OEKのCD

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2011年11月

2011/11/28

OEK定期.田園はピヒラーさんの気合いがそのまま音楽になったような熱演!高木綾子さんと吉野直子さんによる協奏曲は上質な華やかさのある工芸品のよう #oekjp

11月最後のOEKの定期公演は,おなじみギュンター・ピヒラーさん指揮による,ウィーンの古典派の音楽を中心としたプログラムでした。メインに演奏されたベートーヴェンの「田園」交響曲は,以前,やはり同じ11月にピヒラーさん指揮で聞いた記憶があるのですが(CD化されています),今回の演奏は,「田園」らしからぬ(?),熱さのある演奏で,ピヒラーさんとOEKのつながりの強さをしっかりと感じさせてくれる見事な演奏でした。

「田園」は第1楽章の標題にあるとおり,「田舎でのんびりする」というイメージのある曲ですが,第1楽章の最初から,自信たっぷりにぐっとアクセルを踏み込むような勢いのある音楽を聞かせてくれました。第2楽章も速目のテンポでしたが,暖かさや柔らかさと同時に,濃い味わいを持った演奏で,独特の迫力がありました。木管楽器も大活躍で,ウトウトする暇(?)もないような演奏でした。

第3楽章も非常に速いテンポでした。繰り返しで最初に戻る時,一瞬,フライングみたい感じになりましたが,そういった面も含め,非常にスリリングな迫力がありました。第4楽章では,トム・オケーリー(お久しぶりです)さんの迫力満点の「雷」が大活躍でした。そして締めの第5楽章ですが,ここでも熱い躍動感を感じさせる音楽を聞かせてくれました。

「田園」をプログラムの後半に持ってくるのは,静かな雰囲気のある曲ということもあり,冒険的な部分もあるのですが,この日の演奏は,本当に聞きごたえ十分で,プログラムのトリにぴったりでした。全曲を通じて,熱さが効いていたので,エンディング部分でのゆったりとした雰囲気が特に効果的でした。前回,ピヒラーさん指揮で聞いた「田園」とは,かなり違う印象を持ったのですが,こういう点が,ライブの面白さであり,同じアーティストを繰り返し聞く面白さだと思います。

前半に演奏された,ロッシーニの序曲もピヒラーさんらしい,十分の念の入った演奏でした。その後に演奏された,モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲は,意外なことに,金沢での定期公演では初登場です。ソリストの高木綾子さんと吉野直子さんは,それぞれ白と青のドレスで登場し,ステージに登場した瞬間から,華やかな気分一杯になりました。演奏の方にも曲想にぴったりの華やかさがありました。

ピヒラーさんのテンポ設定は,ここでも速目で,古典派の曲らしい,きっちり,すっきりとしたフォーマットを作っていました。その上で底光りするような上品さのある高木さんのフルート,非常に粒立ちの良い吉野さんのハープの音が,絶妙のバランスで絡み合っていました。特に吉野さんの音のキラキラとした緻密な音が素晴らしく,洗練された蒔絵などの伝統工芸品を見るような高級感を感じました。

前半と後半のバランスもとても良かったと思います。ソリスト2人の贅沢感と,ピヒラー&OEKによる緊密な迫力をしっかり堪能できた素晴らしい演奏会でした。

2011/11/23

12月のOEK関連の室内楽演奏会情報 #oekjp

OEKのメンバーは室内楽の活動も積極的に行っています。12月も次のとおり,県内各地で演奏会が行われます。入場料等は,各サイト等をご覧ください。

■金沢21世紀美術館友の会クリスマススペシャルコンサート2011 
日時=12月11日(日)13:30開場 14:00開演
木管三重奏 Trio d’anches オーケストラ・アンサンブル金沢メンバーによる
遠藤さん,柳浦さん,水谷さんの木管三重奏です。21世紀美術会友の会員は500円で聞くことができます。
http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=71&d=1294

■午後の音楽散歩:歴史探訪編「1911年生まれのドイツの作曲家たち」第2回 エデュアルト・ピュッツ
日時=12月28日(水) 18:30開演
会場=石川県立音楽堂交流ホール
金澤攝さんとの共演で,知られざる作曲家の作品を発掘するシリーズです。次のとおり,21世紀美術館の方では,金澤さんの独奏によるシリーズも行われています。
料金=全席自由 一般\1000 大学生以下\500


■金澤攝ピアノ独奏『生誕200年を迎えるピアニスト=コンポーザーたち』
第2回 Felix Le Couppey  フェリックス・ル・クーペ(1811-1887)
日時=12月7日(水)開場18:30/開演19:00
料金=【1回券】 2,000円(大人)/1,000円(大学生以下※要学生証) 【全4回】 5,000円 ※全4回券のみ金沢21世紀美術館ミュージアムショップにて販売 全席自由

まだまだ知られていない作曲家は沢山いますね。


■石川県西田幾多郎記念哲学館クリスマスコンサート2011】
日時=12月13日(火) 18:30~ 
18:45~ プレコンサート(ホワイエ)
19:00~ ホールコンサート(ホール)

松井直(ヴァイオリン),上島淳子(ヴァイオリン),石黒靖典(ヴィオラ),大澤明(チェロ)

ハイドン 弦楽四重奏曲第76番ニ短調 作品76-2 「五度」
ドヴォルジャーク 弦楽四重奏曲第12番ヘ長調 作品12  「アメリカ」
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第2番ト長調 作品18-2 「挨拶」
http://www.nishidatetsugakukan.org/top3.htm#23christmas

■金沢蓄音器館クリスマス特集「バロック音楽の夕べ」12月25日(日) 19:00~
ぺルゴレージ作曲「2つのヴァイオリンのための12のソナタ」より7番から12番。

大村俊介・大村一恵(ヴァイオリン)、早川寛(チェロ)、加藤純子(チェンバロ)
500円 要予約
http://www.kanazawa-museum.jp/chikuonki/kikaku/index.htm

2011/11/13

石川県合唱連盟創立50周年記念演奏会を聞いてきました。松尾葉子指揮OEK+石川県合唱連盟合同合唱団=300人による小細工のない第9。さらに中高生も加わり500人で歌われた大地讃頌では,音楽に暖かく包み込まれました。#oekjp

今日は午後から石川県立音楽堂で行われた石川県合唱連盟の創立50周年記念演奏会を聞いてきました。実は,「50周年」は昨年だったらしいのですが,2年に一度行われているビエンナーレいしかわ秋の芸術祭にあわせて,今年行われることになったとのことです。

メインで演奏されたのは,ベートーヴェンの第9でした。このところOEKは12月に第9をほとんど演奏しないのですが,「11月の第9」というのは,全国的に見ても珍しいのではないかと思います。石川県合唱連盟は,創立30周年,40周年の年にも第9を歌ってきましたが,キリの良い50周年には,特に相応しい選曲です。

今回の指揮は松尾葉子さんでした。松尾さんがOEKの指揮をするのを見るのは...もしかしたら20年ぶりぐらいかもしれません。全曲を通じて,もったいぶったところのないテンポ設定で,第1楽章などはサクサク進み過ぎる気はしましたが,躍動感のある第2楽章,滑らかに進む第3楽章と,第4楽章後半の歓喜の爆発に向けて,少しずつ盛り上がっていくような感じの演奏でした。

これだけの大人数で第9を聞くのは初めてのことでしたが,混成チームとはいえ,さすが合唱連盟に参加している団体ばかりということで,とてもよくまとまった歌声だったと思います。特に有名な「歓喜の合唱」の部分の晴れやかな声は,お祝いにぴったりでした。最後の最後の部分の明快な指揮ぶりも含め,小細工のない,気持ちの良い第9を楽しませてくれました。

ただし,ソリストの方は,お馴染みの方が多かったのですが,4人のアンサンブルのバランスがやや悪い気がしました。特に男声お2人が本調子でなかった印象を持ちました。

その後,中学校の合唱団,高校の合唱団の選抜チームが加わり,総勢500名での「大地讃頌」となりました。

前半最初で歌った後,そのまま1階席前方両サイドの客席に座っていた高校生たちは,そのまま立ちあがって,お客さんの方に向いて歌い,中学生の方はオルガンステージに入ってきて歌いましたので,ステージ前方は「人,人,人」という状態でした(お客さんと演奏者の比率はもしかしたら同じぐらいだったかも?)。

「母なる大地のふところに...」と曲が始まると,その歌詞どおり「大地のふところ」に包み込まれるような気分になりました。ゆったりとしたテンポで,ゆったりとした気分で歌われていましたので,うるさく感じる部分はなく,曲のスケール感がスーッと伝わってきました。なぜか卒業式でもよく歌われる曲ですが,その時同様に,目頭が熱くなるような演奏でした。

演奏会の最初に歌われた県内の高校の合唱部の合同チームによる歌も良かったですね。若い人の声を聞くだけで,元気が出てきます。

演奏会は全く休憩なしで一気に行われたので,少々疲れたのですが,何と言っても,大勢の人が集まった時の声の力はすごいと実感できた演奏会でした。毎年12月はオペラや合唱が出てくる公演が多いのですが,そちらの方も楽しみにしたいと思います。

2011/11/02

ラ・ロック・ダンテロンの再現!アルド・チッコリーニ&OEKチャリティ・コンサート@金沢。チッコリーニさんの明るく透き通る音,そして,さり気なく沸き上がるファンタジーの世界に終演後はスタンディング・オベーション。ピアノを聞く幸福感に満たされました #oekjp

今年の夏,フランスのラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭で,記念碑的な演奏を残したアルド・チッコリーニさんとOEKが,金沢でその再現をしてくれました。前半はOEKとの共演,後半はチッコリーニさんの独奏という変則的な構成でしたが,チッコリーニさんの個性とモーツァルトの曲の素晴らしさとが完全にマッチした,見事な演奏の連続でした。

チッコリーニさんは,今年86歳とのことです。ピアノまで歩く様子は,確かに,とってもゆっくりなのですが,演奏が始まると,その指先からは,信じられないような美しく瑞々しい音が溢れ,石川県立音楽堂は幸福感で満たされました。

前半,ドン・ジョヴァンニの序曲で始まった後,同じ調性のピアノ協奏曲第20番が演奏されました。チッコリーニさんのピアノは,短調の作品にも関わらず,音が透き通るように美しいので,どこか明るさを感じさせてくれます。それが曲の魅力をさらに高めていました。虚飾を排して,音楽だけを感じさせてくれるような第2楽章,最後に軽やかに天上の世界に登っていくような第3楽章と,この名曲の凄さを改めて感じました。この曲の第3楽章については「取ってつけたように」明るく終わると感じることもあったのですが,チッコリーニさんの演奏からは全く違和感を感じませんでした。

後半はモーツァルトのピアノ・ソナタ第13番と第11番が演奏されました。どちらの曲も,チッコリーニさんならではの自在に揺れるテンポ感で演奏されており,気持ちの良いファンタジーの世界に浸らせてくれました。遅いのか速いのか分からないようなテンポなのに,全然心が乱れているようなところはないのが,チッコリーニさんの到達した境地なのだと思います。張りつめた緊迫感や奇を衒おうという作為がないのに,個性的。そういう演奏でした。

もちろん,ちょっと危ないかな?という箇所はあったのですが,チッコリーニさんのピアノは全く動じることはありません。演奏のすべてがチッコリーニさんの魅力につながってしまうような演奏だったと思います。

アンコールは3曲も演奏されました。そのうち2曲は,ラ・ロック・ダンテロンと同じアンコール曲で,フランスの放送局が収録したビデオ映像を見た金沢の聴衆にとっては,最高のプレゼントになりました。

3曲目は,「まだこんなに力が残っていたのか!?」という感じのグラナドスの作品でした。これで会場はさらに沸き,金沢では非常に珍しいスタンディング・オベーションとなりました。4月に仙台フィルとOEKが合同演奏会を行った時以来の光景だと思います。金沢で行われたピアノ・リサイタルで見るのは,私自身初めてのことです。

ラ・ロック・ダンテロンでのルネ・マルタンさんの大絶賛については,「本当かな?」と思う部分もあったのですが,チッコリーニさんの実演に接して,「本当だ!」と確信しました。石川県立音楽堂での演奏会史に残る印象的な演奏会だったと思います。

PS. 終演後,楽屋口で数名の方と待っていたところ,中に入れて頂き,チッコリーニさんからサインを頂くことができました。後半に演奏されたピアノ・ソナタを収録した新譜CDにサインを頂いたのですが,このCDを聞くのも大変楽しみです。

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