石川県立音楽堂「午後の音楽散歩:OEKメンバーシリーズ 西本幸浩,若松みなみヴァイオリン・デュオリサイタル」を聞いてきました。サラサーテの曲を中心とした大変楽しめるプログラム。西本さんのトークも大変冴えていました。
石川県立音楽堂で定期的に行っている「午後の音楽散歩」はいつもは平日で行っていることもあり,ほとんど行ったことはなかったのですが,今回からOEKメンバーによるシリーズも始まり,しかも日曜日に行われたので聞きに行くことにしました。
今回登場したのは,仙台フィルのコンサートマスター西本幸浩さんとOEKの第2ヴァイオリン若松みなみさん,ピアノの犬伏啓太さんでした。実は西本さんと若松さんはご夫妻で,犬伏さんも大学時代からの仲間ということで,交流ホールの雰囲気に相応しい親しみやすさがある演奏会となっていました。
ただし,演奏された曲には,それほど有名な作品はありませんでした。このことは,”ヴァイオリン2台のための作品”という制限のせいだと思いますが,それを逆手に取るように,工夫の凝らされた楽しめる内容になっていました。何より今回司会を担当していた西本さんのトークが冴えていました。どの曲もトークと併せて聞くと,より一層楽しくことができました。
最初バッハのトリオソナタの1つの楽章で始まった後,バルトークの2つのヴァイオリンのための小品,そして1人ずつの作品が2曲,最後に再度二重奏が2曲と大変変化に富んでいました。最後,アンコールでバッハの2台のヴァイオリンのための協奏曲の第2楽章が演奏されるなど,プログラミング自体,シンメトリカルになっていました。
演奏された曲では,ショスタコーヴィチの5つの小品が面白い作品だと思いました。親しみやすいポルカ,ワルツ,ギャロップなどを気楽に聞かせつつ,実は皮肉を交えているような,「いかにもショスタコーヴィチ」という作品でした。
最後に演奏された,サラサーテの「ナヴァラ」という2台のヴァイオリンとピアノのための作品は,CDではあまり聞いたことはないのですが,実演だと意外によく演奏されます。IMAの時にホァン・モンラさんと神尾真由子さんが演奏したことがありますが,今回のご夫妻による演奏も熱のこもった聞きごたえがありました。
今回,若松さんはとても上品なピンク(何色と表現するか分からないのですが)のドレスで登場していましたが,「そういう目」で見ると,まさに新郎新婦という感じでしたね。会場にはOEKメンバーの姿も見かけましたが,お客さんと演奏者が一体になったような暖かい気分のある,とても良いムードの演奏会でした。
今後もこのシリーズにOEKメンバーが登場するということで,大いに期待したいと思います。
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