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2014年12月

2014/12/21

金沢21世紀美術館でマーラーの交響曲第5番のピアノ独奏版を大井浩明さんの演奏で聞いてきました。予想を超える超絶技巧と70分を超えるハードな演奏に驚嘆

金沢21世紀美術館で定期的に行っている「ベーゼンドルファーを弾く」シリーズの中の大井浩明さんの演奏会を聞いてきました。

今回は,昨日から今日にかけて4回の演奏会が行われ,まずクラシック以外のピアニストが3人が登場したのですが,何故か(?)その最後に大井浩明さんのピアノでマーラーの交響曲第5番のオットー・ジンガーによるピアノ独奏版の全曲を聞くという大変マニアックが企画が入っており,「これは聞き逃せない」ということで,喜んで聞きに行ってきました。

演奏は期待どおりの凄い編曲,凄い演奏でした。金沢21世紀美術館のシアター21は壁面も床も真っ黒の密室ということで,思い切り集中してマーラーのピアノ編曲版の世界に入ることができました

それにしても,ものすごい数の音符でした。第1楽章は,トランペット1本で始まりますのでシンプルに始まるのですが,すぐに大編成オーケストラの音をそのままピアノ独奏に編曲した感じの音の洪水になります。これが全楽章続いている感じでした。第2楽章の最後の方など大変輝かしい演奏でした。

ピアノ編曲版で聞くと,いろいろな声部の動きが非常にクリアになるのが面白いところです。今回のホールは残響がほとんどないので,その生々しい迫力がダイレクトに伝わってきました。第1楽章の最後の部分の「ドロドロドロ」という感じの弱音などは,オーケストラ版で聞くのとは違った,くっきりとした異様さのようなものがあり,面白いと思いました。第3楽章もウィーン風のワルツという感じではなく,細部がくっきりと表現された,ちょっと不気味なクールさを感じました

そして,有名な第4楽章アダージェットですが,今回は杉山洋一さんによる「スーパー・アダージェット」が使われていました。はじめは「やけに音が装飾的だなぁ?」という感じで聞いていたのですが,「これはいくらなんでも装飾的すぎる。メロディ・ラインがよく分からない」と思い,プログラムをよく見ると,「杉山洋一」と書いてありました。

この楽章については,耽美的でロマンティックという印象がありますが,何というか音の動きが凄まじく,聞いている方も思わず息が詰まって来そうな感じでした。

第5楽章のロンド・フィナーレの最初の方は,どこかバッハのフーガをピアノで聞いているような感じに聞こえました。この日は1曲目にバッハの6声のリチェルカーレが演奏されましたが,そのバッハの音楽と「つながっているなぁ」と感じました。楽章の最後の部分は明るく終わりますが,この部分での輝かしい迫力も圧倒的でした。

大井さんは,演奏後のトークで,井上道義さんの快気祝いでこの曲を選んだということを仰られていましたが,井上さんも大喜び(?)の演奏だったのではないかと思います。

演奏後,アンコールが3曲演奏されました。それぞれ趣向の凝らされた,面白い曲でしたが,詳細はレビューでご紹介しましょう。

大井さんが21美に登場するのは,今回が2回目だと思いますが,是非また「めったに聴けないような体験」をさせてほしいなぁと思います。

2014/12/20

金沢フレッシュコンサート20周年記念ガラコンサート。トランペット,トロンボーン,フルート,ヴァイオリン,ソプラノそしてピアノ...とバラエティに富んだ内容を楽しみました。ゲストの迫昭嘉さんのベートーヴェンも素晴らしい演奏

金沢市では「金沢フレッシュコンサート」というオーディションを合格した若手奏者たちが登場する演奏会を毎年行っています。20年前から行っているのですが,実は,これまで一度も行ったことがありませんでした。今回,その20周年を記念してガラコンサートが行われたので,出かけてきました。

お客さんの数は,少なめだったのが残念でしたが,ガラコンサートの呼称にぴったりの,バラエティに富んだ楽器による演奏を楽しむことができました。出演したのは前半4人,後半3人で,トランペット,ソプラノ,ヴァイオリン,フルート,バストロンボーン,そして,ピアノで,いずれも充実した内容でした。

登場した人の中には,北陸新人登竜門にも出演した方も数名いらっしゃいました。こういう形で地元アーティストの活躍の場が提供されるのは大変良いことだと思います。

最後にゲストとしてピアニストの迫昭嘉さんが登場し,ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第28番を演奏しました。実は,今回この演奏会を聞きに行こうと思ったのは,この迫さんの演奏がお目当てでした。ピアノ・ソナタ第28番は個人的に大好きな作品なのですが,これまでなぜか実演で聞いたことがありませんでした。今回,この曲をベートーヴェンを得意とする迫さんの演奏で聞くことができ,大満足でした。

第1楽章の透き通るような静かな世界,すっきりと引き締まった第2楽章の行進曲...重苦しいところはなく,力感と抒情性が生き生きとバランスよく融合していました。やっぱり良い作品だと再認識しました。

ところで,今回登場したピアニストの塚田尚吾さんですが....確か午後からは高岡で行われたOEKとの演奏会(こちらもガラコンサートでしたね)に出演されていたはずです。高岡と金沢をハシゴするというのもなかなかすごいと思います。

塚田さんの演奏によるリストの死の舞踏は,以前,ラ・フォル・ジュルネ金沢関連の演奏会で聞いた記憶がありますが,今回の演奏も素晴らしく鮮やかで,力感に溢れた演奏でした。もう十八番と言ってもよいレパートリーだと思います。

今回出演された方々は,フレッシュコンサートに出演後,さらに活躍の場を広げられている方ばかりでしたが,これからの活躍にも注目していきたいと思います。


2014/12/16

音楽堂室内楽シリーズ2014 第5回は小林道夫さんによるクラヴィコードの演奏会。演奏もトークも抑制の効いた穏やかさの中に知的な味わいが溢れていました。 

音楽堂室内楽シリーズ2014 第5回はベテラン鍵盤楽器奏者の小林道夫さんによるクラヴィコードの演奏会でした。過去,小林さんがチェンバロを演奏するのを聞いたことはありますが,クラヴィコードの演奏を聞くのは初めてのことでした。今回はこのクラヴィコードで,J.S.バッハとC.P.E.バッハという2人のバッハの作品を楽しむという趣向でした。

クラヴィコードは,ホールでの演奏会用の楽器というよりは,少人数向けの家庭内で使うのが相応しい楽器ということで, 通常のようにステージ上の奏者を客席で聞くというスタイルではなく,ステージ上のクラヴィコードを取り囲むように座り,同じステージ上で聞くという形でした。音楽堂のコンサートホールのステージの上に乗ること自体めったにないことですが,その上でクラヴィコードを聞くというのは,さらに珍しい経験だと思います。

今回の演奏会は,小林道夫さんのトークを交えて進められました。楽器のこと,両バッハの作品のこと,各作品の作曲にまつわるエピソードなど,次から次へと興味深い話題が続き,全く飽きることなく,クラヴィコード作品を楽しむことができました。

クラヴィコードの音量は,ステージ上で聞いていてもかなり小さいもので,どうしても耳を澄まして聞くという形になります。しかし,曲が進んでいくにつれて,段々と耳の方も研ぎ澄まされていくような感じになり,それほど気にならなくなります。小音量に耳の方が最適化されていく,といったところでしょうか。小林さんのトークの穏やかなトーンとの相性もぴったりでした。

演奏された曲の中では,前半の大バッハの曲も,それぞれ選りすぐりの曲で良かったのですが,後半に演奏された,これまでほとんど聞いたことのなかった,C.P.E.バッハの作品がどれも面白いものでした。クラヴィコードは,鍵盤楽器のくせにヴィブラートを掛けることができるのですが,その機能を生かしたソナタであるとか,ちょっとミステリアスな悲しみの表情をたたえたロンドであるとか,大バッハにない,しみやすい情感があると思いました。

クラヴィコードの場合,本当は「自分で演奏する」ぐらいの距離感がいちばん良さそうですが,この楽器の魅力の一端に接することのできた演奏会でした。

それにしても,小林道夫さんは,昔からお変わりがありません。かなりご高齢のはずですが,演奏もトークも,弛緩したようなところが全くなく,抑制の効いた穏やかさの中に知的な味わいが溢れていました。演奏自体に加え,そのユーモアのある冷静さにも感嘆しました。今回は,ほぼレクチャーコンサートという感じでしたが,小林さんのトークによる,今回のようなスタイルの(今度はチェンバロでもよいと思います)演奏会は,是非,シリーズ化してほしいな,と思いました。

2014/12/14

OEKと北陸聖歌合唱団による「メサイア」公演,今年は全曲。指揮の松井慶太さん,二期会の4人の独唱歌手ともに若手中心。見事に聞きごたえのある音楽を聞かせてくれました。 #oekjp

12月恒例のOEKと北陸聖歌合唱団によるクリスマス・メサイア公演。今年は「全曲」でした。北陸聖歌合唱団は60年以上も「メサイア」だけを歌っている合唱団ですが,昨年までとは独唱者が全員交代し,若手の松井慶太さんが指揮をされるなど,新しいスタートの一歩といった感じの全曲公演となりました。

演奏の方ですが,お見事でした。全曲を通じて奇をてらったような部分はなく,スケールの大きな音楽を聞かせてくれました。今回の演奏で特徴的だったのは,いくつかの独唱曲では,弦楽器のトップ奏者だけによる室内楽的な演奏となっていた点です。そういう緻密でインティメートな雰囲気と合唱曲の部分でのドラマティックな雰囲気とが合わさり,立体感のある,大変聞きごたえのある「メサイア」を聞かせてくれました。

それと今回素晴らしかったのは,独唱の4人です。二期会の若手のソプラノ:鈴木愛美さん,メゾソプラノ:小泉詠子さん,テノール:金山京介さん,バリトン:久保和範さん,どの方も非常に水準の高い歌を聞かせてくれました。独唱者の点では過去いちばん水準が高かったのではないかと思いました。

昨年までお馴染みだったソプラノの朝倉あづささんの歌も大好きだったのですが,今回の鈴木愛美さんの声は特に瑞々しく魅力的でした。石川県出身の小泉さんの声には,宗教曲に相応しい抑制された美しさがあり,第2部最初のアリアなどじっくりと聞かせてくれました。男声2人も安定感抜群で,若々しい声を聞かせてくれました。

北陸聖歌合唱団の皆さんは,例年よりも曲数が多く大変だったと思いますが,若い指揮者や若手独唱者に触発されるように,力強い声を聞かせてくれました。指揮者の松井さんは,東京混声合唱団の指揮もされている方ということで,合唱団からボリューム感だけでなく,明快で引き締まった声を引き出していたのではないかと思います。

演奏会の長さは,3時間を超えたので,さすがに疲れましたが,「メサイア」の全体像をしっかりと堪能することができました。

2014/12/09

OEK+エッセン市立歌劇場バレエ団 バレエ・ウィーク第2弾はプロコフィエフ「シンデレラ」。先週末とは対照的にモダンで鮮烈なパフォーマンス #oekjp

先週末の「くるみ割り人形」公演に続き,OEKとエッセン市立歌劇場バレエ団によるプロコフィエフのバレエ「シンデレラ」を観てきました。こちらは金沢歌劇座で行われただけあって,よりダイナミックなパフォーマンスを楽しむことができました。

ダンサーたちの動きは,伝統的なバレエの動作とは全然違い,腰を曲げた状態で足を高く上げて,ダイナミックに歩き回る...といった,一種異様な動きが中心でした。その動きが,固有の文法に基づいているような感じで一貫しており,段々とこの異様な世界にはまっていくような面白さがありました。

「くるみ割り人形」のファンタジー溢れる美しい音楽とは違い,プロコフィエフの音楽にも,どこか暗く,ひんやりとした感触があります。特に前半はとっつきにくい部分もありましたが,今回のかなりモダンな振付・演出には,むしろぴったりと思いました。

「シンデレラ」といえば,カボチャの馬車,舞踏会,王子と王女,門限12時,ディズニーランドにあるような城...といったイメージがありますが,今回の演出では,こういったものが全く出てきませんでした。オリジナルのストーリーを大胆に変更し,前半は継母が来るまでの親子3人の幸せだった過去と荒んだ感じの現在とを対比していました。特に前半最初で,家族3人を額縁のように区切った枠の中にポートレートのような形で鮮やかに映し出す効果が見事した

途中,レトロな感じの音楽がスピーカーから流れてくる部分があったり,どう解釈すればよいのか分からない部分も多かったのですが,照明や衣装による色彩感覚が面白く,飽きずに楽しむことができました。前半,シンデレラは地味な水色の服で登場。途中で鮮やかな赤のドレスに変わり,そこで王子と出会うのですが,その後,引き離され,最後に水色の衣装に戻って,王子と再会する...という感じです。途中,緑のカーペットや壁面が出てきたり,オレンジが出てきたり...すべてが何かを象徴しているようでした。

登場人物では,継母とその子供2人がいつも3人セットで動いており,親子というよりは狂言回し3人組という感じでした。運動量的には,この3人がいちばんよく動き回っていたと思います。

音楽的には,後半(この日は,前半が第1幕,後半は通常の第2幕と第3幕を連続して上演という形でした。数曲はカットしていたようです)の方が印象的でした。シンデレラと王子が出会う場面のワルツの美しさであるとか,二人が引き裂かれるときに流れる「真夜中の時計」の音楽の強烈さなどプロコフィエフならではだと思いました。特に12時の鐘を描いた部分は,低音の金管楽器と打楽器の効果が鮮やかでした。ただし,今回の演出では「12時」ということにこだわっていなかったので,音楽で時計を描く意味合いが薄い気がしました。

その後,王子がシンデレラを探す部分でのスピーディでエキゾティックな音楽の連続も印象的でした。この部分は,一種,ディヴェルティスマン的な扱いになっており,各国の踊りが続いていました。

最後に二人が再会するのですが,この部分の音楽も素晴らしいものでした。ここまで,ひねった感じの曲が多く,シンプルな曲は少なかったのですが,この最後の部分は透き通った響きになり,最後の最後の部分で,ドレミファソラシドとグロッケンが音階を演奏して終わります。二人の思いが成就したことが鮮明に伝わってくる見事なエンディングでした。

ストーリー全体としてみると,前半の「崩壊した家族」と後半の「シンデレラと王子の出会いと再会」のつながりが分かりにくい気がしました。また,プロコフィエフの曲の持つイメージとパフォーマンスとが繋がらないような部分もあったと思います(上述の「12時」の部分など)。そういった部分も含め,冒険的な演出だったと思います。王子に選ばれるのを待つシンデレラというよりは,双方が対等な感じで,多様な人に溢れる「世界」の中から,運命の2人が巡り合ったという,不思議な愛の力みたいなものを最後の部分で描いていたのではないかと思います。

個人的には「普通のシンデレラも見たい」という気持ちもありましたが,金沢では滅多に見られないような作品を尖鋭的なパフォーマンスで楽しめたことは,OEKとエッセンのバレエ団との継続的な連携の成果だと思います。

さて,今後のバレエですが,取りあえず同じプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」(全曲)などをしっかり堪能してみたいものです。期待しています。

2014/12/06

この冬いちばんの雪の中,OEK+エッセン市立歌劇場バレエ団+石川県のダンサーによる「くるみ割り人形」を楽しんできました。やっぱり12月はこのバレエですね #oekjp

今年の12月,OEKは1週間内に行われる2つのバレエ公演の演奏を担当します。ちらしにあるとおり,「バレエ・ウィーク」ということになります。今日は,この冬いちばんの雪の中,その第1弾,バレエ「くるみ割り人形」を石川県立音楽堂で観てきました。OEKと以前から交流のあるドイツ・エッセン市立歌劇場バレエ団のメンバーと石川県内のダンサーの混成チームによる上演というスタイルもすっかり定着し,ホールいっぱいに溢れる,ダンスと音楽による幸せなステージを楽しんできました。

「くるみ割り人形」は,チャイコフスキーの他のバレエに比べると時間が短く,子供たちが沢山出演する作品です。今回,土曜日の午後に上演されたのは正解で,会場は大変沢山の親子連れが来ていました。

「くるみ割り人形」は過去数回観ているのですが,見るたびに名作だなと思います。実は,私がクラシック音楽を聞き始めるきっかけになったのが,小学生の音楽の時間に聞いた,このバレエの組曲版です。ついつい自分自身の子供の頃とも重ねてしまうのですが,音楽自体にそういうノスタルジックな気分が漂っているので,大人が見ても楽しめるバレエとなっているのではないかと思います。

今回の指揮は佐藤正浩さんでした。佐藤さん指揮でバレエ公演を聞くのは今回が初めてだったのですが,小序曲から,大変じっくりとしたテンポで,全曲を通じてどっしりとした落ち着きや安心感を感じました。特に第1幕後半の,ネズミ軍とくるみ割り人形軍の戦争が終わった後,くるみ割り人形が「リアルな王子」に変身して,マリー(主役はクララと呼ばれることもありますが,今回はマリーでした)とダンスを踊り,さらにコールド・バレエになっていく辺りの堂々とした盛り上がりは,さすがコンサートホールで聞くバレエだな,と思いました。この王子とマリーの素晴らしくロマンティックなダンスを見ながら,後期ロマン派の音楽なんだなぁと思いました。

そして,続くOEKエンジェルコーラスが加わる「雪のワルツ」の部分にはいつも感動してしまいます。「アーアーアーアアー」の声が聞こえてくると,分かってはいるけれどもウルっとします。

第2幕の方はディヴェルティスマンということで,本当に気楽に楽しむことができます。こういう時間はずっと続いてほしいなぁと思うのですが,お菓子をモチーフにしたお馴染みのダンスは「アッ」という間に終わってしまい,「花のワルツ」になりました。石川県のダンサーたは,エッセンのダンサーたちとしっかり絡みながら,みずみずしく,時に微笑ましいステージを作っていました。特に,「あし笛の踊り」の2人の若い男女ダンサーは,音楽の気分と相まって,初々しくていいなぁと思いました。

「花のワルツ」はそのクライマックスということで,大人数によるダンスには特に幸福感に溢れていました。OEKの演奏にも作為的なところがなく,こちらにも自然な幸福感が漂っていました。

最後に金平糖の精と王子(もう一人王子が出てきます)によるグラン・パ・ド・ドゥは「待ってました」という感じの部分です。エッセンのバレエ団メンバーによる切れ味の良さと繊細さとを兼ね備えたダンスはお見事でしたが,最後のコーダの部分では,もう少し華やかに回転をしてくれるのかなと思っていたのでちょっと地味に感じました。

最後の「全員のダンス」も良いですんねぇ。音楽堂のステージはそれほど広くないので踊りにくい部分はあったかもしれませんが,「大勢でクルッと回る」という光景を見るだけで,嬉しくなります。

最後は,眠っていたマリーが夢から目を覚まして,おしまいとなるのですが,何かとても後味の良い終わり方だと思いました。古典的なバレエについては,あれこれひねった解釈をして,「よくわからない」終わり方になることもありますが,今回の「くるみ割り人形」は,大変分かりやすいと思いました。楽しい夢から目が覚めても,その余韻がまだ残っているような感じで,「今日は良いことがありそう」と前向きな気分にさせてくれました。

カーテンコール(コンサートホールなので,リアルなカーテンはありませんが...)には次々と登場したダンサーたちが出てきて,楽しい雰囲気がさらに盛り上がるようでした。終演後,エッセンのダンサーたちのサイン会が行われましたが,これにも大勢の人が参加していました。特に小学生ぐらいの子供たちが沢山列に並んでいて,ダンサーたちと記念撮影をしていたのが,とても良い雰囲気でした。

OEKが石川県立音楽堂で活動をするようになって,多方面に広がりが出てきているのですが,この年末バレエ公演もその「広がり」の一つだと思います。エッセン+地元ダンサー+OEKによる親しみやすい「くるみ割り人形」というのもまた,OEKの財産になって来たのではないかと思います。毎年は難しいと思いますが,また,数年後に期待したいと思います。

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