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2012年2月12日 - 2012年2月18日

2012/02/17

雪の中、メノッティのオペラ「泥棒とオールド・ミス」「電話」の2本立てを観てきました。中島啓江さんは本調子ではありませんでしたが、他に代えがたい存在感!#oekjp

今日の金沢は、夕方から夜にかけて雪模様でした。その中を、メノッティのオペラ「泥棒とオールド・ミス」と「電話」の2本立てを石川県立音楽堂邦楽ホールで観てきました。

OEKによる「室内オペラシリーズ」もすっかり定着してきていますが、今回、メノッティの作品を取り上げたのは、新しい流れです。ブロードウェイの小劇場でヒットし、211回連続で上演されたコメディ・オペラということで、音楽自体も大変分かりやすいものでした。素材的にも演劇に近いものがあり、これまでの「日本のオペラ」路線とは、かなり趣きが違っていました。

今回の注目は、何といっても「泥棒とオールド・ミス」に登場した、中島啓江さんでした。が、開演前に「中島さんは、ここ数日、声帯が不調です。本日はそれを押して出演します。ご了承ください」というアナウンスが入りました。確かに、声は出ていませんでしたが、この役にぴったりといっても良い中島さんのキャラクターは他に代役はあり得ないのではないかと思います。声の不調を押しての出演ということで、終演後は、盛大な拍手が送られていました。

その代りに生彩を放っていたのが、メイド役の石川公美さんの歌でした。ストーリー自体も、最終的には、メイドの方がご主人さまに買ってしまうような展開でしたが、大変、気風の良い気持ちの良い歌を聞かせてくれました。泥棒役の羽渕浩樹さんも2枚目半的役柄を生き生きと演じていました。

この作品を観るのは初めてでしたが、基本的には権力を持つ女性に一泡吹かせてやろう、というストーリーでした。そういう点からすると、中島さんの声に本来備わっているはずの「圧倒的な迫力」というのがなかったため、最後の結末は「かわいそう」という感じを受けてしまいました。

その点で、コメディとして観た場合、やはり期待はずれということになります。その一方、「オールドミス(この言葉は死語に近いですね)」の悲哀のようなものが伝わってきて、普通の演劇としてみた場合は、リアリティが伝わってきました。これはこれで、見ごたえがあると感じました。

メノッティの音楽を聞くのは初めてのことでしたが、生き生きとした音楽の連続で、才気煥発という感じでした。この人の他の作品も是非聞いてみたいものです。その他、脇役にサプライズがあったり(これはレビューの方で紹介しましょう)、非常に立派なセットを使っていたり、洋モノの「室内オペラシリーズ」の第1弾としては大成功だったと思います。

# ややセリフが聞きづらいところはありましたが、オペラの場合、その点については「当たり前」として考えた方が良さそうですね。

前半は、同じメノッティの「電話」が上演されました。こちらは、男女のペアだけが登場する作品で、ディラン&キャサリン的な、ちょっと昔のアメリカの若者の会話劇といった感じがありました。小道具として電話が重要な役割を果たします(タイトルが「電話」なので当然なのですが)。電話に振り回される男性を安藤常光さんが軽妙に演じていました。相手方の木村綾子さんは、電話をしながら歌うようなシーンが多かったのですが、初々しい感じがあり、とても魅力的でした。

今回、中島啓江さんの声が本調子ではなかったのが、少々残念ではありましたが、室内オペラシリーズの新しい可能性を感じさせてくれる有意義な公演だったと思います。是非、この手の作品を今後も発掘していって欲しいと思います。気軽に楽しめるのが何より良い点です。

2012/02/12

ほくでんふれあいコンサート 辻井伸行with金聖響指揮OEKを聞いてきました。辻井さんのピュアな音楽+非常に壮麗な「ジュピター」を楽しんできました。#oekjp

毎年恒例,北陸電力主催のほくでんふれあいコンサート。今年は人気若手ピアニストの辻井伸行さんと金聖響さん指揮OEKの共演でした。プレイガイドでチケットは発売せず,抽選に当たった人だけが,比較的リーズナブルな価格で参加できる演奏会ということで,実は一旦はハズレになったのですが,チケットが「当りすぎた」知り合いからチケットが流れてきて,無事行けることになりました。会場はほぼ満席でした。

最初に「フィガロの結婚」序曲が演奏された後,金聖響さんに手を取られて,辻井さんが登場すると,拍手が一段と大きくなりました。

辻井さんのピアノを生で聞くのは,今回が初めてでした。不純物が全然ないような,大変素直な音楽を聞かせてくれました。タッチに乱雑なところがなく,金聖響さん指揮OEKによる透明度の高い音楽とあわせ,モーツァルトの協奏曲第21番の雰囲気にはぴったりでした。

ただし,これまで映像で見てきた辻井さんの雰囲気からは,ちょっとイメージが違う気がしました。もう少し天真爛漫な伸びやかな音楽を聞かせてくれるのかなと思っていたのですが,かなり内向的な印象を持ちました(いつも聞いている場所よりも後方で聞いていたせいかもしれません)。技術的には,言うことのない演奏なのだと思いますが,どこか,大人になりそうで,なっていないようなナイーブさを感じました。その辺が魅力とも言えるのですが,まだまだ成長過程にあるピアニストなのではないか?と感じました。

アンコール曲では,トルコ行進曲と映画「神様のカルテ」の中の自作曲が演奏されました。

後半は,モーツァルトの「ジュピター」が演奏されました。金聖響さん指揮OEKのモーツァルトといえば,落語版「コシ・ファン・トゥッテ」ぐらいしか聞いたことがありません。交響曲を聞くのは,意外にも初めてのような気がします。が,このコンビならではの聞きごたえのある演奏を聞かせてくれました。

第1楽章,第4楽章とも,かなりどっしりとしたテンポで演奏されていました。弦楽器は,いつもどおり,透明度の高いすっきりとした音を聞かせてくれましたが,全体の構えが大きいので,非常に壮麗でした。両楽章とも繰り返しをしっかり行っており(多分),演奏時間も40分ぐらいはかかっていた気がします。特に最終楽章は,各声部の絡み合いの見通しが良く,重苦しさはないのに,スケール感たっぷりでした。中間の2つの楽章は,反対にやや速めのテンポでしたが,しっかりとエネルギーが満ちており,物足りなさは感じませんでした。

アンコールは,ディベルティメントK138の第2楽章でした。これもこのコンビならではの,精緻で透明感のある演奏でした。聖響さんとOEKによるモーツァルト・シリーズに期待を抱かせてくれるような演奏だったと思います。

PS. この日は,「辻井さん目当て」のお客さんが多かったようで,定期公演の時とはかなり客層が違っているように感じました(拍手のレスポンスが悪く,お客さんの数の割に,拍手の量が少なかったですね。)。逆に言うと,お客さんの層を広げるには絶好のプログラムだったのではないかと思います。

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