ケン・シエ指揮OEK定期公演。後味爽やか!ビゼーの交響曲
今日は,ケン・シェさん指揮のOEKの定期公演を聞いてきました。この方のお名前は,OEKが伴奏する協奏曲のCD録音で聞いたことはありますが,定期公演に登場するのは初めてだと思います。ケン・シェさんは,恐らく,最も若い世代に属する指揮者だと思いますが,その指揮ぶりは自信に満ちており,曲の魅力をしっかりと伝えてくれる,素晴らしい演奏を聞かせてくれました。
特に最後に演奏されたビゼーの交響曲が見事でした。OEKの設立当初から繰り返し演奏されてきたOEKファンにとっては,お馴染みの曲ですが,冒頭からびしっと引き締まり,全曲を通じて,さらりとした感触のある爽やかな音楽を聞かせてくれました。この日はアンコールは演奏されなかったのですが,これも正解でした。ビゼーの曲の爽やかさのみが演奏後にもしっかりと残り,「よくわかっているな」と感心しました。
前半は,吉田恭子さんのヴァイオリンとの共演で,チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲などが演奏されました。吉田さんは,大変しっかりとした音を聞かせてくれましたが,さすがにこの曲については,いろいろな名手による演奏を何回も聞いてきましたので,求めるレベルが高くなってしまいます。今回の吉田さんの演奏も,悪くはなかったのですが...「おお!」と思わせるような演奏の冴えや,演奏の密度の高さ,熱い歌...とった点では,ちょっと物足りなさを感じました。この辺は,超名曲を演奏する難しさと言えるのかもしれません。
むしろここでも,ケン・シェさん指揮OEKのエネルギーに満ちた音楽が素晴らしく,若い指揮者のチャイコフスキーは良いなぁと思いました。
ケン・シェさんについては,機会があれば,フル編成のオーケストラを指揮するのも聞いてみたいと思いました。きっとダイナミックな演奏を聞かせてくれるのではないかと思います。大変楽しみな指揮者だと思います。
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