本日の午後は「ピアノ協奏曲の午後」。ショパンの1番2番をはじめ,4曲の協奏曲をOEKとの共演で楽しみました。特に竹田理琴乃さんのショパンの2番は完成度の高い素晴らしい演奏 #oekjp
石川県ピアノ教会とOEKが数年に1回行っている,県内のピアニストたちとOEKが共演する「ピアノ協奏曲の午後」を聞いてきました。このコンサートですが,文字通り「休日の午後にピアノ協奏曲ばかりを取り上げる」という企画で,次の4曲のピアノ協奏曲が5人のピアニストによって演奏されました。
サン=サーンス/ピアノ協奏曲第2番
ショパン/ピアノ協奏曲第1番
モーツァルト/2台のピアノのための協奏曲第10番
ショパン/ピアノ協奏曲第2番
休憩はショパンのピアノ協奏曲第1番の後に入りましたが,前半後半ともに1時間以上かかるプログラムで,14:00から17:00近くまで掛かる,大変ボリュームのある演奏会となりました。
今回登場したピアニストの中では,やはり昨年日本音楽コンクールピアノ部門で3位に入賞した竹田理琴乃さんによる,ショパンのピアノ協奏曲第2番の演奏が一頭地を抜くような完成度の高い演奏でした。完全に手の内に入った演奏で,第2楽章でのじっくりと聞かせる歌から一気に駆け抜けるような最終楽章まで,言うことなしの演奏でした。竹田さんは,この曲を北陸新人登竜門コンサートの時に井上道義さん指揮OEKと共演したこともありますので,聞くのは2回目なのですが,さらに「歌心」が豊かになったように思いました。これからの活躍が本当に楽しみなピアニストです。
その他の曲も各曲の魅力をしっかり伝えてくれる演奏でした。
木下由香さんによるショパンのピアノ協奏曲第1番は,タッチがとても軽やかで特に第3楽章の民族舞曲的な感じが印象的でした。吉藤佐恵さんによるサン=サーンスのピアノ協奏曲第2番は,サン=サーンスにしては,ちょっと雰囲気が重いかなという気もしましたが,その分充実した響きをしっかり楽しませてくれました。この曲はOEKのレパートリーに入っている曲で,今度の新人登竜門コンサートでも演奏されますが,その聞き比べも楽しみです。
後半最初に,坂下麻子さんと菅野幸子さんによって演奏されたモーツァルトの2台のピアノのための協奏曲は,演奏全体に濃い雰囲気がありました。演奏全体に大人の雰囲気を持った品の良い温かみがあり,晩年のモーツァルトの音楽を聞くような深さを感じました。
今回の指揮は,三河正典さんでした。どの演奏もしっかりとしたサポートで,どのピアニストにとっても大変演奏しやすかったのではないかと思います。これから,ラ・フォル・ジュルネ金沢2014に向けて,県内のピアニストの演奏を聞く機会が増えてきますが,その期待を高めてくれるような,質量ともに充実感のある演奏会でした。
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