKの新譜CDの発売のスケジュールとしては,年度初めにワーナーからOEK21シリーズが5枚発売されています。今年度最後の1枚は次のCDです。

グノー:小交響曲 変ロ長調 ブトリー:アルトおよびソプラノのサクソフォンと管弦楽のための協奏曲、グルダ:チェロとブラス・オーケストラのための協奏曲
http://astore.amazon.co.jp/onc0d-22/detail/B003O6KBYC

当初はブトリーの曲とのカップリングが不明だったのですが,何と「あの」グルダのチェロ協奏曲との組み合わせで登場します。ライブ録音だと思いますので,会場のノイズの方も楽しみだったりします。

その他,金聖響さんとのベートーヴェン:交響曲全集の方も着々と進んでおり,第9+第1という,考えてみるとかなり面白いカップリングのCDが10月に発売予定です。

http://astore.amazon.co.jp/onc0d-22/detail/B003YANSZ2

次々のCDが発売されるOEKですが,昨日の金沢市議会で「OEKのCDのデザインを21世紀美術館が行ったらどうか」という質問がありました。このアイデアは,本気で考えてみても面白いと思います。以下私の案です。

・先日の「音のギャラリーツァー」の雰囲気をDVD化する(音が響き過ぎるけれども,それも面白いかも)。面白い映像になりそうです。ジュリアン・ユー編曲版の「展覧会の絵」を21美の中で演奏するのも面白そうですが,ちょっと編成が大きすぎるかもしれません。
・薄い紙ジャケット(ラ・フォル・ジュルネのベスト盤CDのようなデザイン性の高いジャケット)にし,21世紀美術館が選曲した曲をOEKが演奏
・ジャケット写真に21世紀美術館の収蔵物や建物の写真を使えば,「音の絵葉書」として「21世紀美術館みやげ」にも丁度良い。
・「まるびー」ということで,CDのレーベル面全体を21世紀美術館のロゴで覆っても面白い(あれば欲しい。コースターにもできそう(バチが当たる?))。「まるびーレーベル」として,21世紀美術館と石川県立音楽堂限定で発売。

OEK11月は平原綾香さんと共演

10月にはサラ・ブライトマンと共演するOEKですが,11月には平原綾香さんと共演します。私自身は,平原さんの歌を聞いたことはほとんどないのですが,和製ブライトマン的な感じの印象がある方ですので,オーケストラとの共演にはぴったりなのではないかと思います。指揮はお馴染みの渡辺俊幸さんです。

2010年11月11日(木)19:00開演(18:00開場)
石川県立音楽堂コンサートホール

指揮:渡辺俊幸
ピアノ:紺野紗衣
ドラムス:伊藤史朗
管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢

◆演奏予定曲目
仮面舞踏会、Jupiter、CARMEN、シェヘラザード、威風堂々 ほか

★OEK定期会員については割引があります。詳細は石川県立音楽堂チケットボックスにお尋ねください。

2010/09/08

井上道義さんの新作能「大魔神」を見てきました。

今回のOEKの「もっとカンタービレ」シリーズは、井上道義さんの構成による新作能、その名も「大魔神」でした。伝統的な能の感覚からすると、禁じ手だらけの作品だったと思いますが、渡邊荀之助さんのの声は、貫禄十分で、作品全体を「能」として引き締めていました。

作品の方は、井上さんの岩城さんに対する思いを描いた、やや私小説的なもので、少々饒舌過ぎるかなと思いました。プレトークで、ストーリーを説明されていましたので、井上さん自身の語りはもう少し控え目にし、音楽と能で語って欲しいと思いました。

最初に出てきたのが伊福部昭さんの「大魔神」の音楽というのが意表を付いていて、大変面白かったのですが、その後の部分は急に、スケールが小さなり、少々期待はずれでした。最後の部分のモーツァルトのグランパルティータのアダージョにあわせて、能が舞われる部分は、全曲のクライマックスでした。井上さんは、この部分を表現したかったのだな、ということがしっかり伝わってきました。

最後にモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」風の明るいエンディングとなり、出演者全員が舞台に登場するのは、面白かったのですが、やはり、「能」の後にはやや違和感を感じました。

というわけで、全体としては成功作とは言えなかったと思うのですが、「能を分かりやすく見せたい」という意図には共感できるものがありました。日本の芸能でいうと、井上さんの場合、能よりは歌舞伎向きの気もしますが、今度は、新作歌舞伎はいかがでしょうか?

2010/09/05

金沢21世紀とOEKが完全に合体!祝プリツカー賞 建築と音のアンサンブルは大盛況

金沢21世紀美術館の設計者の妹島和世さんと西沢立衛さんが、建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞したのを記念して、21世紀美術館の展示物を完全に取っ払い、その代わりにOEKメンバーが各展示室で室内楽演奏を行うという大変面白いイベントが行われました。

入場無料ということもあったのですが、美術館はいつもにも増して大盛況で、お祝いムードいっぱいでした。この美術館が兼六園の斜め前に出来た時は、一体どうなるのかなとも思ったりしましたが、金沢にはなくてはならない施設として完全に定着したと思います。何よりも素晴らしいのは、展覧会の内容よりは、建物自体が愛されている点です。街の真ん中にこういう美術館のある金沢市は本当に恵まれていると思います。

さて、今日のイベントですが、数カ所同時に15分単位で室内楽の演奏会が行われましたので、だんだんと「ミニ・ラ・フォル・ジュルネ金沢」のような雰囲気になってきたのがとても面白いと思いました。どの展示室も人で溢れており、21世紀美術館の快挙を市民で祝うには最高の企画だったと思います。

今回の21世紀美術館とOEKによる大胆なコラボ企画は、相乗効果でどちらにも大きなPRになったと思います。見事なWINーWIN企画ということで、是非、続編にも期待したいと思います。

2010/09/04

ドミトリ・キタエンコさん,OEKのプリンシパル・ゲストコンダクターを退任

本日行われた定期公演のパンフレットの情報によると,ドミトリ・キタエンコさんがOEKのプリンシパル・ゲスト・コンダクターを8月で退任されたとのことです。残念ですが,キタエンコさんについては,非常に出番が少なかったので,多忙でいらっしゃったのかもしれませんね。今シーズンは,登場の機会はなさそうですが,機会があれば,客演を期待したいと思います。

2010-2011OEK定期公演シリーズ開幕 カンタさん,岩城宏之音楽賞受賞おめでとう&加古隆さんの新曲も大変楽しめました。

2010-2011年のOEKの定期公演シリーズが開幕しました。毎年,開幕公演は,岩城宏之音楽賞受賞者のお披露目と,新曲の発表が行われるのですが,今年の公演は特に華やいだ雰囲気があったと思いました。

岩城賞の記念式典に続いて,まず最初にハイドンの交響曲第103番「太鼓連打」が演奏されました。最初の「連打」の部分ですが,昨年,来日してハイドンを聞かせてくれたミンコフスキーさんの解釈を彷彿とさせるような,カラりとした祝祭的な連打で始まりました。その後は,いつもどおり,流れ良く,ほど良いユーモアをもった「ミッキーのハイドン」を聞かせてくれました。

その後,今年の岩城賞を受賞した,おなじみのOEKの首席チェロ奏者のルドヴィート・カンタさんが登場しました。カンタさんは,OEKといろいろなチェロ協奏曲を演奏してきましたが,今回のサン=サーンスは初めてかもしれません。いつもながら,平然とノーブルな音楽を聞かせてくれ,サン=サーンスの音楽の雰囲気にぴったりでした。

演奏後の拍手は,大変暖かく,盛大でした。カンタさんがOEKの定期会員から,非常に深いレベルで愛されていることを強く実感できました。

後半は加古隆さんの曲が演奏されました。既存の曲を加古さんのピアノを交えて3曲演奏された後,新曲の「ヴァーミリオン・スケープ」が演奏されました。公演前の記者会見でのコメントから,「いわゆる現代音楽っぽくない曲」という情報はあったのですが,映画音楽ほどには,甘い感じはなく,オーケストラの定期公演のトリで演奏されるのに相応しい構成感・多様性・スケール感を持った曲でした。どこかフランス音楽を思わせる,色彩的な響きも随所に出てきて,「これは良い曲が出来たなぁ」と演奏後は盛大な拍手が起こりました。

なお,この日の公演は,北陸朝日放送でテレビ中継されるようです。また,CD録音も行っていましたので,そのうちに加古さんの作品も発売されることでしょう。

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