OEKのCD

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2011年12月4日 - 2011年12月10日

2011/12/09

オペラ「高野聖」(初演)を金沢歌劇座で聞いてきました。原作のイメージをきっちりと演劇的に描いていました。中鉢聡さん,川越塔子さんの充実した歌唱。黒子風合唱団も大活躍。美術も最高 #oekjp

今日の金沢は,「雪」という予報でしたが,それほど天候は崩れず,夕方から無事,池辺晋一郎さんによる新作オペラ「高野聖」の初演を観てきました。地元金沢を代表する作家・泉鏡花の名作のオペラ化ということで,いつもとは一味違った会場の雰囲気を感じましたが,全体として,非常に充実した作品にし上がっていたと思います。

実は,原作をしっかり読んだことはありませんが,オペラの最初と最後をはじめ,所々で「聞き手役」を入れるなど,オペラというよりは演劇的な構成感がありました。その分,セリフも非常に多く,オペラにしては,言葉で説明し過ぎかなと感じました。音楽の方もストーリー展開や会話をしっかり支えるような感じで,くっきりとしたメロディラインのある曲は少なめでした。プログラムには,池辺さんの「オペラは演劇的でなければならない」という言葉が書かれていましたが,確かにそういう雰囲気の作品でした。

そういったこともあり,もう少しボーっとして聞けるような部分も欲しかった気がしました。上演時間は,休憩を含めて19:00~22:00ぐらいということで,かなり疲れてしまいました(このところ,仕事が忙しく,平日の夜は特に疲れ気味ということもありますが)。

ただし,上演の水準は大変高かったと思いました。まず,セットが大変豪華でした。これまで金沢で上映されたオペラの中でいちばん豪華だった気がしました。飛騨の山奥の暗い雰囲気を重厚かつ鮮やかに感じさせてくれました。このオペラ上演のための合唱団の皆さんは,半分黒子のような感じで,豪華セットや照明と一体となって,山中で起こる,様々な「怪奇現象」を表現していました。

そして,何より主役のお2人の歌唱が充実していました。前述のとおり,メロディアスな曲は多くないのですが,その分,お2人ともほとんど出ずっぱりという感じで,大変な重労働だったのではないかと思います。中鉢さんは,自然でありながら,ドラマを感じさせる素晴らしい声の持ち主です。それが一貫しており,最後の最後まで緊張感を維持していたのが,見事でした。

川越さんの演じる「女」の方は,初登場の時間帯が遅いのですが(「トゥーランドット」ほど遅くはありませんが),その登場の仕方が,いかにもプリマドンナという感じで鮮烈でした。蛇やら蛭やらの後だったので,美しい着物姿を見るだけで,「いいなぁ」という感じになりました。「上人」の気持ちもよく分かるという感じでした。お楽しみの「見せ場」というか「濡れ場」の部分も,たっぷりと聞かせてくれました。後半の第2幕はさらに出番が多くなり,「真実の愛」を知った女を凛とした声で,しっかりと演じていました。

大勝秀也指揮OEKの演奏も生き生きとしたものでした。特にパーカッションがかなり華々しく活躍していたのが印象的でした(その他,演劇で使うような「リアルな」効果音を使っていたのも池辺さんらしいところです)。

全体的には,もう少しストーリー展開がスピーディでセリフが少なければ良かった気がしましたが(全体を回想形式にせず,「女」の歌で締めても良かった気がしました),”金沢文芸オペラ”の第1弾(勝手にシリーズ化していますが)としては,成功していたのではないかと思います。犀星と秋声には,あまりオペラ向きの作品はないかもしれませんが,今度は金沢を舞台にしたオペラなど観てみたいものです。

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