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2012年1月

2012/01/28

ゴトーニ・ウィーク開幕。ラルフ・ゴトーニさんの弾き振りによるOEK定期公演M。ハ短調からハ長調へとつながるまとまりの良い、考えられたプログラミングを堪能。OEKのしっかりとした硬質な音と反応の良さも見事 #oekjp

このところの金沢は、季節相応の積雪が続いており、今日もどうなるかと思ったのですが、午後から冬型は緩み、OEKの定期公演に無事行くことができました。今回の指揮者はフィンランド出身のラルフ・ゴトーニさんでした。1月末から2月上旬にかけて、ゴトーニさんは、OEKの2種類の定期公演に連続して登場し、しかもその間にOEKメンバーとも室内楽公演を行うということで、「ゴトーニ・ウィーク」の始まりということになります。

今日の公演は、ゴトーニさんとしては珍しく、古典派から初期ロマン派の作品のみによるプログラムでした。しかも、OEKのフルメンバー(打楽器はティンパニだけでしたが)が登場する3曲ということで、OEKの定期公演の「一つの典型」といっても良いような構成でした。2曲目のピアノ協奏曲には当然ピアノが加わりますが、OEK自体、3曲とも編成が全く同じということも滅多にないことのような気がします。

曲の調性についても、前半のベートーヴェンの2曲がハ短調、後半のシューベルトの交響曲第6番がハ長調という形でコントラストがつけられており、とてもまとまりの良い構成となっていました。

最初のコリオラン序曲では、ゴトーニさんは、2曲目に使うピアノを譜面台にして指揮をしていました。なかなか面白い光景でした。ゴトーニさんが指揮する時はいつもそうなのですが、OEKの響きは、非常にくっきりと、硬質な感じで響いていました。井上道義さん指揮の時のような「取って食われそうな」熱気とは一味違った、ひんやりとした迫力のある演奏でした。

2曲目のベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番も同じハ短調で、響きに統一感がありました。ゴトーニさんは、お客さんに背を向ける形で蓋を外したピアノに向っていました。そのせいか、ピアノの音の響き方がいつもとは違っおり、ソリストが目立つ協奏曲というよりは、ピアノ付き交響曲といった趣きがありました。OEKの演奏も非常に雄弁でした。最終楽章の最後の部分などで、畳み掛けるようなキレの良さもあり、オーソドックスさと同時に新鮮さを感じました。カデンツァを中心に、ゴトーニさんのピアノにも華やかに聞かせる部分もありましたが、オーケストラの歌わせ方とピアノの歌わせ方が有機的に絡み合っており、「弾き振りらしい」協奏曲となっていました。

アンコールでシューベルトの「美しい水車屋の娘」の中の1曲をピアノ独奏用にゴトーニさんが編曲したものが演奏されました。この曲は、もともと大好きな曲ですが、大人の哀感(?)が漂っており、歌曲版とは一味違った魅力を感じさせてくれました。この曲自体、途中で長調に転調するのですが、前半と後半をつなぐ絶好のブリッジになっていました。

後半のシューベルトの交響曲第6番は、「ザ・グレート」よりは小さいけれども、小ハ長調というよりは、中ハ長調ぐらいの規模があります。生で聞くのは、ラ・フォル・ジュルネ金沢の最初の年のエンディングコンサートで聞いて以来のような気がしますが、OEKにぴったりの交響曲です。

この曲でも前半同様、しっかりとした強さを感じましたが、随所で音楽がほほ笑むような感じの部分があるのが、シューベルトの交響曲らしいところです。どの楽章もかっちりとしたまとまりの良さと同時に表情の豊かさがあり、とても楽しむことができました。第4楽章のエンディングは、念を押すようなズシリとした迫力の音で締めてくれました。

これから1週間ほど、ゴトーニさんの演奏会が続き、いろいろな曲を聞かせてくれます。OEKのメンバーからの信頼も非常に厚いことがステージ上の雰囲気からもよくわかりますので、どれも聞き逃せない演奏会になりそうです。

2012/01/14

本日は新田ユリさん指揮金沢大学フィルの定期演奏会を聞いてきました。ブラームスの交響曲第1番は、お見事!応援のしがいのある演奏でした。カレリア組曲も期待どおり。やはり良い曲です。

毎年、センター試験1日目の夜は、金大フィルの定期演奏会です。今年は、昨年に続き新田ユリさん指揮でした。毎年のように行っていたつもりなのですが、昨年は行けませんでしたので、2年ぶりということになります。

今年のメインプログラムは、ブラームスの交響曲第1番でした。昨年の定期演奏会で取り上げた、チャイコフスキーの交響曲第5番と並んで、アマチュアオーケストラが取り上げる曲の「定番」と行っても良い作品です。昨年、金沢では、ダニエル・ハーディング指揮マーラー・チェンバー・オーケストラで聞いた曲ですが、今回の金大フィルの演奏も素晴らしい演奏でした。学生オーケストラの良さがしっかり発揮された、聞きごたえのある演奏でした。個人的な感動の度合からすると、ハーディング指揮MCOにも決して劣らない演奏でした。

第1楽章の最初の部分が、予想外に速いテンポだったのには驚きましたが、その推進力が主部では堂々とした力感のある音楽になり、曲全体を一貫していました。新田ユリさんは、若いエネルギーを発散させるだけではななく、非常に安定感のある音楽を聞かせてくれました。安心感と熱さがとてもバランス良く共存していたのが素晴らしいと感じました。

それと、何より各楽章ともソロが素晴らしいと思いました。この曲には、オーボエ、ホルン、クラリネット、フルート...とそれぞれに聞かせどころがあります。いずれもしっかりと聞かせてくれました。特にオーボエが素晴らしかったと思います。第2楽章後半のコンサートマスターによる透き通るようなソロも良かったし、第4楽章の有名な主題の弦楽合奏も感動を秘めた美しさがありました。

この曲の場合、聞きどころが多く、それぞれのポイント、ポイントで応援しながら聞いてしまいます。今回の演奏は、それらをしっかりとクリアしており、「良い演奏を聞かせてくれてありがとう。」という感じの演奏でした。

1曲目の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲は、テンポは堂々としていたものの、どこか練習曲っぽい感じでしたが、2曲目のシベリウスのカレリア組曲は、期待どおりの演奏でした。指揮の新田さんは北欧音楽のスペシャリストということで、最初の弦楽合奏のザワザワとした音から1曲目と空気が違っていました。

最初の「間奏曲」は、タンバリンの後打ちのリズムを刻んでいるのが昔から好きで、聞いているうちに、ちょっとポップスっぽく感じてしまいます。「行進曲風に」は、さらに有名な曲ですが、こちらの方も、「いかにもシベリウス」という感じの「トランペットの合いの手」が好きだったりします。行進曲だけれども、聞いているとどこかせつなくなる感じも大好きです。第2曲「バラード」に出てくるコールアングレの長いソロもしっかり聞かせてくれました。こちらもまた、うブラームスに劣らない、大満足の演奏でした。

アンコールでは、シベリウスの「アンダンテ・フェスティーヴォ」が演奏されました。新田さんからの最高のプレゼントという感じの素晴らしい弦楽合奏を聞かせてくれました。

金大フィルを中心とした石川県内の学生オーケストラとOEKは2月末に合同でブルックナーの交響曲第5番という大曲に挑みますが、それへの期待が一層高まった、演奏会でした。

2012/01/08

明けましておめでとうございます。OEKニューイヤーコンサート2012は山田和樹さん指揮による大きな流れのある「英雄」とモナ=飛鳥・さんのピアノによるグリーグ。恒例OEKどら焼き付きでした。#oekjp

今年最初のOEKの定期公演は、山田和樹さん指揮のニューイヤーコンサートでした。ステージ上には花が飾られ、女性職員の皆さんが色とりどりの着物を着ていらっしゃるのは例年どおりで、会場全体が華やかな空気に包まれていました。お客さんもとてもよく入っていました。

プログラムは、シュトラウス・ファミリーを中心としたウィーンの音楽、というパターンではなく、ベートーヴェンの「英雄」とグリーグのピアノ協奏曲を中心に、名曲じっくりと聴かせてくれるオーソドックスな構成でした。

この日の演奏では、やはり後半に演奏された、「英雄」が聴きごたえがありました。山田さん指揮OEKのベートーヴェンといえば、数年前の「オーケストラの日」に聞いた第7番での熱い演奏を思い出すのですが、その時の、「若武者」といった感じの演奏に比べると、一段進化しているように感じました。

第1楽章の最初から、非常に柔らかな雰囲気で始まりました。若々しく推進力のある演奏を予想していたので、ちょっと意外だったのですが、アビゲイル・ヤングさんのリードするOEKの作る自発的な音楽をうまくコントロールするような指揮ぶりで、曲全体の構成を踏まえたようなバランスの良さがありました。「英雄」の第1楽章独特の変拍子風のアクセントなど、要所要所を締めており、曲が進むにつれてそのスケール感がじわじわと高まってくるようでした。

ちなみに1楽章のコーダに出てくる、トランペットの部分は、メロディが途中で、フッと消えてしまう形になっていました。一瞬「アレッ」という感じになりましたが、非常に引き締まったコーダでした。

第2楽章も遅めのテンポでじっくりと演奏されていました。各楽器の息の長い歌が印象的で、ここでもスケールの大きさを感じました。朗らかさのあるホルンが活躍する第3楽章に続く、第4楽章では精緻な音の絡み合いが聴きものでした。終結部は、キレの良い集中度の高い音の連続で、充実感を残して、全曲を締めてくれました。OEKをしっかりコントロールした、見事な「英雄」だったと思います。

前半に演奏されたグリーグのピアノ協奏曲では、モナ=飛鳥・オットさんの伸びやかなピアノが印象的でした。冒頭部から強さと同時に透明感のある響きを楽しませてくれました。第1楽章の途中、一瞬、ヒヤリとする場面があったり、もう少し完成度の高さが欲しいところもありましたが、曲の持つ初々しい雰囲気にはよく合っていました。

山田さん指揮OEKの演奏も、第2楽章での「北国ならではの暖かさ」といったムードをはじめ、モナさんにぴったりと付けていました。

# 3年前はお姉さんのアリスさんがニューイヤー・コンサートに登場しましたが、遠くから見た印象は「そっくり」でした。

最初に演奏された「魔笛」序曲でもそうでしたが、山田さんの作る、すっきりとしているけれども、豊かさを感じさせてくれるような音楽の自然さは、大変魅力的です。明日から始まる全国ツァーにも期待をしたいと思います。

PS. ニューイヤーコンサートの恒例となりつつある「OEKどら焼き」が今年も配られました。今から、しっかりと食べようと思います。

2012/01/07

元OEKコンポーザー・イン・レジデンス林光さん逝去。心から哀悼の意を表したいと思います。#oekjp

1999~2000年,OEKのコンポーザー・イン・レジデンスだった林光さんが逝去されました。

http://www.asahi.com/obituaries/update/0107/TKY201201060748.html

80歳ということで,今年生誕80年を迎える,岩城宏之OEK前音楽監督とは,まさに”同志”という間柄でした。

OEKが委嘱し初演した作品は「THRENUS(哀歌)」で,次のセット物CDに収録されているとのことです。
http://amzn.to/zRaXah

これ以外では,2008年に石川県立音楽堂邦楽ホールで上演された,林光さんのオペラ「あまんじゃくとうりこひめ」が印象に残っています。この時は,林先生がステージに登場し,オペラについて語られていました。林さんは,「森は生きている」など,室内楽編成で上演できるオペラをいくつか書かれています。特に邦楽ホールにぴったりだと思います。これからも石川県立音楽堂では,「林は生き続ける」のではないかと思います。

http://www.amazon.co.jp/dp/B00005F001/ref=cm_sw_r_tw_dp_pX5bpb0RS8NB6

「森は生きている」の中の曲をOEKエンジェルコーラスが歌うのを聞いたことがありますが,また聞いてみたいものです。

心からお悔やみを申し上げます。

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