サッカー中継は見ずにOEK音楽堂室内楽シリーズ第2回へ。安永徹さん選曲によるこだわりの室内楽を堪能 #oekjp
今晩は,日本チームのワールドカップ出場を決める試合が中継されていたのですが,「心配しなくても勝つだろう」と勝手に思い込んで,「音楽堂室内楽シリーズ」第2回を聞いてきました。
今回は5月末のOEK定期公演に登場したばかりの安永徹さんがヴァイオリンで登場しました。編成の方は弦楽五重奏,六重奏,管楽八重奏と大き目の弦楽アンサンブルの曲が中心でした。選曲は,安永さんのトークによると,「全部私が選曲しました」ということで,こだわりのプログラムとなりました。
特に前半は大変マニアックなプログラムでした。トゥリーナ/闘牛士の祈り,ブルックナー/インテルメッツォ,ジャン・フランセ/八重奏曲とCDも含めて初めて聞く曲ばかりでした。安永さんは「このプログラムでどれだけお客さんが来てくれるか不安でした」と語っていましたが,その裏には「絶対に楽しめる曲ばかりです」という自信があったのではないかと思います。
交流ホールならではの迫力たっぷりの演奏の連続で,安永さんの思惑どおり,先入観なしに音楽を聞く楽しさを味わうことができました。
各曲ごとに安永さんの解説が入りましたが(管楽器の入るフランセの曲だけは柳浦さんの解説でした),その解説が大変面白く,含蓄に富んだものでした。解説があったのでさらに曲を深く楽しむことができました。
トゥリーナの曲は闘牛士の複雑な心理,ブルックナーの曲では本当に深々とした音楽を楽しませてくれました。フランセの曲は,どこかプーランクの「ぞうのババール」を思わせるようなファンタジーと軽妙さに溢れた曲でした。最後の楽章のウィーンへのオマージュのようなワルツも楽しいものでした。
後半のチャイコフスキー/フィレンツェの思い出の方はかなり有名な曲で,実演でも何回か聞いたことがあります。今回の演奏は安永さんのヴァイオリンを中心にキリっと引き締まった表情が印象的でした。6人の奏者が立体的に絡み合い,色々な音の彩を楽しむことができました。交流ホールは残響が少ないので,エネルギーが溢れすぎ
てややヒステリックに響くような部分もありましたが,最終楽章のエンディング部分など大変若々しく,力に溢れていました。
最後にハイドンの弦楽四重奏の中の1つの楽章がアンコールで演奏されてお開きになりましたが,定期公演同様に充実した音楽を楽しむことができました。ワールドカップサッカーの方も無事出場が決まり(さすが本田さんです),言うことなしの一日でした。
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