金沢教会オルガン建造10周年記念コンサートでジャン=フィリップ・メルカートさんのオルガンを聞いてきました。柿木畠ではジャズ・ストリートでゴスペルも歌っていました
石川県立音楽堂に「金沢教会のオルガン建造10周年記念コンサート」(無料)というチラシが置いてあったので,秋の連休...といいつつ夏のように暑かった休日の午後にオルガンの演奏を聞いてきました。金沢教会というと分からない方もいるかと思いますが,柿木畠のうつのみや書店の向いにある教会です(次の写真)。
金沢市で音楽イベントがあれば,どこにでも聞きに行っている私ですが,教会というのはやはり敷居が高くこの教会をはじめ,ほとんど中に入ったことはありません(ただし,仏教のお寺も同様です。神社の方は初詣をはじめ,それなりに行っていますね)。こういう音楽イベントがないと一般の人には近づきにくいという面もありますので,その点では,音楽による布教活動には重要なことなのだと思います。
教会に入ってみると,ちょっとした体育館を思わせるぐらいの天井の高い明るく開放的な雰囲気の礼拝堂がありました。牧師さんがお話をするステージ(?)の反対側の上の方にパイプオルガンがあり,今回は礼拝の時とは椅子の向きを逆にして,ちょっと上を見るような感じで音楽を楽しみました。
パイプオルガンについては,石川県立音楽堂のパイプオルガンしか聞いたことがないのですが,まず,音楽堂以外にもこんな立派な楽器が金沢市内にあったんだ,という新鮮が発見がありました。演奏のジャン=フィリップ・メルカートさんは,ベルギー出身のオルガン奏者で,札幌コンサートホールKitaraをはじめ,現在,日本国内でオルガン奏者として活躍されている方です。
チラシを見ただけだと,無料なので1時間ぐらいかな,と思っていたのですが,実際には休憩やアンコールを含めて2時間近くあり,オルガン・リサイタルとして大変充実した内容でした。
この教会は調べてみるとプロテスタントの教会ということで,ステンドグラスなどは無かったのですが,パイプオルガンの音も清々しい感じでした。個人的には,教会といえば,暗い部屋の中にロウソクが灯っているいるという印象があったので(やはりクリスマスの時期の印象でしょうか)),柔らかい外光が差し込む中で聞くオルガンは新鮮でした。
演奏された曲の中では,やはりバッハの曲がいいなと思いました。気高い音楽に触れたという実感を持ちました。後半最初に演奏されたメンデルスゾーンの前奏曲とフーガも良い曲だと思いました。メンデルスゾーンはマタイ受難曲を復活させたことでも有名ですが,オルガンの作品的にもバッハの後継者と言えそうです。曲の途中,音量を変えたり,音質を変えたりするのですが,この日はアシスタントの方が操作を手伝っていました。この辺は音楽堂のオルガンとは違う点かもしれませんが,こういう「手作業の労働」の方が見ていて面白いですね。
途中,「小さい秋みつけた」に基づく即興演奏がありました。この日から金沢市内ではジャズストリートというイベントが始まりましたが,時々外から漏れ聞こえてくるジャズの音を聞きながら,「精神としては意外に近いかも」と思いました。
最後,ヴィドールのオルガン交響曲第6番のフィナーレで華麗に締められました。
演奏会の後,外に出てみると,ジャズストリート関連の音楽を楽しげに演奏していました。この時はゴスペルを歌っていましたが,この異業種交流的な雰囲気も良いなぁと思いました。
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