OEKのCD

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2013/05/11

OEK 音楽堂室内楽シリーズ第1回は西村雅彦さんの語りと弦楽四重奏で「ベートーヴェンと三人の女たち」と「カルテットーーーク」  これまでにない趣向でとても楽しめました #oekjp

ラ・フォル・ジュルネ金沢が終わったばかりのですが,今年度から始まる「オーケストラ・アンサンブル金沢 音楽堂室内楽シリーズ」の第1回が行われるので聞いてきました。昨年度まで「もっとカンタービレ」シリーズと呼ばれていた,OEKメンバーのプロデュースによる「室内楽シリーズ」が発展的に解消され,今回から「音楽堂室内楽シリーズ」ということになります。

「室内楽を中心とした自由な企画」という点では「もっとカンタービレ」を引き継いでいますが,今回のようにトークを大々的に交えて,コンサートホールで行ったり,邦楽ホールで行ったり,さらに自由度が高くなっているようです。その分,金額が倍ぐらいに上がったのですが(それでも6回の回数券ならば1回あたり2000円程度),スタッフのサポートも増えているようなので,定期公演シリーズが一つ追加されたような感じです。

その第1回が「ベートーヴェンと三人の女たち」というタイトルが付けられたこの公演です。前半は,ベートーヴェン風の衣装を着た:西村さん(やや額の広いベートーヴェンといった感じ)がベートーヴェンの人生について語り,その間に弦楽四重奏でベートーヴェンの音楽が演奏されるという構成でした。

西村さんの語りは「さすが役者」というもので,その語り自体が芸になっていました。弦楽四重奏との取り合わせもぴったりでした。オーケストラだと,その響きに圧倒されるかもしれませんが,弦楽四重奏だと語りも音楽も主役という感じになります。ベートーヴェンの人生を彩った3人の女性へのラブレターを西村さんが読み上げた後に,弦楽四重奏が続くととてもロマンティックが気分になります。弦楽四重奏曲第5番や第15番の1つの楽章が演奏されたりしていましたが,その選曲が素晴らしかったと思います。これを機会にベートーヴェンの弦楽四重奏の世界に踏み込みたいと思った方も多かったのではないかと思います。

最後にラズモフスキー四重奏曲第3番の最終楽章が演奏されて,前半は終わりました。

後半は,「カルテットーーーク!」と名付けられたコーナーで,西村さんとOEKメンバーによるトークを交えて演奏を楽しむ構成でした。このトークがとても自然で,暖かい雰囲気が会場に溢れていました。OEKメンバーだけのトークだとどうしても遠慮があったりするのですが,西村さんが加わることでいつもと違った角度からメンバーの素顔を見せてくれたようなところもありました。西村さんとチェロの大澤さんは,同郷の「幼馴染」ということで,特に楽しいトークを楽しむことができました。

松井直さん,上島淳子さん,石黒靖典さんのトークはこれまであまり聞いたことはなかったのですが,どれも楽しいものでした(が,この公演は明日以降,他都市でも行われるので詳細は後日レビューでお知らせしましょう)。

後半に演奏された曲は,弦楽四重奏ア・ラ・カルトという感じで,ハイドン,ショスタコーヴィチ,ドビュッシー,モーツァルト...と弦楽四重奏の「いいとこ取り」という感じでした。

というわけで,OEKのメンバーの素顔についてもっと知りたいという人,弦楽四重奏を気楽に楽しみたいという人,そしてもちろん西村さんのファン...それぞれ満足できた演奏会だったと思います。

今後,この室内楽シリーズはどのような展開になるのか大いに期待したいと思います。

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