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2011年6月

2011/06/29

OEK室内楽シリーズもっとカンタ―ビレ第26回は聞きごたえたっぷり。特にトゥイレのピアノと管楽のための六重奏曲が気に入りました。#oekjp

今日はOEK室内楽シリーズもっとカンタ―ビレの,今年度第1回目を聞いてきました。サブタイトルが「これぞ,室内楽の王道」ということで,後半は,ベートーヴェンとバルトークの弦楽四重奏曲の組み合わせという聞きごたえのあるプログラムとなっていました。ベートーヴェンもバルトークも短めの曲が選べれていましたが(セリオーソと第3番),どちらの曲もチェロの大澤さんが語っていたとおり,大変密度の高い作品で,大曲を聞いたような充足感(そして,疲労感が少々)がありました。

プログラム前半は,コダーイとトゥイレの知名度の低い作品でしたが,こちらの方も大変充実した内容でした。コダーイの曲は,ヴァイオリン2本とヴィオラのためのセレナードという曲でしたが,その名前から連想されるほど優雅な曲ではなく,バルトークの弦楽四重奏曲と対を成すような激しさがありました。今回は,最近OEKに入ったばかりの丸山萌音揮さんがヴィオラを演奏されていましたが,江原さんと原田さんに負けない,堂々たる演奏を聞かせてくれました。

前半の最後に演奏された,トゥイレのピアノと管楽のための六重奏曲は,今回演奏された曲の中で特に気に入りました。柳浦さんのトークにもあったように,大変聞きやすい作品で,ブラームスやR.シュトラウスの曲を思わせる雰囲気が随所にありました。特にホルンやオーボエの音が入ると,ドイツの後期ロマン派の気分が強くなるのが面白いと思いました。第3楽章などは,可愛らしいけれどもどこか怖さのあるメルヘン的な気分があり,魅力的でした。

というようなわけで,今年度のもっとカンタービレもますます充実の内容が期待できそうです。次回のIMA講師陣とOEKの共演も大変楽しみです。

2011/06/26

ルドヴィート・カンタ来日20周年記念”夢の協奏曲公演”マルティヌー:チェロ協奏曲第2番,ドヴォルザーク:チェロ協奏曲をたっぷり鑑賞。 お客さん,井上道義さん,OEKメンバー.. みんな暖かい雰囲気でした。#oekjp

今日はOEKの首席チェロ奏者,ルドヴィート・カンタさんの来日20周年を記念した”夢の協奏曲公演”を石川県立音楽堂で聞いてきました。カンタさんと言えばOEKの顔と言っても良いメンバーで,これまでもたびたび協奏曲のソリストとして登場したり,リサイタルを行ったり,非常に積極的に活動をされてきました。今回は,井上道義指揮OEKとの共演で,ドーンとチェロ協奏曲の大曲2曲を演奏するという,これまでの活動の「総決算」と言っても良い演奏会となりました。

今回の公演でまず注目なのが,前半に演奏されたマルティヌーのチェロ協奏曲第2番です。プログラムのメッセージによると,カンタさん自身はこの曲に対して非常に強い思い入れがあるようなのですが,日本にはこれまで紹介されておらず,何と今回が日本初演とのことでした。今回の演奏会の「夢の協奏曲公演」という言葉にはいくつか意味が込められていると思いますが,まずこのマルティヌーの作品が「夢の協奏曲」ということになります。

聞いた感じは,20世紀の作品にしては,大変聞きやすく,ドヴォルザークやブラームスの伝統を受け継いでいる曲だな,という印象を持ちました。「パストラール」の別名を持つ,と解説に書いてあったとおり,響きの感じとしては,ブラームスの交響曲第2番的なのどかさがあると思いました。カンタさんは,いつもどおりしっかりと情感のこもった,穏やかな演奏を聞かせてくれました。

ただし,やはり聞いていて「長いかな」と感じました。少々体調が悪かったこともあるのですが,第1,2楽章については,ウトウトしかけてしまいました。同じような音型が繰り返し出てきて,ちょっと曲のメリハリが不足しているような印象を持ちました。その分,第3楽章は軽快な動きが出てきたり,シリアスなカデンツァが出てきたり,しっかりと楽しむことができました。

後半のドヴォルザークはお馴染みのチェロの定番です。カンタさんの独奏で聞くのも2回目です。カンタさんは,チェロの音を豪快に朗々と聞かせるというタイプではないので,オーケストラと共演した場合,やや力感が不足すると感じる部分もあるのですが,その分,じっくりとデリケートな弱音を聞かせたり,ドヴォルザークの美しいメロディをきめの細かく抒情的に歌わせてくれます。今回のチェロ協奏曲でも第2楽章を中心に,室内楽的と言っても良い美しい演奏を聞かせてくれました。

この演奏では,OEKの演奏も鮮やかでした。まず,第1楽章にたっぷりと出てくるホルンのソロがお見事でした(今日はエキストラの方が担当していました)。クライマックスで出てくる,トランペットやトロンボーンの音も大変充実していました。第2楽章は,チェロと木管楽器のための合奏協奏曲のような親密さがありました。第3楽章の最後に出てくる,コンサートマスターとチェロとの重奏の部分も最高でした。この日は松井直さんがコンサートマスターでしたが,大変すがすがしい音で,「カンタさん,20周年おめでとう」と祝福しているようでした。

ホールのロビーではカンタさんの写真展(カンタさんの個性がしっかり表れている素晴らしい写真の数々です),玄関ではカンタさんのリサイタルのチラシの展示。カンタさんのサイン入りワインの販売をしていたり,ありとあらゆる方法で,カンタさんの活動を盛り上げていました。この20年,OEKもすっかり地元に定着したけれども,それと並行してカンタさんも石川県の音楽界に無くてはならない存在になりました。上では「総決算」と書きましたが,これからもOEKともども積極的な演奏活動を行って欲しいと思います。

PS.ちなみにこの日の公演ですが,ライブ録音CDになるようです。大曲2曲を収録した充実の1枚になりそうです。

2011/06/22

山田和樹指揮OEK定期公演 OEKファンも納得の古典交響曲。渡辺俊幸:ドラム協奏曲では,デイヴィッド・ジョーンズさんの驚くべきドラムの世界が広がりました。 #oekjp

今回のOEKの定期公演は,当初,ロジェ・ブトリーさんが指揮をするはずでしたが,急病のため山田和樹さんに変更になりました。曲目の変更はなかったようで,近現代のラテン系の作品と渡辺俊幸さん作曲によるEssay for Drums and Small Orchestra が組み合わさったプログラムが演奏されました。

最初に演奏された,プロコフィエフの古典交響曲は,岩城さん時代からOEKが繰り返し演奏してきた十八番です。山田さんの作る音楽は大変明快かつダイナミックでした。この曲を聞きなれている古くからのOEKファンも納得という見事な演奏だったと思います。前半の後半に演奏されたクープランの墓もOEKのお得意の曲です。ここでは水谷さんのデリケートな味わいのあるオーボエを中心に落ち着いた気分のある演奏を楽しむことができました。

後半まず,この日の「目玉」と言っても良い,渡辺俊幸さん作曲によるEssay for Drums and Small Orchestra が演奏されました。この曲は,ドラム奏者のデイヴィッド・ジョーンズさんとOEKのために数年前に書かれた曲です。ドラム協奏曲という設定自体,大変面白いのですが,曲想の方も素晴らしく,次から次へと万華鏡のように音楽が沸き出てきます。楽しげにドラムを叩くジョーンズさんのキャラクターにもぴったりで,多彩で楽しいドラムの世界にホール全体が包まれました。ジョーンズさんの発散する明るさは「天性の明るさ」と言っても良いもので,この曲を聞いたすべての人が,幸福感を感じたのではないかと思います。

プーランクの粋な小品の後,最後にファリャの三角帽子第1組曲が演奏されました。それほど大きな編成でなくても演奏できる曲ですが,山田さんの作る音楽は,とても伸びやかで,颯爽としたスケールの大きさを感じました。
ただし,この曲の最後の和音は,「終わった感じ」でないので,演奏会のトリで聞くにはどうしても物足りなさが残ります。以前,ヴァレーズさんも同じ曲で締めたことがありますが,フランスの指揮者はこの第1組曲が好きなのでしょうか?良い曲ではあるのですが,いつも「ちょっと変?」と感じる曲です。

終演後はサイン会がありました。山田さんとジョーンズさんからサインを頂いた後,出口に向かおうとしたした時,渡辺俊幸さんも登場されました。せっかくの機会なので,渡辺さんの作品について質問してみたところ,「ドラムのパートもしっかり楽譜は書いていますが,カデンツァの部分はジョーンズさんのアドリブ」とのことでした。まさにこのお二人のコラボレーションで出来た作品と言えます。こういう情報を気軽にご本人から聞けてしまうのも,金沢の演奏会ならではですね。

2011/06/14

今年度の岩城宏之音楽賞の本年度受賞者は,金沢出身のソプラノ歌手・濱真奈美さん #oekjp

昨日は,前のOEK音楽監督の岩城宏之さんの命日でしたが,今年度の岩城宏之音楽賞の受賞者の発表があったようです。今年度の受賞者は,金沢市出身のソプラノ歌手で,OEKと何度も共演をしている,濱真奈美さんとのことです。今年の2月の公演で,熱い歌を聞かせていただいたばかりですので,OEKファンにとっては,「当然」という受賞だと思います。

詳細は次のサイトをご覧ください。
http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20110614/CK2011061402000126.html

濱さんとOEKとは,9月の定期公演で共演します。井上道義さんとの共演は初めてだと思いますが,どういう歌を聞かせててくれるのか楽しみにしたいと思います。

2011/06/10

ダニエル・ハーディング指揮マーラー・チェンバー・オーケストラ金沢公演 ブラームス:交響曲4&1番。ストレートに曲の美しさを聞かせる快演。透明だけれども深いサウンドが魅力。1年後のOEKとの共演にも期待。

週末金曜日の夜。石川県立音楽堂で,ブラームスの交響曲2曲を聞いてきました。演奏は,ダニエル・ハーディング指揮マーラー・チェンバー・オーケストラ(MCO)です。このコンビは,大阪でブラームスの交響曲全集を演奏するので,その半分が演奏されたことになります。今回は,特に人気の高い4番と1番の組み合わせ,しかもチケット代もリーズナブルということで,会場はほぼ満席でした。

最初に4番が演奏されましたが,全く力んだところのない演奏で,オーケストラのくっきりとした音の美しさが自然に伝わってくるような演奏でした。楽器の配置は,コントラバスが下手側に来る古典的な対向配置でしたが,弦楽器の奏法はノン・ヴィブラートではなく,基本的にはオーソドックスなスタイルだったと思います。

それでも,曲全体の雰囲気は大変すっきりとしていました。ゆったりとした堂々たるテンポを取っていましたが,要所要所での音のキレ味の良さや木管楽器を中心としたクッキリとした音色が特徴的で,全体として爽快な後味が残りました。もったいぶったようなタメがないのも若々しく,ハーディングらしいと思いました。

4番では,変奏が進むにつれて,次々と音色が変わる4楽章の鮮やかさが特に印象的でした。聞いているうちに,どこか20世紀の音楽を聞いているような感覚になったのですが(これは,つい最近聞いた,OEKの定期公演の影響かもしれません),ブラームスの持つ音楽の現代性を浮き彫りにしていたような気がしました。曲の最後の方は熱くなっていましたが,それでも常に曲全体を俯瞰しているようなところがあり,大変スケールの大きな演奏になっていたと思いました(実際,室内オーケストラにしては,編成が大きく,弦楽器は,12-10-8-6-5ぐらいだったと思います)。

後半は,1番が演奏されました。やはり1番は盛り上がるので,この順番になったのだと思います。冒頭のティンパニの部分は,自然体で,深刻さとは無縁の穏やかな雰囲気で曲は始まりました。4番同様,曲全体を見通したようなメリハリがはっきりしており,各楽章ともに大きなクライマックスを切れ味良く,爽快に築いていました。大きな動作でスパっと音を切る姿がいかにも若々しく,ブラームスに命がけで立ち向かうといった壮絶さのようなものがないのが,ハーディングさんらしいところだと思います。

ハーディングさんとMCOは,楽譜にある音を鮮やかに再現しているのですが,それが恣意的ではなく,自然な音楽の流れになっているのが素晴らしいと思いました。各楽章ともMCOのメンバーの個人技も楽しめました。ハーディングさんは,メンバーの自発性を最高度に引き出しているようで,第4楽章などは,聞いていて,次々に花が咲いていくような,楽しさを感じました。

コーダの部分は,キレの良い音が続く,大変生き生きとした演奏で,このまま一気に走るのかな,と思ったのですが,いちばん最後の音は,長ーく伸ばした後,スッと音が減退していくように締めていました。金聖響さんのブラームス第1番もこういう終わり方をしていたのですが,力で威圧するようなところのない美しいエンディングというのは,とても新鮮です。

アンコールでは,交響曲第2番の第3楽章が演奏されました。吉井瑞穂さんの美しいオーボエ・ソロがソリストのように活躍していました。ここでは,ハーディングさんはほとんど手を動かさず,上半身を揺らすだけで指揮をしていました。ハーディングさんとMCOの関係の良さを見せてくれるようなアンコールでした。

その後,サイン会も行われました。実は,この日は休憩時間が25分もあり,その間,ハーディングさんが,ロビーに出てきて,自ら募金のお願いをしていました。この日は,ステージ上だけではなく,すぐ間近でもハーディングさんに接することができたのですが,その気さくさにも好感を持ちました。

ハーディングさんは,2012年7月のOEKの定期公演に登場することになっています。きっと,OEKファンだけではなく,OEKメンバーも,その虜にしてくれるのではないかと思います。1年後が今から楽しみです。

2011/06/08

板倉康明指揮のOEK定期公演は,シェーンベルクから始まるトンガッタ選曲。舘野泉さんによる吉松隆「ケフェウス・ノート」は,美しくかつ大胆な作品。 #oekjp

今日は板倉康明さん指揮OEKの定期公演を聞いてきました。前回のリープライヒさん指揮の定期公演も大胆な内容でしたが,今回の定期公演は,さらにそれの上を行くような演奏会でした。リープライヒさんの時は,現代的であっても,ヨーロッパ音楽的な匂いはあったのですが,シェーンベルクから始まったこの日のプログラムは,一般的なクラシック音楽からは,かなり離れた曲ばかりでした。

今回のプログラムは,吉松さんの作品を除くと,弦楽器のメンバーが非常に少なく,ホルンなどを除くとほとんど各パート1名といった感じの独特の編成の曲ばかりでした。そういう意味では,「もっとカンタービレ」シリーズに違いぐらいの曲ばかりだったのですが,たまにはこういう「室内楽に近いオーケストラ」という試みも面白いと思いました。

演奏された曲の中では,やはり舘野さんが登場した吉松隆のピアノ協奏曲「ケフェウス・ノート」がいちばん良かったと思いました。吉松サウンドといっても良い,詩的で静かで透明感のある雰囲気で始まった後,途中で,山下洋輔さんも顔負けの肘を使った奏法が出てきたり,全く退屈する暇のない作品でした。

舘野さんは,「左手だけで演奏するピアニスト」ということで,この作品を重要なレパートリーとして何回も演奏されています。舘野さんのピアノには,メッセージをトツトツと物語るような”静かな雄弁さ”があります。それだけではなく,芯の強さや熱さも感じさせてくれます。その演奏を聞いて,力が沸いてきた人も多かったのではないかと思います。アンコールでは,吉松隆編曲によるカッチーニのアヴェ・マリアが演奏されましたが,これも絶品でした。

演奏会の最初に演奏されたシェーンベルクの室内交響曲第1番は,調性はあるのですが,なくなる寸前という感じで,かなり歯ごたえがありました。他の作品についてもそうだったのですが,各楽器がソりスティックに主張しあう感じがスリリングな演奏でした。

後半最初に演奏された,M.リンドベルイのジュビリーズもトンガッタ感じの作品でしたが,かすかにシベリウス風味を感じさせるようなところがあり,シェーンベルクの曲よりは,分かりやすいと思いました。板倉さんの話によると,吉松さんの曲と通じる響きを持っているので,選曲したとのことでした。

演奏会最後に演奏された,アダムズの室内交響曲は,そのタイトルどおり,シェーンベルクの曲を意識しているのですが,ドラムスがリズムを刻み,シンセサイザーが所々で加わるなど,独特のノリの良さとサウンドをもった作品になっていました。コンサートマスターの松井さんをはじめとして,各楽器の見せ場も沢山ありました。ドラムスを担当していた渡邉さんは,特に活躍が目立っていました。最初は,単純にリズムを刻んでいたのが,段々と複雑なリズムになり,楽器が変わり...とドラムを聞いているだけでも楽しむことができました。

というわけで,今回は,新しいもの好きのOEKにとっても珍しいぐらいの大胆な選曲の公演でしたが,それでもお客さんがかなり沢山入っていました。「スターライト席」と「お試し会員効果」と「舘野さんの人気」のおかげもあったと思いますが,こういう新しいプログラムを自然に受け入れて,楽しもうとするお客さんが増えつつあるのはとても良いことだと思います。聞いているうちも,「普通のクラシック音楽」が懐かしくなってしまいましたが(これは,10日のハーディング指揮MCOに期待),いろいろな刺激を得るためにも,時にはこういう定期公演も良いなと思いました。

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