定期公演に続き,中嶋彰子&マティアス・フレイ デュオ・リサイタルへ。中嶋さんの声の魅力とオールマイティぶりを堪能。
土曜日のOEK定期公演Fに登場したソプラノの中嶋彰子さんとテノールのマティアス・フレイさんですが,今度は邦楽ホールに場所を移し,デュオ・リサイタルが行われました。中嶋さんの「恋はやさし」にすっかり感動してしまいましたので,半分,「恋はやさし」のCDを買うために今日のリサイタルに出かけてきました。ピアノ伴奏は,定期公演の時に指揮をされていたニルス・ムースさんでした。
演奏会は,中嶋さんとムースさんのトークを交えて行われたのですが,大変多彩なプログラムでした。シューベルトの歌曲,後期ロマン派の歌曲,イタリアの歌曲,お得意のウィーンの音楽,そして,何と「トリスタンとイゾルデ」の中のイゾルデの「愛の死」まで入っていました。テノールとのデュオによる「日本初演」の作品などもあり,歌曲のデパートに入ったような楽しい内容の演奏会となりました。
特に中嶋さんは,どの曲についても完成度の高い歌唱を聞かせてくれました。中嶋さんの声は,高音だけではなく,中低音も大変魅力的で,聞いていて安心感がありました。プログラムの最後に歌われた,「メリーウィドウ・ワルツ」は,定期公演のアンコールで出てくるかなと思っていたのですが,今日の最後にようやく出てきました。「待ってました」という感じでした。フレイさんの初々しさと中嶋さんの成熟した歌は絶妙の取り合わせでした。このコンビで「メリー・ウィドウ」の全曲など見てみたいものです(金沢歌劇座でいかがでしょうか?)。
フレイさんの歌は,まだまだ勉強中という感じではありましたが(フニクリ・フニクラは,繰り返しを間違えた?ムースさんが機転を聞かせて見事なカバー。イタリア語でなかったようです。),「セヴィリアの理髪師」のアルマヴィーヴァ伯爵のアリアなど,声質にぴったりだと思いました。古き良き時代のミュージカルにも合いそうな声でした。「マイ・フェアレディ」とか「南太平洋」とかでは,テノールは準主役的キャラクターですが,その辺にぴったりな気がします(古典的なミュージカルを金沢歌劇座でOEKの演奏で上演というのもあり?)。
ピアノのムースさんも,「1曲飛ばしてすみません」とかアンコールの時に「譜面はどこ?」と探しに戻ったり,良い味を出していました。
終演後,今日もサイン会をやっていました。今回は購入したCDを持って参加してきました。フレイさんに「また来ました」と言ったところ,「I remember you」などとおっしゃっていました。というわけで,フレイさんには妙に親近感を持ってしまいました。今回が日本デビューということですが,今後の活躍を見守りたいと思います。
« 台風にも負けず,今シーズンの開幕となるOEK定期公演Fを聞いてきました。ちょっとニューイヤーコンサート風の楽しいコンサート。中嶋彰子さんの声は音楽堂にしっかり馴染んでいました。#oekjp | トップページ | OEK定期PH岩城宏之メモリアルコンサート。望月京さんの新曲の斬新な響き,2011岩城宏之音楽賞,ソプラノの濱真奈美さんの声のドラマ,見せ場の連続の「新世界から」 #oekjp »
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