OEKのCD

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ

« OEKの「こうもり」@石川県立音楽堂は,現代の東京を舞台にした「白いこうもり」。設定がぴったり。小林沙羅さんのアデーレなど歌手も万全 #oekjp | トップページ | 石川県学生オーケストラ&オーケストラ・アンサンブル金沢合同公演,今年のメインはボロディンの交響曲第2番。重厚で若々しい演奏を堪能しました。OEKのハイドンもお見事でした。#oekjp »

2014/02/23

山田和樹指揮OEK定期公演。三善晃「三つのイメージ」での臨場感溢れる迫力,メンデルスゾーン「讃歌」でのとてつもない壮麗さ。大盛り上がりの公演でした。#oekjp

山田和樹指揮による,OEK定期公演を聞いてきました。今回のプログラムは,前半が三善晃作曲「三つのイメージ(2002年度OEK委嘱作品)」とメンデルスゾーンの交響曲第2番「讃歌」ということで,前半後半ともに合唱が入る曲でした。東京混声合唱団の指揮者もつとめる山田さんならではの選曲ということもできます。

山田さんがOEKの定期公演に登場するのは今回が3回目ですが,自分自身で全部プログラムを考えたのは今回が初めてとのことです。その自信に満ちた,実に壮麗で聞きごたえのある演奏会になりました。

前半に演奏された三善さんの「三つのイメージ」は12年ぶりの再演ということになります。実は,私の子どもがたまたま,この時にOEKエンジェル・コーラスに入っており,この曲を岩城宏之さん指揮で「世界初演&CD録音」しています。というわけで,個人的にも思い出深い作品です。

今回の演奏ですが,その時を上回る素晴らしい演奏だったと思います。合唱の部分については,「メロディを歌う」というよりは,「発声する」「語る」という感じの部分が多く,決してとっつきやすい作品ではありません。しかし,今回の演奏では,一つ一つの言葉に生命力と臨場感を感じました。「火」「水」「人間」という3つのキーワードを中心とした恐怖感や不安感のようなものがしっかり伝わってきました。

「水」と「火」の恐怖というと,どうしても津波や原発事故のことなども連想してしまいます。現代社会への警鐘を感じさせる曲であり,演奏だったと思います。

前半ではアンコールも演奏されました。三善晃さん編曲による親しみやすい作品でした。詳細はレビューで書きたいと思いますが,「いきなりクライマックス」という感じのすごい演奏でした。

後半は,メンデルスゾーンの交響曲第2番「讃歌」が演奏されました。演奏される機会が非常に少ない作品で,正確なところは分かりませんが,「恐らく,今回が金沢初演だろう」とのことでした。演奏時間と編成的には,ベートーヴェンの第9のようなところがあり,前半オーケストラだけの楽章があった後,後半は独唱と合唱によるカンタータのような作品になる,という曲です。

ただし,前半と後半の比率が第9とは反対で,交響曲:カンタ―タ=3:5ぐらいの比率で,印象としては交響曲というよりは,大規模な宗教曲に近い感じもありました。ただし,メロディはメンデルスゾーンらしくとても親しみやすく(特に,冒頭のメロディは一度聞けば誰でも覚えられそう),大衆性と重量感とが良いバランスで備わった曲だと思いました。

この曲では,何といっても山田和樹さんの音楽を構築する力が素晴らしいと思いました。トロンボーンによる,清々しくも威厳のある冒頭のメインテーマから,最終楽章の非常に壮麗な盛り上がりまで,最高のバランスで大曲を聞かせてくれました。曲全体については,「ドイツの宗教音楽」といった感じで,しっかりと設計されていたと思いますが,それだけではなく,瑞々しさ,熱さ,陶酔的な美しさなどが湧き上がっており,「どこを取っても魅力的」という演奏になっていたと思います。

OEK合唱団+αによる合唱も立派な演奏でした。第2楽章の出だしの最初の合唱,第10楽章のクライマックスなど,非常にダイナミックレンジの広い,厚みと輝きのある声を聞かせてくれました。

それと独唱者も素晴らしい出来でした。山田さんは「自分と同じ世代の歌手を揃えた」と仰っていましたが,その意図どおり,ソプラノの小林沙羅さん, テノールの西村悟さんともに,今が伸び盛りといった感じの若々しい美しさのある歌を聞かせてくれました。地元出身の熊田祥子さんは,途中,小林さんと絶妙のソプラノ2重唱を聞かせてくれました。清潔感と華やかさのある素晴らしい二重唱でした。

途中,いろいろなパターンの盛り上がり方や聞かせどころがありましたが(ア・カペラによるコラールも良かったですねぇ),やはり最後の最後に到達した壮麗な盛り上がりが,特に印象的でした。お見事という演奏でした。

ただし...フライング気味のブラボーの声にはがっかりしました(もっと美しい声のブラボーならまだ良かったのですが...)。せめて一呼吸おいて欲しかったと思いました。

終演後は今回出演した5人の皆さんによる「大サイン会」が行われました。こちらもまた大人気でした。小林沙羅さんは,2週連続での登場でしたが,「「こうもり」良かったよ」と声を掛ける人も多く(多分),すっかり金沢での人気が定着したのではないかと思います。テノールの西村さんとの共演による,オペラなど是非見てみたいものです。

« OEKの「こうもり」@石川県立音楽堂は,現代の東京を舞台にした「白いこうもり」。設定がぴったり。小林沙羅さんのアデーレなど歌手も万全 #oekjp | トップページ | 石川県学生オーケストラ&オーケストラ・アンサンブル金沢合同公演,今年のメインはボロディンの交響曲第2番。重厚で若々しい演奏を堪能しました。OEKのハイドンもお見事でした。#oekjp »

コメント

「フライング気味のブラボーの声にはがっかり」に同感です。残響が消えた余韻を楽しみたいものです。今日の「讃歌」は特にそうです。声の主はいつも同じ人で、今回もやるだろうと思っていました。サントリーホールでは、一時期、コンサートマナーを書いたチラシを作成して配布していました。コンサート中にチラシ等をめくらない、ビニール等音の出るものは膝上にはおかず椅子の下等に置くなどを含めて周知してはいかがですか。一定の効果は期待できると思います。

本当に素晴らしい演奏で、携わった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
ただ、やはりあのブラボーは酷すぎましま。フライングというより、演奏中の叫び声でした。残念でなりません。
このままでは新幹線開通後に県外の方がみえても、金沢の恥を晒すだけです。
私は何らかの形でOEKのほうにお伝えしたいと思います。

合唱団の一員です。
”ブラボー”は実に早かった。マエストロの棒は上がったままでした。
マエストロは苦笑いして、更にそのあと時間をおいて棒を降ろされました。
中学生の頃読んだ文章に、ブラボーは演奏が終わって余韻を楽しんだ後に、とありました。
ブラボーが早いとホント興醒めです。
ブラボーおじさん! ご注意ください。

みなさま,コメントありがとうございます。個人的にも今回の演奏は,滅多に演奏にされない大曲ということもあり,OEK演奏史上に残る素晴らしい演奏だったと思いました。それだけに「早過ぎるブラボー」は残念でした。

まさに「興ざめ」という感じでしたが,その借りを返すためにも,再度山田和樹さん指揮の合唱曲の大曲を聞いてみたいものです。

例えば,マーラーの千人の交響曲は聞いたことはないのですが,ヤマカズさん指揮OEK+どこかのオーケストラで実現しないでしょうか?

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/152606/59186566

この記事へのトラックバック一覧です: 山田和樹指揮OEK定期公演。三善晃「三つのイメージ」での臨場感溢れる迫力,メンデルスゾーン「讃歌」でのとてつもない壮麗さ。大盛り上がりの公演でした。#oekjp:

« OEKの「こうもり」@石川県立音楽堂は,現代の東京を舞台にした「白いこうもり」。設定がぴったり。小林沙羅さんのアデーレなど歌手も万全 #oekjp | トップページ | 石川県学生オーケストラ&オーケストラ・アンサンブル金沢合同公演,今年のメインはボロディンの交響曲第2番。重厚で若々しい演奏を堪能しました。OEKのハイドンもお見事でした。#oekjp »

最近のコメント

最近の記事

最近のトラックバック