今年のOEKニューイヤーコンサートは前半はコルンゴルト,後半はオペレッタ。中嶋彰子さんも吉田浩之さんも絶好調。井上道義さんの「VPOのニューイヤーコンサートより面白い」発言に納得。お馴染みOEKドラ焼き付でした。 #oekjp
今年の初コンサート,井上道義指揮OEKによるニューイヤーコンサートを聞いてきました。ウィーンの音楽を集めたニューイヤーコンサートについては,過去OEKもたびたび取り上げてきましたが,個人的には,「過去最高!」と感じました。OEK25周年の年の最高の幕開けとなりました。井上道義さんも益々元気です。
前半は,コルンゴルトの作品中心。世紀末の匂いとキラキラとした美しさのある独特のコルンゴルトのサウンドを楽しむことができました。11歳の時に書いたという「雪だるま」(時節柄ぴったり),ヴァイオリン協奏曲の2楽章(この楽章だけ切り取って聞くとニューイヤーコンサートにぴったり。ブレンディスさんのソロも絶品!),井上さんの思い出付きの「死の都」の中のアリア...そして,最後のシュトラウシアーナ で後半のシュトラウスにつなげるという見事な選曲でした。
後半は中嶋彰子さんと吉田浩之さんの歌を加えたオペレッタとシュトラウスの音楽を中心とした選曲でした。このお二人ですが,絶好調だったと思います。中嶋さんの声を聞くのは,12月の「月に憑かれたピエロ」以来ですが,娘役から未亡人(?)まで色々なキャラクターをそれぞれにサービス精神たっぷりに楽しませてくれました。中嶋さんの声は,雑なところのないよく練られた声で,本当に安心して聞くことができます。「恋はやさし野辺の花よ」での日本語の歌詞が出てきたときは,思わずゾクっとしました。深みのある美しさは,どの曲にも何とも言えない品格を加えていました。
吉田浩之さんの声は,本当に軽やかで,しかも思う存分のびのびと歌われており,オペレッタにぴったりでした。中嶋さんとのバランスもぴったりで,このコンビで,レハールの「メリー・ウィドウ」やシュトラウスの「こうもり」の全曲などを期待したいものだと思いました(コルンゴルトの「死の都」全曲...というのは難しい?)。
OEKの演奏も,井上”踊りたくて仕方がない”ミッキーの指揮にピッタリで,生き生き,キビキビとした音楽を聞かせてくれました。途中出てきたスッペの「詩人と農夫」序曲を聞くのは本当に久しぶりだったのですが...いいですねぇ。いろいろな曲想が流れよく次々と湧き上がってきて,何も考えずに音楽の楽しさに浸ることができました。
途中井上さんは,「今年のウィーン・フィルのニューイヤーコンサートより良かったでしょ?」と語っていましたが(実は,私はウィーンフィルの放送を見ていないので判断できないのですが),「その通り」と思った方も多かったと思います。ウィーンを強く意識しながらも,マンネリにならず(ドナウもラデツキーもなし),しかも誰もが知っている名曲も楽しませてくれる,という素晴らしいプログラムでした。
アンコールでの「踊る指揮者2人?」も楽しかったし,引退した松井選手への感謝もあったり,終わってみれば,OEKらしさ満載のニューイヤーコンサートでした。堪能しました。
PS. 恒例のOEKどら焼き by たろう は今から堪能させていただきます。
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あけましておめでとうございます。
随分久しぶりにコメント投稿します。管理人hs様の不断のリポートには、本当に感謝いたします。
管理人hs様おっしゃるとおり、今夜のニューイヤーは、私にも曲の一つ一つまで、完璧な満足でした。OEK定期会員でよかった、井上監督ありがとう!です。松井秀樹さんへのリスペクトも、その配慮がとても暖かく、よかったと思います。
私は過日、たまたまつけたテレビでウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを途中から見ました。井上監督おっしゃるとおりに思ったので、思わず大きな拍手をしてしまいました。
コルンゴルトという作曲家も初めて知りました。私などは、今日のような選曲が、OEKの演奏会に求めているひとつの形です。初心者にもベテランファンにも喜ばれると思います。
小生はいつも終演後、友と飲みに走るので、アンケートも書かず、サインもそして今日はどら焼きも?受けずに退場してしまうのですが、お二人の歌も、バイオリン独奏もほんとうによかったです。
今夜の楽しさが、HABのテレビ放送で、もっと知らされることを期待します。
投稿: covariant | 2013/01/08 01:21