LFJK明けは北陸新人登竜門コンサート<ピアノ部門> 木米 真理恵さんのグリーグ,塚田尚吾さんのサン=サーンス。どちらも素晴らしい演奏。存分に力を発揮していたと思います。 #oekjp
ラ・フォル・ジュルネ金沢明け,最初の演奏会は,北陸新人登竜門コンサート。今年はピアノ部門で,オーディションで選ばれた木米真理恵さんと塚田尚吾さんが登場しました。本来は,審査員でもある井上道義指揮OEKとの共演のはずでしたが,LFJK同様,金聖響さんに指揮者は交替になりました。
今回のお2人ですが,お見事でした。「新人」という冠が付いているだけあって,演奏会前には,ちょっと冷や冷やする場面もあるのかな,と思ったりもしたのですが,全くありませんでした。木米さんの演奏したグリーグのピアノ協奏曲は,OEKが演奏する機会は少ない作品ですが,木米さんは,有名な冒頭部から,非常に美しい音で安定感のある音楽を聞かせてくれました。ピアノの音はやや軽い感じでしたが,どの音にもしっとりとした柔らかさがあり,特にこの曲の持つ抒情的な面をしっかり楽しませてくれました。第3楽章の演奏中,謎の高周波音が会場内に発生して,やや集中できない部分がありましたが,大変完成度の高い演奏だったと思います。
塚田さんは,サン=サーンスのピアノ協奏曲第2番を演奏しました。塚田さんは,音楽大学に在籍中なのですが,まずは音の威力が素晴らしく,第1楽章最初のカデンツァ風の部分からぐっと集中して楽しむことができました。この登竜門コンサートに男性ピアニストが登場すること自体珍しいのですが,過去このコンサートに登場したピアニストの中でもいちばんスケールが大きいのではないかと思いました。第3楽章の若々しいスピード感は,新人ピアニストにぴったりでした。
サン=サーンスの曲自体,分かりやす過ぎるぐらい分かりやすいのですが,浅い印象は全く与えずに曲の持つ華やかさやエネルギーをしっかり伝えていたのが素晴らしかったと思います。
唯一の問題点は...演奏終了後,木米さんと二人でステージに再登場して,袖に引っ込む時に「レディ・ファースト」を忘れてしまったことくらいでしょうか。二人とも本当に楽しみなピアニストです。これからもまた聞く機会があると思いますが,今後の活躍を期待したいと思います。
それ以外にも金聖響さん指揮OEKでメンデルスゾーンの「フィンガルの洞窟」とビゼーの「アルルの女」の中のアダージェットが演奏されました。どちらもOEKにぴったりのレパートリーで,爽やかな5月にぴったりの演奏を聞かせてくれました。
井上道義さんは,今回の演奏会に是非出演したかったと思うのですが,今回の2人が素晴らしい演奏を聞かせてくれたことは,最高の「お見舞い」になったのではないかと思います。来年のこの演奏会には是非井上さんに復活してもらいたいと思います。
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