OEKのCD

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2013/10/17

石川県立音楽堂室内楽シリーズは,北谷直樹+OEKメンバー。フィリップ・グラス:ヴァイオリン協奏曲第2番「アメリカの四季」では,会場全体がトランス状態(?)に。アビゲイル・ヤングさんの気合い十分のヴァイオリンに感動しました #oekjp

今年度から新装オープンした「音楽堂室内楽シリーズ」の第4回目には,今回がOEKと2回目の共演となるチェンバロ奏者の北谷直樹さんが登場しました。前回登場した時もエキサイティングなバロック音楽の連続だったのですが,今回はさらにパワーアップした感じで,「エキサイティング・バロック」というサブタイトルにも関わらず,1937年生まれのフィリップ・グラスの作品を演奏するなど大変大胆な構成の演奏会となりました。

このグラスによる,ヴァイオリン協奏曲第2番「アメリカの四季」ですが,OEKの演奏史上に残るような凄い演奏だったと思います。ミニマル・ミュージックの手法で書かれた作品ということで,低弦+シンセサイザー(というよりは普通のキーボートのような楽器でした)が刻む同じような音型の繰り返しの上で,アビゲイル・ヤングさんが気合い十分の鮮やかなヴァイオリンを聞かせてくれました。

曲の長さはきちんと計っていなかったのですが,恐らく45分以上はあり,その間,ヤングさんはほとんど休みなく演奏していたのではないかと思います。曲は,タイトルどおり,「四季」を描いているのですが,明確な楽章の区別はなく,ヤングさんのソロのカデンツァ風の部分で季節が区分がされていました。

北谷さんの解説によると,秋,冬,春,夏の順番ということで,「秋入学」のようなサイクルになります。季節によりベースとなるビートの強さが違うのが面白く,最後の「夏」がいちばん強いビートになっていました。この部分を中心に,ヤングさんの取りつかれたような迫力のあるヴァイオリンが素晴らしく,曲の終結部では,会場全体がトランス状態に巻き込まれたような不思議な雰囲気に包まれました。

これはやはり,お客さんと演奏者の距離が非常に近い交流ホールならではの素晴らしさで,バロック音楽風の雰囲気を持ちながらも,現代的な雰囲気ももったグラスの音楽の面白さをしっかりと体感できました。北谷さんの話によると,グラスの音楽に繰り返しが多いのは,仏教の輪廻の思想につながる,とのことです。四季自体,春夏秋冬のサイクルを繰り返しているので,この曲を聞きながら,延々と続く時間の流れの面白さを実感することができました。

というようなわけで,後半が特に凄かったのですが,前半のバロック音楽も大変楽しめました。

今回演奏された作品は,ヴェラチーニ,ヴァレンティーニ,ラモー,ヨハン・クリスティアン・バッハの曲で,一般的によく知られている作曲家の作品がないというのも大胆でした。しかし,曲間での北谷さんの解説によると,非常に綿密に計算されたプログラミングだということが分かりました。選曲の妙を実感できました(この辺はレビューでもう少し詳しく触れたいと思います)。

前半演奏された作品の中では,北谷さん自身「チャライ作品です」と語っていた,ヨハン・クリスティアン・バッハのチェンバロ協奏曲が特に気に入りました。モーツァルトのピアノ協奏曲ととても似た雰囲気なのですが,これは,モーツァルトの方が真似をしたものです。北谷さんのチェンバロは,演奏する喜びにあふれた,軽やかで雄弁なものでした。この作曲家の作品をもっと聞いてみたいなと思わせるような演奏でした。

その他の曲も大変楽しめました。「室内楽シリーズ」にしては大編成でOEKの弦楽セクションの半数ぐらいのメンバーが登場していました。オーボエ,ファゴット,フルートが入る曲もあり,通常の定期公演に近い編成だったと思います。

いずれにしても,今回のプログラムは最後に演奏されたグラスのヴァイオリン協奏曲でのヤングさんの演奏に圧倒されました。北谷さんは,「演奏する権利」が切れるのを待って,満を持して選曲した,とのことです。その狙いどおりの,大当たりの演奏会となりました。

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