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2013年3月3日 - 2013年3月9日

2013/03/06

OEK定期公演にエンリコ・オノフリ(EO)さん登場。大胆で緻密,軽やかで知的なバッハを堪能。OEKがEO風に変貌 #oekjp

先日のOEK室内楽シリーズに続き,エンリコ・オノフリさんがOEKの定期公演に登場しました。前回はヴィヴァルディ特集だったのに対し,今回はバッハ特集でした。演奏された曲は,ブランデンブルク協奏曲第3番,第2番,管弦楽組曲第3番ということで,バッハの有名曲中心のプログラムでした。

ただし,その音楽は,「がっちりした構築感のある音楽」というイメージのあるバッハではなく,非常に軽やかでセンスの良い演奏の連続でした。最初のブランデンブルク協奏曲第3番から,大変軽快でスピード感たっぷりでした。ただし,それが雑になることはなく,オノフリさんらしさがしっかり浸透した,緻密な音楽となっていました。第2楽章(楽譜的には音が2つだけだと思います)での桒形亜樹子さんのチェンバロの自在な雰囲気をはじめ,大変新鮮な演奏となっていました。

次にチェンバロ協奏曲第5番をヴァイオリン協奏曲としたものが演奏されました。この曲も大変魅力的でした。知らない曲かと思っていたのですが,第2楽章は何かの映画音楽で使われている曲ですね。オノフリさんのヴァイオリンのすっきりとした美しさが印象的でした。

前半最後のブランデンブルク第2番は,オノフリさんを含む,4人のソリストの演奏が見事でした。この曲はトランペットの難曲として知られていますが,ガブリエレ・カッソーネさんの音は非常にまろやかで,大変気持ちよく聞くことができました。何よりも素晴らしかったのが,他の楽器とのバランスの良さです。トランペットだけが突出することなく,濱田芳通さんのリコーダー,オノフリさんのヴァイオリン,OEKの水谷さんオーボエがそれぞれ見せ場を作っていました。

後半は唯一,ヴィヴァルディの曲が演奏されました。先日の室内楽シリーズの時も感じたのですが,オノフリさんの演奏でヴィヴァルディを聞くと,とても現代的に響きます。江原さんのヴァイオリン,カンタさんのチェロと一体となって,スリリングで自在な音楽を聞かせてくれました。

最後に管弦楽組曲第3番が演奏されました。トランペット3本が活躍するので,どこか,ヘンデルの王宮の花火の音楽のような雰囲気のある曲です。バロックティンパニの響きと合せて,明るく,祝祭的の気分いっぱいで始まりました。2曲目は,G線上のアリアと知られている「エール」ですが,この日は弦楽五重奏の形で演奏してました。オノフリさん一人で主旋律を演奏していたのですが,それがアドリブ風の音の動きたっぷりの独特の演奏でした。どこか,ゴルトベルク変奏曲のアリアを弦楽五重奏に編曲したような感じに聞こえました。この演奏もとてもセンスの良い演奏でした。その後の3曲はテンポの速い曲が一気に続きます。そのノリの良さも印象的でした。演奏会を締めるのにぴったりの勢いがありました。

オノフリさんは,各曲の結びの部分を「どうだ!」という感じで念を押すようなことをせず,わざと肩透かしをするように軽く絞めていました。大胆さとセンスの良さを同時に感じさせてくれる演奏の連続で,音楽堂の中はすっかりオノフリさんらしさに満たされました。Enrico Onofri風OEKといったところでしょうか。前回の室内楽公演と合せ,オノフリさんの求心力のすごさを実感できた1週間でした。機会があれば,EOさんには,是非OEKに再度客演して欲しいと思います。

2013/03/04

エンリコ・オノフリ ウィーク@金沢 今日はヴィヴァルディ特集。緻密でスリリングで知的な演奏の連続。素晴らしかったです。#oekjp

先週はマルク・ミンコフスキさんが石川県立音楽堂に登録しましたが,今週はエンリコ・オノフリさんが音楽堂で2回公演を行います。今日は「もっとカンタービレ」シリーズとして,エンリコ・オノフリさんのヴァイオリンを中心とする室内楽公演が交流ホールで行われました。演奏された曲はすべてヴィヴァルディの作品でした。

ヴィヴァルディと言えば「似たような作品ばかり」という先入観を持っていたのですが,今回演奏された曲については,1曲ごとに違った印象を持ちました(ただし,後から振り返るとなかなか思い出せないのですが...)。オノフリさんのヴァイオリンは,緻密さを感じさせる細身の音で,「たっぷりとした歌に溢れたイタリア」というイメージとは全く違うものでした。どの部分をとっても,知性とセンスの良さを感じさせてくれました。それでいて冷たい感触はなく,ヴィヴァルディの音楽に対する熱意を感じました。非常に集中してヴィヴァルディの音楽を楽しむことができました。

今回のプログラムは,オノフリさんのヴァイオリンと通奏低音によるソナタを核として,色々な編成の協奏曲を演奏するというものでした。前半はフルート,オーボエ,ファゴットを加えた編成,後半は弦楽器のみで演奏されましたが,1曲ごとに違った世界を感じさせてくれました。

前半の曲については,それほど激しい印象はなく,精巧な工芸品を愛でるような雰囲気があり,良い意味で期待を裏切られました。後半の終盤からアンコール(3曲も演奏されました)に掛けては,どんどんスリリングな演奏になり,OEKがイル・ジャルディーノ・アルモニコに変貌したような新鮮な演奏の連続になりました。

オノフリさんのヴァイオリンには,どこかギドン・クレーメルの演奏を思わせるようなところがありました。たっぷりとした音量で圧倒するのではなく,少々エキセントリックだけれども,人を引きつけるようなオーラがあり,演奏に集中させてくれます(足を浮かしたような感じで演奏するスタイルもクレーメルに似ているかもしれません)。このオーラは,OEKメンバー全体にも伝わっており,密度の高い演奏の連続となっていました。

近年オノフリさんは,指揮者としての活動もされていますが(3月6日のOEKの定期公演にも登場しますね),そのことが分かる気がしました。どの曲についても,オノフリさんが持っているイメージが,しっかりと形となって表れているようでした。その結果として,BGMとして聞き流すことのできないような,音楽の力を感じさせるような演奏の連続となっていました。

ただし,これはヴィヴァルディの作品の力にもよるのかもしれません。ハイドンの交響曲に駄作がないのと同様,ヴィヴァルディの曲も,実は名曲の宝庫なのかも?と再認識させてくれるような演奏会になりました。OEKメンバーは,オノフリさんの演奏にしっかりと合わせ,丁々発止のやり取りをしていましたが,今回の共演を通じて,大きな刺激を得ることができたのではないかと思います。3月6日のコンサートホールでの演奏会(今度はバッハ中心)も非常に楽しみになってきました。

PS.オノフリさんはヴァイオリンに白いマフラーをつけ,その先端を首に巻いて演奏していました。これがトレードマークになっているようですね。ただし,オノフリさんは,ヴァイオリンをアゴにほとんど付けずに演奏していましたので,このマフラーはヴァイオリンを安定させるための実用品としても役立っているのではないか,と思いました。

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