OEKのCD

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2011/06/08

板倉康明指揮のOEK定期公演は,シェーンベルクから始まるトンガッタ選曲。舘野泉さんによる吉松隆「ケフェウス・ノート」は,美しくかつ大胆な作品。 #oekjp

今日は板倉康明さん指揮OEKの定期公演を聞いてきました。前回のリープライヒさん指揮の定期公演も大胆な内容でしたが,今回の定期公演は,さらにそれの上を行くような演奏会でした。リープライヒさんの時は,現代的であっても,ヨーロッパ音楽的な匂いはあったのですが,シェーンベルクから始まったこの日のプログラムは,一般的なクラシック音楽からは,かなり離れた曲ばかりでした。

今回のプログラムは,吉松さんの作品を除くと,弦楽器のメンバーが非常に少なく,ホルンなどを除くとほとんど各パート1名といった感じの独特の編成の曲ばかりでした。そういう意味では,「もっとカンタービレ」シリーズに違いぐらいの曲ばかりだったのですが,たまにはこういう「室内楽に近いオーケストラ」という試みも面白いと思いました。

演奏された曲の中では,やはり舘野さんが登場した吉松隆のピアノ協奏曲「ケフェウス・ノート」がいちばん良かったと思いました。吉松サウンドといっても良い,詩的で静かで透明感のある雰囲気で始まった後,途中で,山下洋輔さんも顔負けの肘を使った奏法が出てきたり,全く退屈する暇のない作品でした。

舘野さんは,「左手だけで演奏するピアニスト」ということで,この作品を重要なレパートリーとして何回も演奏されています。舘野さんのピアノには,メッセージをトツトツと物語るような”静かな雄弁さ”があります。それだけではなく,芯の強さや熱さも感じさせてくれます。その演奏を聞いて,力が沸いてきた人も多かったのではないかと思います。アンコールでは,吉松隆編曲によるカッチーニのアヴェ・マリアが演奏されましたが,これも絶品でした。

演奏会の最初に演奏されたシェーンベルクの室内交響曲第1番は,調性はあるのですが,なくなる寸前という感じで,かなり歯ごたえがありました。他の作品についてもそうだったのですが,各楽器がソりスティックに主張しあう感じがスリリングな演奏でした。

後半最初に演奏された,M.リンドベルイのジュビリーズもトンガッタ感じの作品でしたが,かすかにシベリウス風味を感じさせるようなところがあり,シェーンベルクの曲よりは,分かりやすいと思いました。板倉さんの話によると,吉松さんの曲と通じる響きを持っているので,選曲したとのことでした。

演奏会最後に演奏された,アダムズの室内交響曲は,そのタイトルどおり,シェーンベルクの曲を意識しているのですが,ドラムスがリズムを刻み,シンセサイザーが所々で加わるなど,独特のノリの良さとサウンドをもった作品になっていました。コンサートマスターの松井さんをはじめとして,各楽器の見せ場も沢山ありました。ドラムスを担当していた渡邉さんは,特に活躍が目立っていました。最初は,単純にリズムを刻んでいたのが,段々と複雑なリズムになり,楽器が変わり...とドラムを聞いているだけでも楽しむことができました。

というわけで,今回は,新しいもの好きのOEKにとっても珍しいぐらいの大胆な選曲の公演でしたが,それでもお客さんがかなり沢山入っていました。「スターライト席」と「お試し会員効果」と「舘野さんの人気」のおかげもあったと思いますが,こういう新しいプログラムを自然に受け入れて,楽しもうとするお客さんが増えつつあるのはとても良いことだと思います。聞いているうちも,「普通のクラシック音楽」が懐かしくなってしまいましたが(これは,10日のハーディング指揮MCOに期待),いろいろな刺激を得るためにも,時にはこういう定期公演も良いなと思いました。

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コメント

吉松隆センセが初めて嫉妬を感じたという作曲家、佐村河内守の交響曲第一番《HIROSHIMA》を聴いてぶっ飛んだ件。

いやーコリャもう嫉妬どころか佐村河内守という人、とてつもない高みに達した天才です。はい!

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