OEKのCD

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2012/02/01

ラルフ・ゴトーニ&OEKメンバーによる「もっとカンタービレ」。どの曲も良かったけれども,ショスタコーヴィチのピアノ五重奏曲の多彩な世界には圧倒されました。#oekjp

今日から2月ということで,相変わらず金沢では雪の日が続いています。そういう悪条件の中,OEK室内楽シリーズ「もっとカンタービレ」を聞いてきました。お客さんはどれぐらい入っているかな?と少し心配だったのですが,ホールに入ってみるといつもにも増して大入りでした。

今回の室内楽は,先週定期公演に登場したばかりのラルフ・ゴトーニさんがピアニストとして登場し,アビゲイル・ヤングさん,ルドヴィート・カンタさんをはじめとした,首席奏者と共演しました。その期待の大きさの現れと言えます。モーツァルト:ピアノ四重奏曲第1番,モーツァルト:ピアノと管楽のための五重奏曲変ホ長調,ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲とこれまで意外に演奏されてこなかったピアノと室内楽のための名曲が並んでいたこともお客さんの数が多かった理由の一つだと思います。今回のような”良いプログラム”で,しっかりお客さんが入るというのは,金沢の聴衆が成熟している証拠かなと思い,まず,嬉しくなりました。

演奏はその期待どおり,どの曲も聞きごたえがありました。モーツァルトのピアノ四重奏曲第1番はト短調の曲ですが,それほど深刻な感じはせず,ゴトーニさんのピアノの上でヤングさんを中心とした弦楽アンサンブルが意欲に溢れた音楽を聞かせるといった演奏でした。ヤングさんの”動”とゴトーニさんの”静”の絡み合いが特に印象的でした。

次のピアノと管楽のための五重奏曲は,まず,OEKの4人の管楽器奏者の音の素晴らしさに聞き惚れました。交流ホールだと管楽器の音は特に鮮明に聞こえます。曲想がとても華やかなので,ソリスト4人による豪華な競演といった趣きがありました。ゴトーニさんのピアノには,決してアンサンブルを邪魔しないバランスの良さがあるのですが,随所で華麗なパッセージを気持ち良く聞かせ,音楽をさらに華やかにしていました。同じ編成の曲はベートーヴェンも作っていますので,是非,次回はこちらの方も聞いてみたいと思いました。

後半は,ショスタコーヴィチのピアノ五重奏曲でした。この曲は,ピアノの一撃から始まるのですが,ゴトーニさんは,モーツァルトの時とは打って変わって,底光りするようなスケールの大きな音を聞かせてくれました。それに続く,OEKの首席弦楽奏者たちによる演奏も耳が離せないものでした。ゆったりとした中に常に緊張感をはらんでいました。この曲は,5楽章形式の曲ですが,楽章間でそれほど大きなインターバルを取っていませんでしたので,カメレオンのように次々と曲想が移り変わっていくような不思議さがありました。この辺もショスタコーヴィチの音楽の魅力です。

キリキリとした狂気をはらんだスケルツォもすごい演奏でしたが,不思議な明るさを持った最終楽章もまた,印象的でした。最後の部分では,どんどん軽やかな感じになり,最初のモーツァルトの雰囲気に戻ったようでした。そう考えると,この3曲の取り合わせも絶妙だったと思います。

「もっとカンタービレ」シリーズもすっかり定着し,これまで,いろいろな編成でいろいろなプログラムを聞いてきましたが,今回の演奏会は,その歴史の中でも特に充実した内容だったと思いました。

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