OEKのCD

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2012/05/25

下野竜也指揮OEK.今回は石川県立音楽堂ではなく小松定期へ。ガボール・タルケヴィさんのトランペットの高貴な音に浸りました。ハイドン,ボッケリーニの交響曲もさすが下野さんという充実感 #oekjp

昨日のOEKの定期公演には行けなかったのですが,何としても聞きたいと思い,今日は車で小松に行って,「小松定期」の方を聞いてきました。登場したのは昨日と同じく,下野竜也さんとベルリン・フィルの首席トランペット奏者のガボール・タルケヴィさんでした。プログラムも同じでした。

こまつ芸術劇場うらら大ホールでOEKを聞くのは初めてのことでしたが,とても音がクリアに聞こえ,「時にはこちらで聞くのも良いかな」と思いました。石川県立音楽堂の邦楽ホールとちょっと似た作りで(ちょうちんもついています),音楽堂ほど残響はありませんが,「歌舞伎仕様」らしく,2階席からでもステージが非常に近く見えるホールです。せっかくなので,2階の桟敷席に座ってみました。靴を脱いで座布団の上に座って,クラシック音楽を聞く,というのは,結構,ハイドン時代の音楽にはぴったりな気もしました。

この日のプログラムは,ボッケリーニの交響曲「悪魔の家」で始まった後,バロック~古典派のトランペット協奏曲が2曲。最後にハイドンの交響曲第55番(「校長先生」というニックネームがついています)で締める構成でした。有名曲はなかったのですが,同時代の音楽がシンメトリカルに並んでおり,OEKらしさがしっかり味わえるプログラムとなっていました。

この日は何と言ってもガボール・タルケヴィさんのトランペットが聞きものでした。両方とも地味目の作品でしたが,タルケヴィさんの音が加わると,音楽の生気がさらに一ランク上に上がる感じで,パッと雰囲気が明るくなりました。タルケヴヴィさんの音は,スカッと耳に飛び込んでくる鮮やかな音色なのですが,全くうるさくはありませんでした。高貴で柔らかな印象を残してくれる素晴らしい演奏でした。この日は地元の吹奏楽部らしい中高生が大勢聞きに来ていましたが,「トランペットの神さま」と感じたのではないかと思います。

協奏曲以外の2曲も地味目の曲でしたが,下野さんの指揮で聞くと非常にしっかりとした音楽として響いていました。ボッケリーニの「悪魔の家」は,岩城宏之さんのエッセーの中に「地下鉄サリン事件の頃,ニュースなどで使われていた曲」として紹介されている曲です。ただし,それほどオドロオドロしくはなく,最終楽章の後半などは,ヴィヴァルディの音楽を思わせるような爽快さがありました。下野さんは,いつもしっかりした響きをオーケストラから引き出してくれるので,切れ味の良さとちょっと重みのある充実感を同時に感じさせてくれました。

最後に演奏されたハイドンの「校長先生」も初めて聞く曲でしたが,こちらの方も慌てず騒がず,実に立派で暖かみのある「校長先生」像を伝えてくれました。このところ,個人的に,やや疲れ気味だったのですが,じっくりと生でハイドンの交響曲を味わうというのは良いものだと改めて感じました。体に染みわたるようなハイドンでした。元気が出てきました。

アンコールは,考えてみれば「この曲しかない」というボッケリーニのメヌエットが演奏されました。たっぷりとリラックスした雰囲気で演奏会を締めてくれました。

演奏後は,小松でもサイン会を行っていましたが,中高生が沢山列に並んでおり,どこかのどかな雰囲気がありました。昨晩の石川県立音楽堂の方も充実した演奏だったと思いますが,小松の「ふだん着風」定期公演もなかなかいい感じだなと思いました。機会があれば,また聞きに来たいと思います。

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