高関健/OEK 元気の出るベートーヴェンの第2番&カルタ遊び!ハオチェン・チャンのピアノは天才肌の雄弁さ! #oekjp
今晩は,高関健さん指揮によるOEKの定期公演を聞いてきました。高関さんは,現在最も信頼の置ける指揮者の一人だと思います。OEKとも,毎回よく考えられたプログラムでビシっと締まった演奏を聞かせてくれています。今回の公演も,新古典主義的なストラヴィンスキーとラヴェルの作品とベートーヴェンの交響曲第2番を組み合わせる,OEKにぴったりのプログラムでした。高関さんは,いつもキビキビとした音楽を聞かせてくれますが,今回も聞いていて元気が出てくるような演奏の連続でした。
前半はロッシーニの「セビリャの理髪師」序曲とストラヴィンスキーの「カルタ遊び」の組み合わせでしたが,実はこの2曲にはつながりがあります。「カルタ遊び」の中に「セビリャの理髪師」のメロディが引用されているのです。聞いてみて,「なるほど!」と思わせるプログラミングでした。
「カルタ遊び」の方は,OEKが演奏するのは初めてのことだと思いますが,冒頭のトランペットを中心としたファンファーレから非常に明晰で,じっくりと聞かせてくれました。トランプ・ゲームを描写し,曲想が色々と変わるバレエ音楽ということで,実際のバレエも見てみたくなりました。
後半はラヴェルのピアノ協奏曲から始まりました。この曲はOEKが頻繁に演奏している曲ですが,この日のハオチェン・チャンとの共演は,本当に鮮やかな演奏でした。どこか天才的な凄みを感じました。速い部分の天衣無縫な軽やかさ,ゆったりとした部分の音のまろやかな美しさと雄弁さ。OEKもこれに触発されて非常にスリリングな演奏を聞かせてくれました。
演奏会の最後のベートーヴェンの交響曲第2番も大変若々しい演奏でした。高関さんらしく,とても率直で,引き締まった演奏でしたが,締めるばかりではなく,どこか余裕もあり,音楽全体に円熟味のようなものも感じました。OEKの魅力をしっかり引き出した見事な演奏だったと思います。
OEKは,室内オーケストラと思えないほど多彩なプログラムを演奏していますが,やっぱりベートーヴェンが最後に来ると落ち着くなと感じました。さすが高関さんと思わせてくれる,聞きごたえ十分の演奏会でした。
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