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2012年5月

2012/05/31

もっとカンタ―ビレ今年度第1回は,宮川彬さん&OEKメンバーによるリアル"クインテット”(合計7人でしたが)!誰もが楽しめる,癖になりそうな楽しさ。OEK雑唱団もデビュー! #oekjp

今晩は,今年度第1回の「もっとカンタービレ」シリーズを聞いてきました。今年度のこのシリーズの企画は,いろいろと凝っています。今回は,ファンタジー定期公演ではお馴染みの宮川彬さんがピアニストとして登場し,NHKのE-TVの音楽番組「クインテット」の音楽をそのまま実際に演奏するという新しい試みでした。個人的には,もう少しお客さんが入っていても良いのに...とは思いましたが,今回の試みは大成功で,子供から大人まで,だれもが全くストレスなく楽しめるような素敵な演奏会になりました。

番組名は「クインテット(五重奏)」ですが,実際には宮川さんを入れて7名編成による室内楽の演奏会でした。ヴァイオリン,チェロ,コントラバス,クラリネット,トランペット,打楽器,そしてピアノという編成は,なかなか効率的な編成で,オリジナルのオーケストラ曲を違和感なく,ただし,ものすごくコンパクトに再現していました。特に前半に演奏された「動物の謝肉祭」の「化石」などはオリジナルに近い雰囲気でした。

間に挟まれた宮川さんのトークも冴えていました。子供の時のピアノのびおけいこの話がブルグミュラーの「貴婦人の乗馬」につながったり,疲れたお父さんの話が運動会へ,そして「トランペット吹きの休日」につながる...と大人が聞いても楽しめる演奏とトークでした。交流ホールで聞くには本当にぴったりの企画で,宮川さんとOEKメンバーのキャラクターを非常に身近に感じることのできる内容でした。

それぞれの曲が,「クインテットの番組の都合」で,3分程度に圧縮されているのですが,小編成で聞くと,それが予想以上にぴったりと決まっており,どこか洒落たムードさえ漂わせていました。聞いていて全然疲れないので,誰が聞いても楽しめる内容になっていたと思います。

この日いちばんの「目玉」は,後半最初のコーナーで演奏された,宮川さんによる「オリジナル・ソング」コーナーだったと思います。メンバー紹介を兼ねて,OEKメンバーが一人ずつ呼び出された後,宮川さんのピアノ伴奏にあわせて,「ただいま考え中」という曲を6人で合唱しました。「OEK雑唱団(宮川さんのネーミングです)」のデビューコンサートとなりました。

この曲は「ただいま考え中」という歌詞を何回何回も繰り返すだけ(ほとんど)なので,「私にも歌えそう」という曲でしたが,お馴染みのメンバーが楽しげに歌っている姿を見るだけで,OEKファンとしては嬉しくなりました(ヤングさんが特に楽しげでしたね。)。OEKメンバーが「歌う」というのは,滅多に聞けないことですので,この日のお客さんは大喜びでした。OEKのメンバーは,個人レベルで金沢市民に溶け込んできていますので,今回のような「楽しい室内楽公演」というのは,OEKメンバーとファンの距離をさらに縮める意味でも良いことです。「OEK雑唱団」の活躍には今後も期待したいと思います。

今回の公演は,「NHKの「クインテット」の番組は終了してしまったけれども,そこで作られた曲は残したい」という思いで企画されたコンサートとのことです(それが石川県で実現したのは嬉しいことです)。その意図はピタリ当りました。是非是非,再演をしてほしいと思います(ネタはまだまだありそう)。このスタイルで石川県を中心にいろいろ回ってみたいというアイデアも発表されていましたが,きっと喜ばれることと思います。NHK金沢放送局とタイアップして,「実写版クインテット」としてテレビ中継しても面白いかもと思ったりしました。

というわけで,聞いているうちに,色々と楽しい企画が沸き上がってきそうな楽しい公演でした。

2012/05/25

下野竜也指揮OEK.今回は石川県立音楽堂ではなく小松定期へ。ガボール・タルケヴィさんのトランペットの高貴な音に浸りました。ハイドン,ボッケリーニの交響曲もさすが下野さんという充実感 #oekjp

昨日のOEKの定期公演には行けなかったのですが,何としても聞きたいと思い,今日は車で小松に行って,「小松定期」の方を聞いてきました。登場したのは昨日と同じく,下野竜也さんとベルリン・フィルの首席トランペット奏者のガボール・タルケヴィさんでした。プログラムも同じでした。

こまつ芸術劇場うらら大ホールでOEKを聞くのは初めてのことでしたが,とても音がクリアに聞こえ,「時にはこちらで聞くのも良いかな」と思いました。石川県立音楽堂の邦楽ホールとちょっと似た作りで(ちょうちんもついています),音楽堂ほど残響はありませんが,「歌舞伎仕様」らしく,2階席からでもステージが非常に近く見えるホールです。せっかくなので,2階の桟敷席に座ってみました。靴を脱いで座布団の上に座って,クラシック音楽を聞く,というのは,結構,ハイドン時代の音楽にはぴったりな気もしました。

この日のプログラムは,ボッケリーニの交響曲「悪魔の家」で始まった後,バロック~古典派のトランペット協奏曲が2曲。最後にハイドンの交響曲第55番(「校長先生」というニックネームがついています)で締める構成でした。有名曲はなかったのですが,同時代の音楽がシンメトリカルに並んでおり,OEKらしさがしっかり味わえるプログラムとなっていました。

この日は何と言ってもガボール・タルケヴィさんのトランペットが聞きものでした。両方とも地味目の作品でしたが,タルケヴィさんの音が加わると,音楽の生気がさらに一ランク上に上がる感じで,パッと雰囲気が明るくなりました。タルケヴヴィさんの音は,スカッと耳に飛び込んでくる鮮やかな音色なのですが,全くうるさくはありませんでした。高貴で柔らかな印象を残してくれる素晴らしい演奏でした。この日は地元の吹奏楽部らしい中高生が大勢聞きに来ていましたが,「トランペットの神さま」と感じたのではないかと思います。

協奏曲以外の2曲も地味目の曲でしたが,下野さんの指揮で聞くと非常にしっかりとした音楽として響いていました。ボッケリーニの「悪魔の家」は,岩城宏之さんのエッセーの中に「地下鉄サリン事件の頃,ニュースなどで使われていた曲」として紹介されている曲です。ただし,それほどオドロオドロしくはなく,最終楽章の後半などは,ヴィヴァルディの音楽を思わせるような爽快さがありました。下野さんは,いつもしっかりした響きをオーケストラから引き出してくれるので,切れ味の良さとちょっと重みのある充実感を同時に感じさせてくれました。

最後に演奏されたハイドンの「校長先生」も初めて聞く曲でしたが,こちらの方も慌てず騒がず,実に立派で暖かみのある「校長先生」像を伝えてくれました。このところ,個人的に,やや疲れ気味だったのですが,じっくりと生でハイドンの交響曲を味わうというのは良いものだと改めて感じました。体に染みわたるようなハイドンでした。元気が出てきました。

アンコールは,考えてみれば「この曲しかない」というボッケリーニのメヌエットが演奏されました。たっぷりとリラックスした雰囲気で演奏会を締めてくれました。

演奏後は,小松でもサイン会を行っていましたが,中高生が沢山列に並んでおり,どこかのどかな雰囲気がありました。昨晩の石川県立音楽堂の方も充実した演奏だったと思いますが,小松の「ふだん着風」定期公演もなかなかいい感じだなと思いました。機会があれば,また聞きに来たいと思います。

2012/05/24

OEK室内オペラシリーズ,今年はパーセルの「ディド&エネアス」とバッハの「コーヒーカンタータ」の2本立て。7月7~8日 #oekjp

石川県立邦楽ホールで毎年行われている,OEK室内オペラシリーズですが,今年は,パーセルの「ディド&エネアス」とバッハの「コーヒーカンタータ」 の2本立てで,7月7日と8日に2日連続で行われます。

バロック時代のオペラが上演されるのは,数年前の「オルフェオ」以来です。バッハの「コーヒー・カンタータ」の方はオペラではありませんが,「ほとんどオペラのようなもの」といった演劇的な作品なので,どういう形で上演されるのかも楽しみです。

登場する歌手は,地元でお馴染みの方が中心ですが,オルフェオの時以来となる牧野正人さんも登場します。
チラシによると,SS席では「コーヒー付き」と書いてありますが,これもなかなか洒落ています。

今年度の「OEK室内楽シリーズ:もっとカンタービレ」シリーズは入場料が値上り。ただし,内容は充実 #oekjp

今年度のOEK室内楽シリーズ「もっとカンタービレ」の金額ですが,昨年度までよりは,値上りしていますのでご注意ください。昨年までは6回券=6000円でしたが,今年は6回券=9000円となっています。1回ごとの金額は2000円です。

ただし,それに比例するように内容が充実していると思います。OEKメンバー以外のアーティストが多数参加していますので,2000円でも「十分安い」のではないかと思います。

5月31日の宮川彬良さん,8月21日のIMA講師(神尾真由子さんも登場),10月30日の「兵士の物語」の風李一成さん,2月24日のエコール・ドゥ・ハナヨ・バレエ,そして,3月4日のエンリコ・オノフリさん。12月19日だけはOEK単独ですが,それ以外は外部アーティストが続々登場します。

なお,8月21日のIMA講師陣による室内楽公演は,メンデルスゾーンの八重奏曲とシューベルトの「ます」の組み合わせで,邦楽ホールで行われます。個人的に,八重奏曲が特に楽しみです。

2012/05/13

#lfjk 明けのOEK定期公演は 大人向け「ピーターとおおかみ」 #LFJtokyoの再現でマヒルちゃん登場!大人のための音楽講座「もう一人のピーター」では音楽の可能性を色々考えました。#oekjp

ラ・フォル・ジュルネ金沢が終わってまだ1週間ほどですが,OEKの定期公演が再開しました。さすがに「ラ・フォル・ジュルネ疲れ」ということで,お客さんの数はそれほど多くなかったのですが,ラ・フォル・ジュルネ東京で「朝一」で演奏されて,いろいろと話題になった,井上道義さんの指揮+語り+演技による「ピーターとおおかみ」が演奏されました。演出等はそのまま同じだと思いますが,今回のお客さんの層を見て,いくらか「大人向け」の語りになっていたようです。

それにしても井上さんはすごいですね。指揮しながらナレーションというのは,何とかなりそうな気はしますが,さらに演技もしていました。トレーナーを着たり,脱いだりして,ピーターになったり,おおかみになったり,おじいさんになったり...。「おおかみが動物園に入っておしまいで良いのか?」という問題点を残しながらも,爽やかに終わりました。

そして,エンディングでは,おおかみに丸飲みされたアヒルがリアル・アヒルになって登場しました。いかにも賢そう(?)なアヒルは,東京公演同様,井上さんが自宅で飼われているマヒルちゃんです。演奏中ずっと指揮台付近のかごの中に大人しく潜んでいました。

衣装等は次のブログと同様でした。北陸朝日放送が収録していたそうなので,石川県内でそのうち放送されるのではないかと思います。
http://www.lfj.jp/lfj_report/2012/05/post-816.php

後半は,ぐっと大人の雰囲気になり,バッハの音楽のささげものの中の3声のリチェルカーレが鈴木隆太さんのオルガンによって演奏された後,ウェーベルン編曲版で6声のリチェルカーレがOEKによって演奏されました。音楽は感情を描くだけではなく,素材を組み立て,建築物のように立派なものを作る面白さもあるということをアピールしたかったのだと思います。

そして,最後に鈴木隆太さんの編曲による「もう一人のピーター」が演奏されました。英語のタイトルが「Peter, after the deam”ということで,前半,「ピーターとおおかみ」を指揮した井上さんが朝,目を覚ましてみると色々と状況が変わっていました...という感じで曲が進んで行きました。正直なところ,よく分からない部分もあったのです(今からじっくり考えてみようと思います),基本的に「朝」「鳥」「ネコ」など,「ピーターとおおかみ」に出てくる素材に別のクラシック音楽をまじえて,雑多な味わいにするといった曲でした。次々と曲が出てきたので,その曲が何なのかを探す楽しみがありました(個人的に「ネコ」と「タコ」の合わせ技が気に入りました)。

途中「おおかみ」のテーマが,いきなり乱入してきた女子中学生のリコーダー重奏によって演奏される,という場面が出てきました。ここでは,金沢市立北鳴中学校の皆さんが,怖いはずのテーマを素朴に演奏して,井上さんをからかっていました。この「おおかみ」のテーマは,鈴木さんのオルガンでは恐ろしげに演奏され(「オペラ座の怪人」風?),音楽堂の中はますます混とんとしてきました。

その後は井上さんのトークが入って,少し「音楽教室」風になりました。ちょっとこの辺のつながりが分かりにくかったのですが,「音楽では戦いでも何でも表現できてしまう。本当に戦わないくても良い」といったことを伝えたかったのではないかと思いました。最後は,平和な音楽として「美しく青きドナウ」のエンディングがすっきり演奏しておしまいとなりました。

途中,OEKメンバーが全員マスクをして現れたり(これは,ラ・フォル・ジュルネ金沢のクロージングコンサートで演奏された「仮面舞踏会」が伏線になっていた?),音楽を素材として,色々なことを考えてもらおうという趣向だったようです。

いずれにしても,前半も後半もしゃべり通りだった井上さんの「音楽に対する熱さ」がしっかり伝わってくる公演でした。今から自分自身,あれこれ考えてみようと思いました。

2012/05/05

ラ・フォル・ジュルネ金沢2012最終日。今日は「オーケストラの日」。同志社交響楽団、京都市交響楽団、OEKでチャイコフスキー、ムソルグスキー、小曽根さんとのショスタコを堪能。クロージングコンサートもすっかり市民に解け込みました。 #lfjk

ラ・フォル・ジュルネ金沢2012も、恒例のクロージングコンサートで終わってしまいました。

このクロージングコンサートは、昨年は井上道義さんとOEKは出演しなかったのでが、やはり、OEKが登場する方が盛り上がります。ステージを取り囲むように客席があるステージですので、”年に1度、OEKとファンが一体になれる場”として期待&定着してきているのではないかと思います。井上さんは「ラ・フォル・ジュルネ金沢の特徴は何ですか?」と尋ねられたとき、「OEKがあることです」と答えていましたが、まさにそのとおりで、こういうエンディングのあるラ・フォル・ジュルネは、金沢だけだと思います。

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クロージングコンサート開演前の交流ホール。明日の新聞や公式サイトには良い写真が沢山掲載されることでしょう。

今年はメゾ・ソプラノのミリヤーナ・ニコリッチさんやカピタン・ロシア民族アンサンブルも登場し、「熱狂のお祭り」を楽しく振り返ることができました。特にニコリッチさんの歌は素晴らしかったですね。間近で聞くと「本物の声」を実感できました。秋にOEKとの上演する「カルメン」のPRを兼ねてハバネラが歌われたのですが、井上さん、コンサートマスターのブレンディスさん(井上さんと似たタイプ?ですが)をはじめ、お客さんまで次々と誘惑をしていき、大いに盛り上がりました。

最後に演奏された「1812年」では、テクノロジー(シンセサイザードラム?)を駆使して、大砲と鐘を実現し、さらにエンディングでは、金沢大学フィルの金管部隊がバンダで加わり、交流ホールはさらに盛り上がりました。その他、OEK合唱団も登場したし、今年のクロージングコンサートは、これまででいちばん充実した内容だったように思いました。

日中のコンサートの方ですが、次のとおり、コンサートホールで行われた公演を全部聞いてしまいました。

・現田茂夫指揮同志社交響楽団によるチャイコフスキーの5番
・大友直人指揮OEKによる「火の鳥」他
・大友直人指揮京都市交響楽団によるチャイコフスキー3大バレエセレクション
・井上道義指揮OEK+小曽根真、ロマン・ルルーによるショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番他
・井上道義指揮京都市交響楽団による「展覧会の絵」他

これだけ1日で聞ければ大満足という内容でした。特に印象に残ったのは、京都市交響楽団の素晴らしさです。どの曲もスカッとした響きを聞かせてくれました。「展覧会の絵」でのトランペットなど、本当に素晴らしい音&技巧でした。

OEKが過去何回も演奏している、ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番も小曽根さんとの共演で、さらにノリの良いものになっていました。途中、一瞬ジャズ風になったりしていましたが、もとからこういう曲かも、と思わせるぐらい、ピタリとはまっていました。この公演では、ラ・フォル・ジュルネ金沢名物の「ステージキャスト席」も登場し、お祭りムード最高潮という感じになっていました。

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開場時間が遅れたこともあり、音楽堂入口はすごいことになっていました。

クロージングコンサート前の、ジャン=クロード・ペヌティエさんによる「スクリャービン最後のリサイタル」は、演奏時間が1時間以上もあったこともあり、さすがに疲れましたが、今日1日を振り返ってみると、演奏会を聞けば聞くほど、元気が出てくるようなステージの連続でした。

今年のラ・フォル・ジュルネ金沢もこれで終わりましたが、さらに金沢市民への定着度が高まった実感を持ちました。井上道義さんとオーケストラ・アンサンブル金沢、そして、スタッフの皆様には心から感謝をしたいと思います。

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音楽祭終了後の音楽堂入口。名残を惜しむ人が大勢いました。「1812年」を聞いたせいか、花火の後のような感じもしました。

2012/05/04

ラ・フォル・ジュルネ金沢2012本公演2日目.ポゴレリッチは圧倒的存在感で独自の世界(スケジュールは10分遅れに).四手版「春の祭典」byヒジャーク姉妹も期待通り.郡山高校合唱部もじっくり聞かせてくれました #lfjk

雨の中,ラ・フォル・ジュルネ金沢2012の本公演2日目を聞いてきました。過去5年間,終わった途端雨になったことはありますが,これだけ1日雨が降っていたのは,LFJK史上初めてかもしれません。しかもかなり寒かったですね。

しかし,石川県立音楽堂は今日も多くのお客さんで賑わっていました。音楽堂の公演で完売になったものはなかったようですが,個人的には「当日,ふらっと出かけても聞けるラ・フォル・ジュルネ」ぐらいで良いと思っているので,「ほとんど完売」がベストではないかと思っています。

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さて,今日の目玉は,何と言ってもピアノのイーヴォ・ポゴレリッチでしょう。珍しく1階のかなり前の方の席を取ってしまったのですが,その存在感に圧倒され通しでした。予想通り,非常に遅いテンポで演奏しており,急遽追加で演奏することになったショパンのノクターン(掲示されていたop.9-2ではない,別の曲が演奏されました。何番だったのでしょうか?)は,あまりにも遅いので何かラフマニノフの前奏曲などを聞いているように感じてしまいました。ラフマニノフも非常に遅いテンポで,硬質のクリアなタッチで演奏されていたので,巨大なオブジェをステージ上にずしっと呈示されたような感じでした。テンポが遅いので,音楽の流れがよく分からず,「一体,今は何時?」「一体何の曲を演奏をしている?」という感じになっていましました。ただし,ラフマニノフの最終楽章やイスラメイなどでは,凄まじいタッチで演奏をしていました。

正直なところ,ポゴレリッチだけにしか許されない演奏で,その点で賛否が分かれる演奏だったと思います。また,「大きなものを近くで見過ぎた」という感じで,曲の全体像がつかみきれないように感じてしまいました。というわけで,かなり疲れてしまいました。

その後,邦楽ホールに移動し,プラメナ・マンゴーヴァのピアノを聞いてきました(ちなみに,ポゴレリッチの影響で,以後,音楽堂の公演は全部10分遅れになってしまいました)。このマンゴーヴァさんの演奏ですが,ポゴレリッチを聞いた後だと,音楽が自然に流れるので,非常に気持ち良く聞くことができました。ショスタコーヴィチの24の前奏曲の抜粋など,どの曲も楽しめました。

この日は,オーケストラの公演は,山田和樹さん指揮OEKの公演だけしか聞かなかったのですが,昨日聞いた,二つのフル編成オーケストラに比べても,OEKの充実感は全く劣らないと感じました。スペイン奇想曲など,堂々たる演奏でした。アンリ・ドマルケットさんの透明感のあるチェロも最高でした。

その他,アートホールで聞いたヒジャーク姉妹による「春の祭典」の連弾版,ショーソン・トリオによる「偉大な芸術家の思い出に」など,外せない曲をしっかり楽しむことができました。「春の祭典」の方は,ついついオーケストラの音を探しながら聞いてしまいました。ピアノ自体打楽器的な要素も強く,非常にスカッとした演奏になっていました。

最後にこの日の公演で忘れられなかったのが,交流ホールで「朝一」で聞いた福島県立郡山高校合唱部によるロシア民謡集でした。全部暗譜&ロシア語での歌唱で,ひたむきさが伝わってくる演奏でした。途中,何回かソロも出てきましたが,非常に集中して楽しむことができました。

というわけで,今日も朝から晩までロシア音楽に浸ることができました。明日は最終日,天気がもう少し良くなって欲しいところです。

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お馴染み石川県筝曲連盟による演奏です。筝の音は民族的な音楽に意外によく合いますね。

交流ホールでのクロージングコンサートのポスターも出始めていました。
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トリは「1812年」のようですね。その他,ミリヤーナ・ニコリッチさん,カピタン・ロシア民族アンサンブル&OEK合唱団が登場。「1812年」には,金沢大フィルの応援もあるようです。

2012/05/03

ラ・フォル・ジュルネ金沢2012本公演1日目。なんといっても井上道義/ウラルフィルのショスタコ11番がすごかった。午後からは小雨気味でしたが音楽堂前も盛り上がっていました #lfjk

いよいよラ・フォル・ジュルネ金沢2012の本公演が始まりました。昨年は本公演が2日+αでしたが、今年は丸々3日ということで堪能したいと思います。

天候の方は思ったほど悪くはならず、午前中は晴れ間も見えていましたが、夕方頃からは小雨気味になりました。ただし、これぐらいの天候は全く影響はないようで、例年通り、石川県立音楽堂~JR金沢駅周辺は多くの人で賑わっていました。ただし、今年は鼓門下やその地下でのイベントは行っていませんでした。その分、音楽堂のにぎわいの密度が高くなっていた気がします。

私は12:00以降、コンサートホールと邦楽を往復して過ごしました。今年はフル編成オーケストラが沢山来るので、特にコンサートホールでの演奏に期待しているのですが、今日の公演では、井上道義さん指揮ウラル・フィルによるショスタコーヴィチの交響曲第12番「1917年」が圧倒的な演奏でした。井上さん自身も大満足という演奏だったと思います(終演後の雰囲気から分かりました。)。ショスタコーヴィチの曲については、「曲の裏」を読んだりする楽しみもありますが、この日の演奏では、ウラルフィルのパーカッションを中心とした、破壊力抜群の響きに、「曲の裏」など何も考えずに呑み込まれてしまいました。

お昼に演奏された、庄司紗矢香さんと、おなじくウラルフィルによる、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番も聞きごたえたっぷりでした。この曲は、昨年のOEKの定期公演で聞きそこなった曲だったのですが(ボリス・ベルキンさんが登場した回です)、深さと同時に名技性を楽しめる見事な演奏でした。

西本智実さんが登場した台湾市立響による、チャイコフスキーの「悲愴」は、超満員でした。ただし、演奏の方は、「悲愴」にしては、オーケストラの響きが明るく、「華麗なる悲愴」といった感じでした。第3楽章の後には、予想通り(?)盛大な拍手も入りましたが、「お祭り」の中で聞くには、暗すぎるよりも良いのかな、という気はしました。

最後に聞いた、コロベイニコフさんと台湾市立響によるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番も超満員のお客さんが入っていました。こちらもオーケストラの響きは、明るく感じましたが、ラフマニノフの場合、映画音楽的な部分もありますので、大変心地よく感じました。コロベイニコフさんのピアノについては、圧倒的なスケール感というよりは、第2楽章などの抒情的な部分で、ぐっと内向していくような雰囲気が印象的でした。

それ以外は、邦楽ホールで、LFJKの常連、アンヌ・ケフェレックさんによる小品集、プラジャーク弦楽四重奏団によるチャイコフスキーとボロディンの弦楽四重奏をそれぞれ楽しみました。特にプラジャーク弦楽四重奏団は良かったですね。ちょっとくすんだような響きがあり、聞いていて、何故か、懐かしさを感じてしましました。

交流ホールでやっていた高橋多佳子さんと宮谷理香さんによるデュオ・グレースのステージも半分ほど聞きました。非常に楽しいステージでした。お二人は、何と美しい振り袖姿で演奏されていました。赤い八角形ステージの上で着物を着た女性二人が「剣の舞」を連弾で演奏する、というのはラ・フォル・ジュルネ金沢ならではでしょう(この二人は、新しいLFJK名物になりそう?)。「花のワルツ」では、演奏をしながら、扇子で花びらを散らすパフォーマンスが出てくるなど、お祭り気分を盛り上げてくれるネタも満載でした。ピアノ連弾するだけではなく、トークのやりとりも息がぴったりで、超満員のお客さんも大喜びでした。

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本日の締めは、音楽堂前広場での、カピタン・ロシア民族アンサンブルのパフォーマンスでした。演奏会が全部終わった後、このスペースでダラダラと過ごすのもラ・フォル・ジュルネらしい感じです。今日は寒かったせいか、アンコールはなかったのですが、おなじみのロシア民謡を次々と歌ったり演奏したりして、気分を盛り上げてくれました。
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明日はいよいよポゴレリッチさんが登場しますね。一体、どういう演奏を聞かせてくれるのでしょうか?

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