OEKのCD

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2013年1月13日 - 2013年1月19日

2013/01/19

OEKオペラ「天守物語」は,キャラクターも音楽も非常に多彩。鏡花と現代音楽が融合して素晴らしいエンターテインメントに!傑作だと思います。#opejp

金沢出身の作家泉鏡花原作の戯曲を水野修孝さんがオペラ化 した「天守物語」を金沢歌劇座で見てきました。鏡花作品のオペラを観るのは昨年度の「高野聖」以来です。今回の「天守物語」は既に定評の高い作品ですが,今回初めて見て,「その通り」と思いました。

鏡花の原作自体,化け物系のキャラクターが次々出てくるのですが,そのどれもが生き生きとしていました。歌舞伎の荒事風の朱の盤坊,ゲゲゲの鬼太郎とかジブリのアニメなどに出てきそうな舌長姥など,イメージどおりでした。その後, ソプラノの佐藤美枝子が演じる亀姫(これも化け物系ですね)が登場し, 腰越満美さん演じる,主役の天守夫人と二重唱を歌います。ソプラノ2人の重唱というのは珍しいのですが,鞠を突きながら絡むシーンなど,非常に怪しい美しさがあり,陶酔感たっぷりでした。ステージ前景で騒いでいる朱の盤とのコントラストも非常に効果的でした。

この日は,石川県出身の鳥木弥生さんも奥女中 薄役で登場していました。この役は前半も後半も登場し,しかも比較的「まとも」なキャラクターだったので,オペラ全体のストーリーの軸の一つになっていたと思いました。

この日のセットや照明も効果的で,ステージ奥の高くなっている部分の戸が静かに開くとそこにお姫さまがスッと立っていたり,「美しい化け物」気分満載でした。

前半はこの2人の姫が天守の最上階で出会う話なのですが,後半は全く別の話になり,化け物のいる最上階に上ってきた勇気ある美青年,姫川図書之助と天守姫の物語になります。図書之介役の中鉢聡さんと腰超さんの組み合わせはぴったりでした。失明した2人が最後の最後の部分で歌う愛の重唱は「光」に満ちており,オペラ全体のクライマックスを築いていました。この部分は,音楽の方は,不協和音たっぷりの強烈な「現代音楽」で,映画「2001年宇宙の旅」の最後部分(ここも光を感じさせるような部分ですね)のような感じになります。その中から2人の声が突き抜けてくるのは,感動的でした。そこに金色の紙吹雪が降ってきて,今度は甘い音楽へと変わって行きます。山下一史さん指揮OEKの演奏は実に表情豊かで,力に満ちていました。

ストーリーの方は,「最後に愛は勝つ」というパターンなのですが,音楽自体がすべてを語っており,納得のエンディングでした。この作品については,和太鼓などの邦楽器が活躍する部分があったり,児童合唱によるわらべ歌が出てきたり,大人の合唱が怪しい気分を盛り上げたり,ちょっとジャズっぽい気分になったり,非常に多彩な音楽が使われていました。水野さんの音楽を聞くのは初めてだったのですが,その音楽の素晴らしさに圧倒されました。何よりもキャラクターやストーリーの多彩さにぴったりの音楽で,見ていてワクワクするような作品になっていたと思います。

実は,原作では最後の最後の部分で,いきなりあるキャラクターが初登場し,鮮やかに締める形になっているのですが,この部分については,かなり設定を変えていました。このキャラクターが無くても音楽だけで納得という感じだったと思います。

これで,2年連続で鏡花作品のオペラを見たことになるのですが,どちらも純粋にエンターテインメントとして楽しむことができました。特に今回の「天守物語」は,日本のオペラの定番として定着していって欲しいものです。来年は,是非,鏡花シリーズ3作目に期待したいと思います。

2013/01/14

Kremerata meets OEK。弦楽六重奏版のモーツァルト:協奏交響曲では,強力ツートップをOEKメンバーがサポートする白熱の室内楽に。多彩なプログラムも聞きごたえ十分 #oekjp

3連休の最終日の夜...ということで少し出かけにくい時間帯だったのですが, OEKのエキストラ奏者として頻繁に定期公演等の公演に参加しているクレメラータ・バルティカ(KB)の弦楽メンバーがOEKの弦楽メンバーと共演する室内楽公演が行われたので出かけてきました。雰囲気としては,「もっとカンタービレ」シリーズの追加公演のような感じで,OEKのヴァイオリン奏者のヴォーン・ヒューズさん主催となっていました。

今回登場したのは,KB+OEKの合計7名で,5曲が演奏されましたが,曲ごとに編成が異なり,四重奏,五重奏,六重奏。七重奏が並ぶ面白いプログラムの演奏会となりました。

演奏された曲の中では,KBメンバーが加わった メンデルスゾーン:弦楽五重奏曲第2番とモーツァルト:協奏交響曲変ホ長調K.364(弦楽六重奏版)が素晴らしい演奏でした。特に協奏交響曲の方は,アグネ・ドヴァイカイデ(ヴァイオリン)さん、ダニイル・グリシン(ヴィオラ)さんの強力ツートップの迫力のあるソロに若手を中心としたOEKメンバーがしっかりと喰らいついていくような演奏で,楽章が進むにつ入れて白熱していくようなライブならではの演奏でした。この曲については,優雅なイメージを持っていたのですが,交流ホールで聞いたこともあり,オーケストラ伴奏版で聞く以上の迫力があった気がしました。特にヴィオラのグリシンさんは,見た目どおりの迫力でした。ヴィオラらしからぬ(?)非常に輝かしい音を聞かせてくれました。

前半に演奏されたメンデルスゾーンの五重奏曲も大変聞きごたえがありました。有名な弦楽八重奏曲を思わせるところのある第1楽章も良かったのですが,底知れぬ深みを感じさせてくれた第3楽章が何と言っても感動的でした。メンデルスゾーンの室内楽というのは,もっと注目されても良いのではないかと思わせる素晴らしい演奏でした。

その他,OEKのメンバーが中心となった,ロッシーニの弦楽のためのソナタ第3番,モーツァルト:弦楽四重奏曲第3番もそれぞれ良い演奏でした。が,KBメンバーが加わった各曲の柄の大きさに比べると少しインパクトが弱かったかもしれません。

もう1曲 ゲルゴタスという作曲家のTo the skies という曲も演奏されました。とても短い曲でしたが,ヴァイオリンとヴィオラ奏者が順番に一人ずつソロを回していく独特の曲で,どこか詩的な印象を残してくれました。人の声が一人ずつ違うように,各奏者の楽器の音もそれぞれ違っていたのがとても面白く感じました。

最後にアンコールで演奏された曲も,KBらしい選曲でした。とても気持ちの良い音が繰り返されるような曲で,「誰の曲だろう?」と思って聞いていたのですが,出口に貼ってあった掲示によるとマイケル・ナイマンの作品とのことでした。なるほどと納得しました。

この日の公演は,OEKメンバーも会場で聞いていたり,全体にとても暖かい雰囲気がありました。KBとOEKの交流もすっかり定着していますが,今回のような室内楽レベルでの合同公演を今後も期待したいと思います(もちろんKB全体の演奏も聞いてみたいですが)。まずは,主催者のヒューズさんに拍手を送りたいと思います。

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