珍しく日曜のお昼にランチタイムコンサート@石川県立音楽堂。今回は「青島広志のオルガン講座」でした。
通常は平日のお昼に行われている石川県立音楽堂のランチタイムコンサートですが,今回は日曜日に開催されました。しかも,これまでとちょっと違った切り口で楽器にポイントを絞った企画ということで聞きに行くことにしました。
今回のテーマはオルガンでした。パイプオルガンは石川県立音楽堂コンサートホールの象徴的な存在ですが,きちんと聞く機会はそれほど多くありません。今回は青島広志さんと金沢ではお馴染みのオルガン奏者,黒瀬恵さんのコンビによって,トークと演奏を交えて進められました。
最初に青島さんの演奏で2曲演奏された後,楽器の説明となりました。オルガンという楽器は,建物と一体になっている特注品ばかりなので,恐らく,一つとして同じ楽器はないのではないかと思います。青島さんはピアノがお得意ですので,単純に演奏するだけならば問題はないのですが,やはり音色を作るためのレジスターの操作となると黒瀬さんに頼らざるを得なく,操作をお手伝いしながらの演奏となりました。
音楽堂のパイプオルガンは4段の鍵盤があり,今日は,それぞれトランペット,フルートなど色々な音色を設定してあるという説明があった後,今回特別に用意されたオルガンステージに座っていたお客さんにオルガンの試演をしてもらうコーナーになりました。バイエルなどの曲でもパイプオルガンで聞くと立派に響いており,皆さん感激したのではないかと思います。
その後,黒瀬さんの演奏で,定番中の定番のバッハのトッカータとフーガと小フーガが演奏されました。ただし,今回はちょっと変わった趣向になっており(時間の節約かもしれません),トッカータのフーガの中のトッカータと小フーガを連続的に演奏していました。つまり,「トッカータと小フーガ」ということになります。青島さんの演奏にはどこかせっかちなところがあったのですが(青島さんは鍵盤が押してから音が出るまでのタイミングがピアノと違うと語っていましたが,その影響もあるのかもしれません),黒瀬さんの演奏は,切れ味良く,堂々と聞かせてくれました。
青島さんの即興演奏コーナーでは,オルガンステージのお客さんが適当に言った4つの音をモチーフとして演奏されました。今回は「ソ・ミ・レ・ラ」をもとに演奏していました。演奏も即興的でしたが,レジスターの出し入れの方もかなり激しく,結構刺激的な雰囲気になっていました。
最後は黒瀬さんが鐘の音を模したヴィエルヌの「カリヨン」,お2人の連弾でベートーヴェンの「機械じかけの時計のためのアダージョ」が演奏されました。ベートーヴェンの方は大変珍しいい曲でしたが,ヴァイオリンのためのロマンスを思わせる,とても良い曲でした。
アンコールではオッフェンバックの「天国と地獄」序曲の一部が演奏されました。「「カンカン踊りの部分では手拍子を入れてね」ということで,リラックスした気分でお開きとなりました。
今回はオルガンがテーマでしたが,青島さんは,「世界一受けたい授業」の講師ですので,このパターンで「青島先生の○○講座」シリーズがあっても面白いと思います。ネタは沢山ありそうなので,是非,今後に期待したいと思います。
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