8月のOEK室内楽シリーズもっとカンタービレは,恒例のいしかわミュージックアカデミー講師陣による白熱の室内楽 #oekjp
毎年8月に行われている,いしかわミュージックアカデミー(IMA)も回を重ねて,今年で15回目となります。数年前からはIMA講師陣とOEKメンバーとが共演する「もっとカンタービレ」シリーズも恒例となっています。今回の公演も,15周年に相応しい白熱の演奏でした。
# ちなみに演奏者の皆さんは,全員「15周記念Tシャツ」着用で演奏されていました。24時間テレビのようで(?),結構新鮮でした。
今回はいつもと違い,石川県立音楽堂の邦楽ホールで行われました。このホールは,残響が少なく,弦楽器奏者にとっては,不利なホールですが,今回演奏された2曲とも聞きごたえ十分でした。
最初のシューベルトの「ます」には,IMAと同時期に講習会を行っている文屋充徳さんも参加していました。第1ヴァイオリンの神尾真由子さんの表情豊かな演奏が何と言っても注目でしたが,神尾さんだけが目立つのではなく,主役が入れ替わり立ち替わり登場するような面白さがありました。特にピアノのチュンモ・カンさんのクリアで粒立ちの良い音が素晴らしく,シューベルトの音楽に相応しい流れの良さを作っていました。躍動感のある楽章だけではなく,静かな楽章での,静かな対話にも味わいがありました。
後半はIMA講師陣にOEKの江原さんと丸山さんが加わり,メンデルスゾーンの八重奏曲が演奏されました。この曲は,室内楽のカテゴリーを越えたスケールの大きさがあり,昔から大好きな曲ですが,今回の演奏も大変楽しめる内容でした。丁度,弦楽四重奏を2倍にした編成なのですが,室内楽というよりは弦楽合奏といっても良いような豪華さがありました。
演奏では,第1ヴァイオリンのレジス・パスキエさんの年齢に似合わぬ(?),若々しく,ちょっとやんちゃな感じのする演奏が大変個性的でこの演奏をスリリングなものにしていました。このパスキエさんを中心に,前のめりにテンポを上げていくようなところがあり,曲が進むにつれて白熱していきまいした。第4楽章の最初の部分は,チェロ,ヴィオラ,ヴァイオリン...と低音から順に急速なフレーズを演奏していくのですが,丁度その順に配列しており,視覚的に見ても楽しい演奏になっていました。
この曲は,優雅に演奏しても良いのですが,今回の「熱い・速い・すごい」という感じの演奏を聞いて,「さすが」と思いました。今年のIMAは,例年以上にイベントが多いので,これからしばらく,あれこれ参加してみようと思います。
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