IMA環日本海交流コンサート ライジング・スターたちによる若手奏者たちによる華麗なガラ・コンサート。やはり神尾真由子さんの「揚げひばり」が絶品でした。 #oekjp
いしかわミュージックアカデミーも今年で20回目となります。それを記念して過去の受講生を含む若手奏者とOEKが共演する「IMA環日本海交流コンサート」が行われたので聞いてきました。
前半は昨年のIMA音楽賞を受賞した周防亮介さん,ミンギョン・キムさん,須藤梨菜さんの演奏,後半は金沢出身で昨年の日本音楽コンクールに3位入賞した竹田理琴乃さん,そして,最後に,IMA出身者で,昨年まで講師としても参加していた日本を代表するヴァイオリン奏者の一人,神尾真由子さんが登場しました。
演奏された曲は,ツィガーヌ,序奏とロンドカプリツィオーソ,ツィゴイネルワイゼン...など,ゆっくりした序奏の後に華麗に盛り上がる曲が中心で,若手奏者たちによる華麗なガラ・コンサートとなりました。
昨年のIMA音楽賞受賞者では,この前,ライジングスターコンサートで聞いたばかりの,ミンギョン・キムさんの,序奏とロンドカプリツィオーソが特に素晴らしいと思いました。艶のある音,鮮やかな盛り上げ方...新人らしからぬ安定度抜群の演奏でした。 周防亮介さんのツィガーヌも素晴らしい演奏でしたが,キムさんの方が聞かせ方の点では一枚上手という気がしました。
須藤梨菜さんのピアノによる,アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズは,前半の透明感あふれる雰囲気と後半の構えの大きな演奏との対比が鮮やかでした。竹田理琴乃さんの「ドン・ジョヴァンニ」の「お手をどうぞ」による変奏曲も,装飾的な音が華麗でしたが,やはり曲の格からすると,「アンダンテスピアナート...」の方がやはりゴージャス感があるかなと感じました。
そして最後に登場した,神尾真由子さんの演奏では, ヴォーン・ウィリアムズの「揚げひばり」がお見事でした。この曲を実演で聞くのは,「もしかしたら初めて?」でしたが,「絶品!」と思いました。念入りに抑制された息の長い弱音が本当に素晴らしく,OEKの作り出す景色を背景にして,集中力に溢れる音の風景画を楽しませてくれました。
最後に演奏されたツィゴイネルワイゼンは,音量が一気に増し,脂の乗り切った音を聞かせてくれました。中間部でのしっとりとした部分で濃厚なヴィブラートを聞かせた後,再度は超高速で弾ききっていました。この部分ではOEKとの駆け引きがなかなかスリリングでした。
IMAについては,ラ・フォル・ジュルネ金沢ほどには,石川県民に知られてはいないのですが,20年に渡って継続的に実施し,成果を上げていることはもう少しアピールしても良いと思います。今回は,夏休みの平日の午後に行われたこともあり,親子連れのお客さんが多かったのですが,その意味で,もう少し大人が聞きに行きやすい時間帯にしてもらった方が良かったかなとも思いました(と書きつつ,今回はうまく休みが取れたのですが)。
それと,このコンサートに併せて今年のIMA音楽賞を発表しても良いのではないかと思いました。
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