OEKのCD

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2012年11月

2012/11/29

遅ればせながらOEKのカルメンを魚津の新川文化ホールで観てきました。歌手のバランスの良さに加え,色々と工夫された演出を楽しみました #oekjp

先週,OEKの定期公演として金沢で上演されたビゼーの歌劇「カルメン」全曲ですが,残念ながら観ることができませんでした。せっかくの公演なので何とかみてやろうと思い,2時間ほど休暇を取って,お隣の富山県魚津市の新川文化ホールまで聞きに行ってきました。

今回のカルメンですが,主要キャストは海外から招聘,合唱団・バレエなどは地元メンバー,オーケストラはOEKという形で,全国5か所を回るというものです。このスタイルは,前回の「椿姫」以来ですが,定着しつつあるのではないでしょうか。

今回の上演の特徴は,アルコア版というセリフ入りの版を使っていた点です(かなり以前,カラヤンがアグネス・バルツァと「カルメン」をレコーディングした時はこの版を使っていたと思います)。歌の部分とセリフの部分が混ざり合う感じで,少しレチタティーヴォのようになるのですが,違和感なく楽しむことができました。音楽の流れに緩急が出来て,ドラマに奥行きが出来ていた気がしました。

もう一つの特徴は,ドラマの設定をスペインではなくフィリピンのマニラにしていた点です。日本人が上演することを意識したもので,合唱団を中心に「現地人」の歌やセリフは日本語になっていました。効果があったかどうかは何とも言えませんが,ちょっと引っかかりのある反体制的な気分は出ていたと思います。

設定をマニラにしていた点は,やや中途半端だったと感じました。日本人が演じる分には,フィリピン人役の方が違和感はないのですが,エスカミーリョは闘牛士だし,第4幕も闘牛場が舞台という設定を変えるわけにはいかないので,そうなるとフィリピンの闘牛場?ということになり,ちょっと訳が分からなくなりました。ただし,舞台セットが抽象的だったので,フィリピン的な感じはそれほどせず,通常のスペインが舞台として観ていても違和感はありませんでした。

今回の演奏ですが,主要な歌手の粒が揃っており,大変バランスが良かったと思いました。

主役カルメンのリナ・シャハムさんは,カルメンのイメージどおりの「美悪女」的雰囲気がありました。ただし,今回カルメン役がミリヤーナ・ニコリッチさんから交替になったのはやはり残念でした。ラ・フォル・ジュルネ金沢のクロージング・コンサートでの圧倒的な迫力を持った歌を間近で楽しんだので,やはりニコリッチさんのカルメンも観たかったですね。

相手役のロザリオ・ラ・スピナさんのホセは,とにかく声が柔らかく,美しかったですね。プログラムには「オーストラリアのパヴァロッティと呼ばれている」と書いてありましたが,スピナさんの体格を思い出して,「なるほど」と思いました。ミカエラ役の小川里美さんは,カルメンと好対照を成す見事な歌を聞かせてくれました。芯の強さを感じさせてくれる歌で終演後,盛大な拍手を受けていました。

OEKの演奏は,井上道義さんの指揮らしく,最初の前奏曲から大変はつらつとしていました。新川文化ホールは石川県立音楽堂よりは一回り小さい感じで,残響はそれほど長くはありませんでしたが,その分音がストーレートに飛び込んできて,カルメンの音楽の持つ躍動感をしっかりと感じることができました。私は2階席の後方で聞いていたのですが,視覚的にも音響的にも全く問題はありませんでしたので,OEKの巡回オペラシリーズにはぴったりのホールだと思いました。

終演時間が10時過ぎになり(児童合唱の子供たちが遅くまで頑張っていました。井上さんが最後に子供たちを讃えていた”気配り”が素晴らしいと思いました),その後,高速で1時間以上運転となると結構疲れてしまいましたが,それ以上に元気をもらえるのがオペラ公演です。関係者の皆さんに感謝をしたいと思います。

2012/11/25

OEK公演情報(アシュケナージ×辻井伸行との共演、クレメラータ・バルティカメンバーとの共演) #oekjp

現在、「カルメン」で巡回公演中のOEKですが、いくつか新しい情報が分かりましたのでお知らせします。

(1)2013年9月 ピアニストの辻井伸行さんと共演します。指揮はウラディーミル・アシュケナージさん。
次のサイトの情報によると、グリーグのピアノ協奏曲とショパンのピアノ協奏曲第2番を演奏します。

http://ints.co.jp/oek2013/index.htm
”日本ツァー”ということですので、金沢公演もあるかもしれません。

(2)クレメラータ・バルティカメンバーとの共演
昨日、石川県立音楽堂から持ってきたチラシによる情報です。
2013年1月14日(月祝)19:00~ 石川県立音楽堂交流ホールで、クレメラータ・バルティカメンバーとOEKメンバーが共演します。...といっても、メンバー表を良く見てみると、おなじみの客演奏者の方ばかりです。プログラムは次のとおり、充実したもので、いろいろな編成の弦楽器による室内楽を堪能できそうです。

出演者:アグネ・ドヴァイカイデ(ヴァイオリン)、ダニイル・グリシン(ヴィオラ)、ダニエリス・ルビナス(コントラバス)

OEKメンバーで出演するのは、ヴォーン・ヒューズ、若松みなみ(ヴァイオリン)、丸山萌音揮(ヴィオラ)、ソンジュン・キム(チェロ)

演奏曲目は次のとおりです。
モーツァルト:弦楽四重奏曲第3番ト長調,K.156
メンデルスゾーン:弦楽五重奏曲第2番変ロ長調,op.87
ロッシーニ:弦楽のためのソナタ第3番ハ長調
モーツァルト:協奏交響曲変ホ長調K.364(弦楽六重層版)
ゲルゴタス:To the skies 独奏ヴァイオリンと弦楽のための

2012/11/24

芸術の秋 ツィメルマンの秋 真のアーティストのすごさを堪能しました。

石川県立音楽堂コンサートホールで行われたクリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタルを聞いてきました。ツィメルマンさんについては、「自分専用のピアノを持ってくる」とか、「調律の様子を公開しない」とか、「プログラムを直前で変更する」とか、「こだわりのピアニスト」という印象を持っていたのですが、石川県立音楽堂でその実演に接して、改めて、真のアーティストのすごさを実感しました。

演奏前に、「無断で録音・録画はしないでください」といった“異例”のアナウンスが入ったので、もっとピリピリとした感じのステージになるのかなと緊張していたのですが、演奏が始まると、神経質な感じはなく、むしろ伸びやかさを感じました。そこがまた、すごいと思いました。

プログラムは、ドビュッシーの版画で始まりました。さりげない一音一音がとてつもなく軽やかで美しく、なんとも言えない浮遊感とあでやかさを感じました。ツィメルマンさんの作る音楽は、既に頭の中で完成してしまっており、それが自然に湧き出て出てくるようでした。

ドビュッシーの前奏曲第1巻は12曲中、半分が抜粋され、順番を変えて演奏されました。こちらも版画と同様の美しく透明感のある演奏でしたが、「沈める寺」などでは、深く透明な水の奥から巨大な建造物が立ちあがってくるような、素晴らしいスケール感を感じさせてくれました。鐘を思わせるような低音の響きは、うるさくなり過ぎることなく、深くたくましい響きを聞かせてくれました。

後半はシマノフスキの前奏曲で始まりました。初めて聞く曲でしたが、どこかショパンの24の前奏曲に連なるようなリリカルな流れの良さがあり、「良い曲だなぁ」と思いました。

最後のブラームスのピアノ・ソナタは、ツィメルマンさんが若い頃からよく取り上げている作品です。一般的になじみの薄い作品ですが、若々しい熱気と、ドイツ音楽らしい、少しゴツゴツしたような感じがしっかりと表現されていました。冒頭の集中力たっぷりのキレの良い音から、全く退屈させずに楽しませてくれました。最終楽章など、ブラームスの若書きの作品らしく、結構、ゴテゴテした感じがありましたが、それがまた熱気につながっていました。ヴィルトーゾピアニストとしてのツィメルマンさんの魅力を実感できた演奏でした。

この日、アンコールはなく、演奏会は、ブラームスの印象のまま熱気を残して終わりました。ツィメルマンさんの実演を聞くのは、1991年以来のことですが、前回は石川厚生年金会館(現本多の森ホール)だったこともあり、今回初めてその素晴らしさを心から堪能できた気がします。個人的には、今回、当初予定されていたドビュッシーの練習曲集が演奏されなかったのは残念でしたが、これは「今後のお楽しみ」ということにしたいと思います。

2012/11/11

12月5日の中嶋彰子×宝生流能×OEKによる夢幻能「月に憑かれたピエロ」専用ブログを発見 #oekjp

11月にOEKはオペラ「カルメン」を上演しますが(残念ながら金沢公演に行けないことが判明。他都市での公演を聞けないか検討中),それと対照的な公演が12月の「月に憑かれたピエロ」(夢幻能版)でしょうか。

その情報を調べていたところ,ソプラノ兼演出の中嶋彰子さんが,この公演専用のブログを作っていることを発見しました。
http://pierrot-lunaire.cocolog-nifty.com/blog/

このブログを読みながら,いろいろな予備知識を頭に入れてみると,楽しさ(それとも怖さ?)が倍増するのではないでしょうか。

次のページのとおり映像によるCMもあるなど,あれこれと気合が入っていますね。
http://www.orchestra-ensemble-kanazawa.jp/concert/2012/12/post_302.html#more

なお,同様の公演は次のとおり,高岡と東京でも行われます。

高岡公演 12月6日(木) 19:00開演(18:30開場) 富山県高岡文化ホール大ホール
東京公演 12月10日(月) 19:00開演(18:15開場) すみだトリフォニーホール大ホール

2012/11/08

鶴見彩ピアノリサイタルで,ベートーヴェンの「熱情」とショパンのピアノ・ソナタ第3番をしっかり聞いてきました。

今晩は金沢市アートホールで行われた鶴見彩ピアノリサイタルを聞いてきました。鶴見さんはOEKと共演したり,IMAのピアノ伴奏を担当したり,カンタさんのチェロと共演したり...金沢を中心に幅広く活躍をされています。ただし,実は,私自身,リサイタルをきちんと聞いたことはありませんでしたので,今回は楽しみに聞きに行きました。

演奏された曲は,ベートーヴェンの「熱情」ソナタとショパンのピアノ・ソナタ第3番という,ピアノのレパートリーの「王道」を行くような2曲でした。特にショパンのピアノ・ソナタ第3番を金沢で生で聞く機会は多くないので,今日はこの曲を目当てに聞きに行くことにしました。

鶴見さんの演奏は,どの曲も「ごまかしのない演奏」で,非常にきっちりと聞かせてくれました。「熱情」の方は全般に速目のテンポで,特に終楽章などは,最初からこんなに速くて大丈夫だろうかというテンポでしたが,最後はさらにテンポアップして鮮やかに聞かせてくれました。重苦しいベートーヴェンというよりは,ピアノの響き自体に明快な率直さを感じましたが,安易に流れるのではなく,ゴツゴツとした感触が残るあたり,ドイツ音楽らしいなと思いました。

ショパンのピアノ・ソナタ第3番の方は,実演で聞くのは久しぶりのことです。ショパンの器楽曲の中では,いちばんの大曲で,個人的に特に好きな作品です。鶴見さんの演奏は,美しく酔わせるというよりは,「熱情」と共通するような,がっちりとしたまとまりの良さを感じました。最終楽章は,ちょっとスリリングなところがありましたが,曲の終わりが近づくにつれて,三段重ねのように華麗さが増していき,ライブならではの聞きごたえがありました。改めて良い曲だと思いました。

この日は,アンコールなしでしたので,トータルの演奏時間はかなり短かったのですが,それでもしっかり充実感が残りました。この日は,天候の悪い平日の夜にも関わらず,お客さんは,よく入っており,鶴見さんのピアノ・リサイタルに注目している人が多いことが分かりました。是非,これからも,この日の演奏会のように,聞きごたえのある作品を正攻法で聞かせて欲しいと思います。

2012/11/01

エミール・タバコフ指揮OEK定期公演。容赦なく強烈でハードボイルドなドヴォルザーク8番に感嘆!コントラバスのカルチェヴァさんはスターの貫録 #oekjp

エミール・タバコフ指揮OEK定期公演を聞いてきました。タバコフさんはブルガリアの指揮者。演奏される曲はドヴォルザーク。ソリストで登場するのはコントラバス...ということで,のどかな田園風景を思わせるノスタルジック演奏会になるかなと思っていたのですが...逆に強烈なインパクトの残る演奏会となりました。

指揮者のタバコフさんは,日本での知名度はそれほど高くはないのですが,全く熱くならずに強靭な音楽を聞かせてくれる,どこかハードボイルドな雰囲気に強く惹かれました。実演は聞いたことはないので憶測で書いていますが,ゲオルク・ショルティとかアンタル・ドラティなどハンガリー系の指揮者に通じるようなソリッドな感じのする音楽を聞かせてくれました。ドヴォルザークの交響曲第8番の演奏の時は,OEKは,低弦を中心にいつもより編成を増強していましたが,非常にスケールの大きな音楽を聞かせてくれました。

指揮者のタバコフさんには,常に全体を見通しているような冷静さがあり,音楽に強烈なアッチェレランドが掛っても乱れるような感じはなく,常に安定感が感じられました。指揮の動作にも無駄がなく,大きく手を広げると,音楽もぐっと大きく広がるような感じで,OEKを自在に操っていました。ドヴォルザークの8番は,美しいメロディが沢山出てきますが,それに溺れることなく,音楽の立派さや強さを際立たせる辺り,本当に素晴らしい指揮者だと感じました。

2曲目はタバコフさん自身が作曲したコントラバス協奏曲が演奏されました。この曲には,冒頭から「おっ」と声が出そうなくらい,ゴツゴツとした感じの強靭さと前衛的な気分がありました。ソリストのマルガリータ・カルチェヴァさんは,OEKの客演首席コントラバス奏者としてすっかりお馴染みの方です。カルチェヴァさんが出演する演奏会では,毎回,そのにこやかで優雅な雰囲気に注目してしまうのですが,今回のようなシリアスな音楽でも確かな技を聞かせてくれました。ただし,独奏楽器としては,やはりコントラバスはやや地味で(音量が少し足りない気がしました),どちらかというと,他の楽器と一体となったような,オーケストラのための協奏曲的な雰囲気があると思いました。

最初に演奏された「売られた花嫁」序曲での,精緻な音の動きも聞きものでした。

この日の公演では,最後に演奏されたアンコール曲も大きな聞きものでした。パーカッションが炸裂する,「何じゃこりゃ」というぐらい強烈なインパクトのある東欧風の曲でした。後で掲示をみると,タバコフさん自身のブルガリアン・ダンスという曲でした(名前からして「アルメニアン・ダンス」を彷彿とさせるので,中高生が吹奏楽で演奏しても盛り上がるかもしれません)。というわけで,記念についつい,受付で売っていたタバコフさんの曲のCDまで買ってしまい,サイン会でサインを頂いてしまいました。

タバコフさんは,マーラーの交響曲全集のCD録音なども残しているとのことですが,是非,再度聞いてみたい指揮者です(OEKでも聞きたいし,大編成オーケストラでも聞いてみたいですね)。只者ではない指揮者だと思いました。

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