OEKのCD

2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
無料ブログはココログ

« 2012年11月11日 - 2012年11月17日 | トップページ | 2012年11月25日 - 2012年12月1日 »

2012年11月18日 - 2012年11月24日

2012/11/24

芸術の秋 ツィメルマンの秋 真のアーティストのすごさを堪能しました。

石川県立音楽堂コンサートホールで行われたクリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタルを聞いてきました。ツィメルマンさんについては、「自分専用のピアノを持ってくる」とか、「調律の様子を公開しない」とか、「プログラムを直前で変更する」とか、「こだわりのピアニスト」という印象を持っていたのですが、石川県立音楽堂でその実演に接して、改めて、真のアーティストのすごさを実感しました。

演奏前に、「無断で録音・録画はしないでください」といった“異例”のアナウンスが入ったので、もっとピリピリとした感じのステージになるのかなと緊張していたのですが、演奏が始まると、神経質な感じはなく、むしろ伸びやかさを感じました。そこがまた、すごいと思いました。

プログラムは、ドビュッシーの版画で始まりました。さりげない一音一音がとてつもなく軽やかで美しく、なんとも言えない浮遊感とあでやかさを感じました。ツィメルマンさんの作る音楽は、既に頭の中で完成してしまっており、それが自然に湧き出て出てくるようでした。

ドビュッシーの前奏曲第1巻は12曲中、半分が抜粋され、順番を変えて演奏されました。こちらも版画と同様の美しく透明感のある演奏でしたが、「沈める寺」などでは、深く透明な水の奥から巨大な建造物が立ちあがってくるような、素晴らしいスケール感を感じさせてくれました。鐘を思わせるような低音の響きは、うるさくなり過ぎることなく、深くたくましい響きを聞かせてくれました。

後半はシマノフスキの前奏曲で始まりました。初めて聞く曲でしたが、どこかショパンの24の前奏曲に連なるようなリリカルな流れの良さがあり、「良い曲だなぁ」と思いました。

最後のブラームスのピアノ・ソナタは、ツィメルマンさんが若い頃からよく取り上げている作品です。一般的になじみの薄い作品ですが、若々しい熱気と、ドイツ音楽らしい、少しゴツゴツしたような感じがしっかりと表現されていました。冒頭の集中力たっぷりのキレの良い音から、全く退屈させずに楽しませてくれました。最終楽章など、ブラームスの若書きの作品らしく、結構、ゴテゴテした感じがありましたが、それがまた熱気につながっていました。ヴィルトーゾピアニストとしてのツィメルマンさんの魅力を実感できた演奏でした。

この日、アンコールはなく、演奏会は、ブラームスの印象のまま熱気を残して終わりました。ツィメルマンさんの実演を聞くのは、1991年以来のことですが、前回は石川厚生年金会館(現本多の森ホール)だったこともあり、今回初めてその素晴らしさを心から堪能できた気がします。個人的には、今回、当初予定されていたドビュッシーの練習曲集が演奏されなかったのは残念でしたが、これは「今後のお楽しみ」ということにしたいと思います。

« 2012年11月11日 - 2012年11月17日 | トップページ | 2012年11月25日 - 2012年12月1日 »

最近のコメント

最近の記事

最近のトラックバック