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2014/10/19

ベスト・オブ・ベートーヴェン@石川県立音楽堂。熱情,月光,悲愴,ワルトシュタインを4人の演奏で楽しんだ後,菊池洋子+近藤嘉宏による2台のピアノ版第九。凄いものを聞かせてもらいました。

今年初めての企画として,ベートーヴェンのピアノ・ソナタ4曲+第九交響曲(2台ピアノ版)を約半日で聞く「ベスト・オブ・ベートーヴェン」という演奏会が行われたので聞いてきました。登場したピアニストは,菊池洋子さん,近藤嘉宏さんというラ・フォル・ジュルネ金沢などでお馴染みの2人と,北陸出身の若手ピアニストの木米真理恵さんと塚田尚吾さんでした。

コンサートIが木米さんの「熱情」,菊池さんの「月光」。コンサートIIが塚田さんの「悲愴」,近藤さんの「ワルトシュタイン」。コンサートIIIが菊池さんと近藤さんによる第九でした。非常に高級感と奥行の深さのある菊池さんの「月光」,前進するスピードと威厳に溢れた近藤さんの「ワルトシュタイン」。そして2人の若手による,正攻法の「熱情」「悲愴」。それぞれに良かったのですが,この日のハイライトは何といってもピアノ2台版第9でした。

演奏前のトークで近藤さんが「とにかく音符の数が多い」とおっしゃられていましたが,本当にそのとおりで約70分間,弾きどおしという感じの凄い演奏を聞かせてくれました。特に第4楽章が聞きものでした。まず,第4楽章最初のオーケストラだけによる演奏の部分と独唱や合唱が加わってからの部分がしっかり描き分けられていたのが素晴らしいと思いました。バリトンの独唱の部分など,朗々と歌っている感じが伝わってきました。

楽章の後半はオーケストラ+合唱ということで,本当に音の数が多く,動きが速く,本当にスリリングでした。演奏が終わったときは,聞いている方も演奏している方も「お互いにお疲れ様」という,なんとも言えない一体感を感じました。

それだけお二人の演奏は集中していたし,そのことがお客さんの方にもしっかり伝わっていました。ほとんどマラソンとかトライアスロンとかに近い,体育会系の雰囲気もありましたが,滅多に聞けない凄いものを聞かせてもらったという,心地よい疲労感を感じました。

このベスト・オブ・ベートーヴェンの企画ですが,各コンサートの間に成本理香さんによる分かりやすい解説や木米さんや塚田さんへのインタビューが入るなど,色々と工夫がされていました。ぜひ,「秋の熱狂の日」という感じで続けていってほしいと思います(さしずめ,ラ”フォール”ジュルネといったところでしょうか)。最後の第9はその雰囲気にふさわしい演奏だったと思います。

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