いしかわミュージックアカデミー(IMA)&OEKジョイントコンサートは今年も充実の演奏の連続。神尾真由子,ホアン・モンラ,レジス・パスキエ,原田幸一郎...他豪華講師陣とOEKメンバーが共演しました。 #oekjp
昨年から,OEKの「もっとカンタービレ」シリーズの中の一つのコンサートとして行われるようになった,IMAの講師とOEKメンバーのジョイントによる室内楽コンサートを聞いてきました。コンサート会場ですが,昨年,石川県立音楽堂交流ホールで行ったところ,定員オーバー状態になってしまったので,今年は邦楽ホールで行われました。邦楽ホールだと満席にはならなかったのですが,やはり,これだけ充実したメンバーによる演奏なので,邦楽ホールの方で聞く方が落ち着くと思いました。
演奏会は,今年から講師に加わったIMA修了生でもあるホアン・モンラさんと神尾真由子さんのデュオによるサラサーテのナバーラで始まりました。最初の音の絶妙のハモリからゾクゾクとしてしまいましたが,その後もヴァイオリンの超絶技巧の競演が続き,非常にスリリングな演奏を聞かせてくれました。真剣勝負であると同時に,余裕をもって演奏を楽しんでいるようなところもあり,今回のようなジョイントコンサートの雰囲気にはぴったりの演奏だったと思います。
続いて,OEKのクラリネット奏者遠藤文江さんとIMAの講師陣+OEKメンバーでモーツァルトのクラリネット五重奏曲が演奏されました。この曲はモーツァルトの作品の中でも特によく演奏されている作品です。今回の演奏は非常にニュアンス豊かな,見事な演奏でした。遠藤さんは今回,バセットクラリネットで演奏されていたとのことです。見た感じは「普通よりも少し長いかな?」という程度で,大きな違いは分からなかったのですが,第3楽章のトリオなどでは,いつもよりも低い音を出していたのは分かりました。
この3楽章から4楽章に掛けては,特に表情の変化が豊かで,同じメロディが繰り返されているだけなのに,笑ったり,泣いたり,怒ったりしているような表現力のすごさを感じさせてくれました。OEKからは,ヴィオラの丸山さんとチェロのソンジュン・キムさんという,今年団員になった若手奏者も演奏に加わっていましたが,恐らく大変勉強になったのではないかと思います。5人一体となってのアンサンブルも聞きものでした。
後半は,ドヴォルザークの弦楽五重奏曲第2番という,ちょっと珍しい作品が演奏されました。この演奏では,IMA講師陣に加えて,現在別途,コントラバス講習会を同じ音楽堂内で行っている文屋充徳さんも加わっていました。弦楽四重奏にコントラバスが加わる五重奏というのはちょっと珍しいパターンかもしれませんが,そのこともあり,室内楽とは思えない,重厚でスケールの大きな音楽を聞かせてくれました。
ドヴォルザークの曲については,これまでの経験上,あまり演奏されない曲だとしても,分かりやすい曲が多いのですが(メンデルスゾーンもそうですね),この曲もそういう作品でした。この演奏では,第1ヴァイオリンのレジス・パスキエさんに特に注目してしまいました。その味わい深い演奏は特に印象的でした。
この演奏会には,IMAの受講生も聞きに来ていたようですが,大いに刺激になったのではないかと思います。IMAも終盤になってきましたが,明日からはさらに熱い指導が続くことでしょ。
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