OEKのCD

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2013年2月24日 - 2013年3月2日

2013/03/02

第10回学生オーケストラ&オーケストラ・アンサンブル金沢 合同公演カレッジ・コンサート 120人編成での「悲愴」の響きは爽快。北欧音楽特集のOEKの演奏も魅力的でした。#oekjp

この時期恒例の,OEKと大学オーケストラの選抜メンバーが共演する,カレッジコンサートを聞いてきました。今回の指揮者は,学生並に若い指揮者の松井慶太さんで,金沢大学フィルハーモニー管弦楽団,金沢工業大学室内管弦楽団,富山大学フィルハーモニー管弦楽団の選抜メンバーと共演しました。富山大学のオーケストラがこのコンサートに出演するのは今回が初めてです。

演奏会は前半最初に,OEKメンバーが首席奏者になった形でシュトラウスの皇帝円舞曲が演奏された後,OEKのみで,グリーグとシベリウスの作品が演奏され,後半のメインプログラムとして,学生側が首席奏者となる形で,チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」が演奏されました。

ホールに入ってみると,ステージ上には椅子がぎっしり。今回は120人ぐらいの編成だったようです。この編成で聞く,皇帝円舞曲には,そのネーミングに相応しい華やかさがありました。全体にワルツとしてはちょっと真面目過ぎる感じがしましたが,若々しい清潔感がありました。松井さんは,非常に長身の指揮者で,とても明快な指揮ぶりで,安心感を感じさせてくれました。

その後,学生オーケストラは引っ込み,OEKのみでグリーグとシベリウスによる,弦楽を主体とした作品が4曲演奏されました。1曲目と比較してみると,編成は小さくなったのですが,やはりOEKの音は引き締まった音だなぁと感じました。北欧ならではの,ちょっとメランコリックな感じの曲が並んでいたのも良かったですね。徐々に,後半の「悲愴」へとつながっていく感じでした。

メインの「悲愴」は,冒頭のファゴットのソロが実に堂々としていて,大船に乗った安心感で聞くことができました。松井さんのテンポ設定は,全体にたっぷりとした感じで,学生オーケストラものびのびと演奏できたのではないかと思います。第1楽章では,展開部でのブラスの咆哮が気持ちよかったですね。こういう部分を聞くと,若い人たちの演奏は良いなぁと思います。

第3楽章のスケルツォ風の行進曲の部分は,全体的に安全運転という感じで,もう少し派手に爆発して欲しい気がしました。その中でさすがと思ったのが,OEKの渡邉さんのシンバルでした。喝を入れるような鮮やかさでした。

第4楽章は,3楽章の後に拍手が入るのを警戒するように,ほとんどインターバルなしで始まりました。この楽章では,弦楽合奏の鮮烈さ,ドラマを秘めた歌わせ方が印象的でした。

全体としては,重くドロドロとした感じはなかったのですが,学生らしいひたむきさや爽快感が伝わってきて,しっかり楽しむことができました。何よりも,年に1回,これぐらいの大編成で聞けるのがOEKファンとしても嬉しいことです。今回から富山大学が加わりましたが,来年以降の展開も楽しみにしたいと思います。

2013/02/26

OEK定期公演。OEKは登場せず,マルク・ミンコフスキ指揮レ・ミュジシャン・ドゥ・ルーヴル・グルノーブが登場。あの手この手で楽しませてくれました。

昨年の7月,OEKの定期公演に登場したマルク・ミンコフスキさんが今度は手兵のレ・ミュジシャン・ドゥ・ルーヴル・グルノーブとともにOEKの定期公演に登場しました。

この日のプログラムは,前半がシューベルトの「未完成」,後半がモーツァルトのミサ曲ハ短調(これも未完成)ということで,「未完成」の曲を組み合わせていたのですが,毎回,いきなりプログラムを変えてしまうのがミンコフスキさんです。「未完成」の前に,まず,グルック作曲,ワーグナー編曲による序曲が演奏されました。

続いて「未完成」が演奏されましたが,この日の編成は古楽オーケストラとしては,かなり大きめの編成だったこともあり,独特のサウンドを楽しむことができました。古楽器というとノンヴィブラートで軽やかという印象があるのですが,このオーケストラからは,何とも言えない音の暖かみを感じました。ミンコフスキさんの作る音楽は,特に弱音になると,ちょっと不思議で魅力的な表情になります。そのミステリアスな気分が「未完成」にぴったりでした。強奏部分でのちょっと野性的なサウンドとの対比も面白く,聞き慣れた曲から,一味違った魅力を引き出していました。

その後,何とアンコールが演奏されました。通常,前半のプログラムでアンコールが演奏されるのは協奏曲の時だけですが,この日は「未完成」の後に同じシューベルトの交響曲第3番の最終楽章が演奏されました。最初のグルックを含めて,お客さんを驚かせてやろう,というミンコフスキさんのたくらみだったのかもしれません。音楽する喜びに溢れた,快速で駆け抜ける演奏でした。

後半のモーツァルトのミサ曲も,ミンコフスキさんらしさ満載のステージでした。まず,合唱団の人数の少なさに驚きました。何と10人でした。この少数精鋭の合唱団,というよりは,ボーカル・アンサンブルが素晴らしく,時にソロを担当したり,重唱になったり,そして合唱になったり...変幻自在にフォーメーションを変えて歌っていました。

この日のステージは,「特注」のような感じで,前半はステージ奥の台の上にコントラバスが4人並んでいたのですが,後半ではこの台の上に10人の合唱団が並んでいました。その前に,お立ち台のような小さなステージがあり,ソロを取る時はここで歌う形になっていました。

ミサ曲2曲目のグローリアは,小さな曲が合わさっており,それぞれに曲想や編成が違うので,このお立ち台に次から次へとソリストが交代で登場するような形になっていました。曲自体,オペラのアリアのような曲があったりしたので,ちょっとしたガラコンサートを聞くような楽しさがありました。

それぞれの歌手も個性的で,しかも聞きごたえ十分の歌の連続でした。オーケストラの古楽奏法同様,どちらかというとすっきりとした感じなのですが,味が薄い感じは全くなく,声の饗宴という感じになっていました。全体として,教会の中で聞く宗教曲という感じは薄かったのですが,これだけ楽しませてくれるミサ曲というのもすごいと思いました。

今回は,OEKならではの「定期公演が乗っ取られる」定期公演でしたが,これだけの短期間の間に3回目の公演ということで,ミンコフスキさんは,すっかり石川県立音楽堂と金沢市のことが気に入ったのではないかと思います。今後も音楽堂の「常連」として金沢の聴衆を驚かせて欲しいと思います。

PS. このオーケストラは,ミンコフスキさんがお辞儀をすると,全員で一斉にお辞儀をするようなルールになっているようです。OEKも定期公演の終演の際に「一同礼」をしていますが,外国のオーケストラでこれだけ何回も頭を下げてくれるオーケストラも珍しいと思います。日本人からすると,とても親近感を持ってしまいますね。

2013/02/24

OEK室内楽シリーズ「もっとカンタービレ」第36回 室内楽編曲版「くるみ割り人形」とファゴットアンサンブル。編成は小さくても夢とイメージが大きく広がりました。#oekjp

OEK室内楽シリーズ「もっとカンタービレ」第36回は, 前半,OEKのファゴット奏者2名+エキストラでお馴染みの2名を加えたファゴット四重奏が,後半は,OEKメンバー+地元のアーティスト+エコール・ド・ハナヨ・バレエの共演で,室内楽編曲版「くるみ割り人形」が演奏されました。

会場に行ってみると...超満員でした。今回のバレエは地元の子供たち中心ということで,特にお客さんが多かったようです。甘く見ていました。というわけで,初めての経験だったのですが「立見席」になりました。前半は本当に立ち見で,少々足が痛くなりましたが,後半は椅子を用意して頂きましたので,快適に見ることができました。立見席は交流ホールの天井付近のスペースだったのですが,ホール全体を見渡せましたので,後半は,一気に「特等席」に変貌した感じです。

前半のファゴット四重奏というのはめったに聞けるものではありません。ファゴットという楽器の音域は男性の声ぐらいで,それが4つ集まるということで,ダークダックスやデュークエイセスといった男声コーラスグループの演奏を聞くような気持ち良い雰囲気になりました。そのことを見越してか...ある曲の途中で,突然全員で「ハッ!」と大声で叫ぶパフォーマンスがあり,ウトウトしていた人を驚かすという趣向がありました。選曲もメドレー曲中心で,とても気持ちよく楽しむことができました。

後半は吉川和夫編曲による室内楽版の「くるみ割り人形」が,地元バレエ団のダンス付きで演奏されました。今回,吉川さん自身が指揮をされました。「もっとカンタービレシリーズ」に指揮者が登場することは非常に珍しいのですが,実際,室内楽というよりは室内オーケストラの編成でした。弦五部,フルート,クラリネットに打楽器2,ピアノ2,オルガン1,ギターなども加わっており,独特のサウンドを楽しむことができました。宮川彬良さんの「クインテット」を一回り大きくした感じで,「動物の謝肉祭」の編成に近いものでした。

ちなみにナレーションも入っており,前半のトークに続いて,柳浦さんが担当していました。「お父さんの読み聞かせ」風ナレーションはとても良かったですね,今回の編成ですが,OEKメンバーに加え,新人登竜門コンサートなどで入賞されたような「お馴染みの」皆さんが大勢参加されていたのも嬉しかったですね。「アラビアの踊り」でギターを使うなど(太田真佐代さんでした)など,うまくエキゾティックな味を出していました。

バレエといってももちろん全曲ではなく,お馴染みの「組曲」から6曲を抜き出したものでした。ピアノの音を核として,カッチリとした明快なサウンドで,交流ホールで聞くにはちょうど良い感じでした。

子どもたちの踊りは,クララとフリッツが沢山登場したり,ネズミや兵隊が沢山出てきたり,大変かわいらしいものでした。トレパックなどは,バレエというよりは,発表会風でしたが,それもまた微笑ましくて良かったです。その後に続く,アラビアの踊りでは,対照的に大人っぽい本格的なバレエになり,鮮やかなコントラストと作っていました。

最後は大変豪華な「花のワルツ」でした。少々ステージが狭そうでしたが,次々と春色の衣装を着たダンサーが出てきて,幸せを絵に描いたような光景になりました。ナレーションの中にも出てきましたが,今回のステージを見て,夢や希望が広がった気がしました。演奏の編成がコンパクトだったので,「小さく生んで大きく育てる」といったところでしょうか。2月末とはいえ,金沢ではまだまだ寒い日が続いていますが,音楽堂内にはとても暖かな空気が広がっていました。

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