大震災からの復興支援コンサート@石川県立音楽堂。フル編成の仙台フィル,金沢で復活!驚きと感動のスタンディングオベーション。そして,金沢と仙台の堅い絆が残りました。 #oek
急遽,仙台フィルを招いて石川県立音楽堂で行われることになった「大震災からの復興支援コンサート」を聞いてきました。
仙台フィルとOEKの合同演奏による「新世界から」は,音の力に溢れていました。井上道義さんらしい,スケールの大きな表現も良かったけれども,すべての音を大切に大切に演奏するような,かみしめるような歌も心にしみました。第2楽章は,すっきりとしたテンポの中に悲しみが滲んでいました。透き通るような美しさと同時に,涙がこぼれないように...という気丈さを感じました。第3楽章から第4楽章に掛けての音楽の流れの良さも感動的でした。第4楽章の最後の方などは,だんだんと「終わって欲しくないなぁ」という気持ちになりながら,聞いてしまいました。
拍手もそういう感じだったのですが,段々と大きくなり,いかにもOEK好み(?)の「ご当地アンコール」が2曲演奏されました。以前,仙台フィルとOEKが合同公演を行ったときも,岩城宏之さんと外山雄三さんとでアンコール合戦のような企画がありましたが,今回は,「利家とまつ」と「独眼竜政宗」の大河ドラマのテーマ曲の組み合わせによるアンコール合戦でした。
このアンコールで会場はさらに盛り上がり,金沢では非常に珍しい,スタンディングオベーションになりました。恐らく,「メサイア」の「ハレルヤ・コーラス」の時以上に,立っている人は多かったと思います。その後も拍手は,止まず,団員を全員見送った後,井上道義さんと山下一史さんに先導されて,仙台フィルのメンバー全員がステージに呼び戻されました。こういう光景を見るのも初めてのことです。
前半は,まずバッハのアリアが,安永徹さんのリードにより,大編成の弦楽合奏で演奏された後,仙台フィルの復帰を祝福するように,炎のような「ルスランとリュドミラ」序曲が演奏されました。仙台フィル単独で演奏した「ロザムンデ」の音楽は,本当に普通の演奏でした。仙台フィルの皆さんにとっては,そのことがいちばん嬉しかったのではないかと思います。
前半最後は,仙台フィル単独で「フィンランディア」が演奏されました。この曲については,どうしても,震災と重ね合わせて聞いてしまいます。何より冒頭の金管の音が非常にシリアスに響いていました。それに立ち向かう後半部は,圧倒的な力とまではいかないけれども,それにしっかり立ち向かうような演奏で,感動的でした。
今回の演奏の入場料は,諸経費を除いた全額が仙台フィルに寄託されるとのことです。フル編成の仙台フィルがステージで演奏するのは,震災後は,今回が初めてとのことですが,こういう演奏会が金沢で行われたことが誇りに思えます。仙台市で普通にオーケストラを楽しめるようになるには,まだまだ時間が掛かりそうですが,そのためのエネルギーを仙台フィルの皆さんにプレゼントすると同時に,私たち自身の中にもエネルギーが沸いてきたような気がします。金沢のお客さんは,こんなに熱かったんだ,ということに気付かされた,演奏会でした。
PS. 「独眼竜政宗」のテーマ曲ですが,調べてみると,池辺晋一郎さん(今回の発起人の1人です)作曲だと分かりました。しかも,大河ドラマでの演奏は岩城宏之さんでした。みんな,つながっていたんですねぇ。
PS.終演後の会場です。写真撮影禁止だとは思いますが...滅多にない光景なので撮影してしまいました。
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金沢のヒトたちって、ほんとにいい人たち。こんなにはやく、こんなにスゴイことが実現してしまうなんて。いつの日か、復興した仙台の街にOEK是非、いらしてください。
投稿: momo | 2011/04/18 23:32