OEKのCD

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ

« 来年の予定です。NHK交響楽団金沢公演(2月2日),サンクトペテルブルク交響楽団金沢公演(4月14日多分),オペラ「天守物語」(1月19日) | トップページ | エミール・タバコフ指揮OEK定期公演。容赦なく強烈でハードボイルドなドヴォルザーク8番に感嘆!コントラバスのカルチェヴァさんはスターの貫録 #oekjp »

2012/10/30

OEK室内楽シリーズもっとカンタービレは,風李一成さんとの「兵士の物語」。人形劇とドラマが一体になった風李版は,素晴らしい説得力!楽しめました #oekjp

OEK室内楽シリーズもっとカンタ―ビレ,今回は金沢を中心に活躍されている俳優の風李一成さんとOEKメンバーによるストラヴィンスキーの「兵士の物語」を中心としたプログラムでした。OEKメンバーによる「兵士の物語」は,以前にも見たことはありますが(そのうち一回は風李さんとの共演でした),今回の人形劇と組み合わせたバージョンは,これまででいちばん楽しめた気がします。

まず,主役の兵士が人形+操作する人で演じられます。ちょうど人形浄瑠璃という感じです(二人羽織のようにも見えます)。セリフの方は,舞台袖に居る二人のナレーターが担当していましたので,形としては人形浄瑠璃風でした。ただし,ナレーションの方は,アニメーションの吹き替え風でした。

この兵士に対する「悪魔」が風李さんです。こちらの方は「吹き替え」ではなく,自分自身で演技をしながらセリフを語ります。この2人の絡み合いが非常にこなれており,まず,大変楽しめました。風李さんのキャラクターは,悪魔的なのですが,かなり[志村けん」的な雰囲気になったり,井上ひさしの劇に出てくるような「言葉遊び風」セリフが次々出てきたり,非常に個性的でした。

今回の脚本自体,風李さんによるものでしたが,恐らく,全体の構成・演出も風李さんによるものだと思います。風李版「兵士の物語」と言っても良い内容だったと思いますが,それが,本当によくこなれており,現代的な寓話としての説得力を強く感じました。

まず,「2つの幸せを得ることはできない」というテーマがしっかりと伝わって来ました。人形が演技することで,かえって思い切った演技になったり,アニメの吹き替え風のセリフが加わることでドラマ性が強調されていました。それに風李さんの怖いもの知らずの強烈な演技が加わることで(後半のトランプをしながら,酔っぱらう場面など面白かったですねぇ),テーマが分かりやすく伝わってきました。

最後の最後の場面,「2つめの幸福」を求めた兵士は,すべての幸福を失い,皆から捨てられてしまいます。この部分では,人形を操作していた人からも捨てられ,人形が床に放置されて全体が終わります。この効果は素晴らしいと思いました。人形劇にした狙いはこの部分にあったのだと思いました。

7人編成によるOEKの演奏も生き生きとしており楽しめました。全体に軽快でリズミカルに演奏されており,ドラマの展開とよくマッチしていました。この曲を実演で聞くのは3回目ですが,風李さん同様に,よくこなれた演奏だったと思います。演奏時間は,恐らく1時間以上かかっていた気がしますが,これまででいちばん楽しめた「兵士の物語」でした。

# この演奏では,久しぶりにクラリネットの遠藤文江さんが出演されていました。

前半はプーランクのホルン,トランペットとトロンボーンのためのソナタとジョリヴェのフルート,ヴィオラとハープのための小組曲が演奏されました。「兵士の物語」の印象を強かったので,プーランクの曲の印象は,吹き飛ばされてしまった感がありますが,ジョリヴェの方は,非常に楽しめました。フルートとヴィオラの音の絶妙のブレンドと,ハープが醸し出す華麗な雰囲気の両方を楽しむことができ,ジョリヴェの音楽の世界に浸ることができました。

今回の公演も,このシリーズらしく,凝ったプログラム+凝った趣向の演奏でした。「兵士の物語」は,今回1回の上演では惜しいぐらいでした。「もっとカンタービレ」シリーズについては,是非,演劇とのコラボなどを含めた今の路線のまま行って欲しいと思います。

« 来年の予定です。NHK交響楽団金沢公演(2月2日),サンクトペテルブルク交響楽団金沢公演(4月14日多分),オペラ「天守物語」(1月19日) | トップページ | エミール・タバコフ指揮OEK定期公演。容赦なく強烈でハードボイルドなドヴォルザーク8番に感嘆!コントラバスのカルチェヴァさんはスターの貫録 #oekjp »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/152606/56007923

この記事へのトラックバック一覧です: OEK室内楽シリーズもっとカンタービレは,風李一成さんとの「兵士の物語」。人形劇とドラマが一体になった風李版は,素晴らしい説得力!楽しめました #oekjp:

« 来年の予定です。NHK交響楽団金沢公演(2月2日),サンクトペテルブルク交響楽団金沢公演(4月14日多分),オペラ「天守物語」(1月19日) | トップページ | エミール・タバコフ指揮OEK定期公演。容赦なく強烈でハードボイルドなドヴォルザーク8番に感嘆!コントラバスのカルチェヴァさんはスターの貫録 #oekjp »

最近のコメント

最近の記事

最近のトラックバック