金沢21世紀美術館で行われたAVANTI!室内アンサンブルの演奏会。北欧の音楽,一柳慧,モーツァルト 独特の現代感覚のある演奏を楽しみました
10月上旬は,金沢21世紀美術館の「誕生月」ということで,「まるびいdeパーティ」と題していろいろとイベントを行うことになっています。その一つとして,Avanti!室内アンサンブルの演奏会が21美内のシアター21で行われたので聞いてきました。
このAvanti!という団体はフィンランドのオーケストラメンバーを中心とする室内アンサンブルで,今回は弦楽四重奏+クラリネット+ピアノという編成でした。
演奏された曲は,カイラ,シベリウス,ユッカ・ティエンス,ラウタバーラ,ノルドグレンといったフィンランドの作曲家の室内楽と器楽曲と一柳慧さんのクラリネット六重奏曲,モーツァルトのクラリネット五重奏曲を組み合わせたもので,大変聞きごたえがありました。
フィンランドの作曲家の作品は,かなりバラエティに富んでいましたが(編成もバラバラでした),どの曲にも静寂で詩的な雰囲気がありました。現代音楽ということでフラジオレットをはじめ特殊奏法がいろいろ出てくるのですが,それがどれも魅力的に感じられました。
シアター21は残響がほとんどないホールで,弦楽器奏者にとっては弾きにくい部分もあると思いますが,慣れてくると,独特の密室感があり(ホール内全部真っ黒なので)音楽に集中できます。現代音楽の場合,音楽に集中できるというのはメリットだと思います。
前半最後と後半最後は,クラリネットのカリ・クーリック(この方がAvanti!の芸術監督です)さんを中心とした六重奏曲と五重奏曲で,それぞれ聞きごたえがありました。クーリックさんのクラリネットは,弦楽メンバーに増して雄弁で,これがクラリネットの音?というような多彩な音楽を聞かせてくれました。この日会場には一柳慧さんも来られていましたが,大満足だったのではないかと思います。
モーツァルトのクラリネット五重奏曲の方はお馴染みの作品ですが,この密室空間で聞くと,独特の暗さがあり,モーツァルト晩年の天上の音楽という感じとは一味違った,独特の味がありました。
アンコールでは,このクーリックさんのクラリネットが,ほとんどジャズのような感じで(恐らくジャズ以上に)自由自在,変幻自在に炸裂する大変楽しい曲が演奏されました。これについては,レビューの方でご紹介しましょう。
21世紀美術館のシアター21は通常のクラシック音楽を聞くには,もう少し残響が欲しいと思うのですが,現代曲だとピタリとはまります。現代美術館(21美)での現代曲の演奏会については,今後も期待したいと思います。
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